
2021年現在、自動車整備業界で利用できる助成金や補助金は多数存在するため、概要を把握したうえで自社に適した制度を活用しましょう。利潤確保の手段としては、M&Aによる自動車整備工場の譲渡も有効策です。
自動車整備業界の助成金・補助金・税制一覧

自動車整備業界で利用できる助成金・補助金・税制などを以下の順番で紹介していきます。
- 働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)
- 雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)
- 人材開発支援助成金
- 先進的省エネルギー投資促進に向けた支援補助金
- スキャンツール購入費補助金
- 中小企業等経営強化税制
- 事業再構築補助金
- 新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な場合の猶予制度
それぞれの制度の概要を把握して、自動車整備工場の経営に活かしましょう。
①働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)
生産性を高めながら労働時間の短縮等に取り組む中小企業に対して支援を行う制度です。自動車整備業界では、洗車機・自動車整備リフト・ITシステムなどを導入する際に助成金の支給が受けられます。
その他にも、厚生労働省によると、タイヤチェンジャー・照明機器などの導入に利用されていることが報告されています。助成金の支給額は成果目標の達成状況により変動しますが、上限は240万円です。
※2021年度の交付申請の受付は、2021年10月15日に終了しています。
参考:厚生労働省「働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)」
②雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)
新型コロナウイルス感染症の影響により事業活動を縮小せざるを得なくなった場合に、社員の雇用維持を図るために雇用調整(休業)を実施する事業主に対して、休業手当などの一部を助成する制度です。利用対象には、自動車整備業界の経営者も例外なく該当します。
現在は新型コロナウイルス感染症の影響に伴い特例措置が講じられており(緊急対応期間は2021年12月31日まで)、上限額は労働者1人1日あたり15,000円、労働者へ支払う休業手当等の一部が助成されます。助成額と助成率は以下の式と表を用いて求めます。
- 平均賃金額✕休業手当等の支払率✕下表の助成率(1人1日あたり15,000円が上限)
| 区分 | 大企業 | 中小企業 |
| 新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主 | 2/3 | 4/5 |
| 解雇をしていないなどの上乗せの要件を満たす事業主 | 3/4 | 9/10 |
なお、以下のいずれかに該当する場合は、企業規模を問わず、助成率が4/5となります(解雇等を行わず雇用を維持した場合は10/10)。
- 売上高等の生産指標が最近3か月平均で前年又は前々年同期に比べ30%以上減少している事業主
- 緊急事態措置の対象区域またはまん延防止等重点措置の対象区域(職業安定局長が定める区域)の都道府県知事による要請等を受けて、営業時間の短縮等に協力する事業主
参考:厚生労働省「雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)」
③人材開発支援助成金
雇用する労働者のキャリア形成を効果的に促進すべく、職務に関連した専門的な知識および技能の修得を目的とする職業訓練等を受講させる事業主に対して助成する制度です。自動車整備業界においても、社員研修を通した人材育成などについて助成を受けられます。
助成金の支給額はコースにより異なりますが、特定訓練コースを利用する場合、OFF-JT(企業の事業活動と区別して実施する座学・実技訓練)における賃金助成は労働者1人1時間あたり380円〜960円、経費助成は対象経費の30%〜60%の幅で変動します。
参考:厚生労働省「人材開発支援助成金(特定訓練コース、一般訓練コース、教育訓練休暇付与コース、特別育成訓練コース)」
④先進的省エネルギー投資促進に向けた支援補助金
国内で事業を営む法人や個人事業主の行う省エネルギー対策を支援する制度であり、「一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)」により運営されています。支援事業は、「先進事業」「オーダーメイド型事業」「指定設備導入事業」「エネマネ事業」の4つに分かれており、補助率は対象経費の1/3以内〜2/3以内の幅で変動します。
※令和3年度の公募は、2021年6月30日(水)17:00に終了しています。
参考:一般社団法人 環境共創イニシアチブ「令和3年度 先進的省エネルギー投資促進支援事業」
⑤スキャンツール購入費補助金
正式名称は、「AI・IoT等を活用した更なる輸送効率化推進事業費補助金(ビックデータを活用した効率的かつ適切な自動車整備による使用過程車の省エネ性能維持推進事業)」です。
自動車整備技術の高度化を図り、次世代自動車の省エネ性能維持を推進する目的のもと、自動車整備事業者等に対してスキャンツールの導入を支援する補助金制度です。
補助の対象となる事業者は、「道路運送車両法第78条に定める認証を受けた自動車特定整備事業者」「道路運送車両法第94条に定める認定を受けた優良自動車整備事業者」「自動車整備士を有する自動車関連施設で自動車の点検等を含む事業を行う者」と定められています。
上記に該当する事業者は、スキャンツールの本体またはPC等からインターネットを通じて外部に情報を送信できるなどの一定要件を満たすスキャンツールを新たに購入する場合、経費の一部を補助してもらえます。補助率は1/3(上限額は1事業場あたり15万円)です。なお、交付決定前に購入した機器は補助の対象外となるため注意しましょう。
※令和3年度の公募は、2021年10月4日(月)に終了しています。
参考:国土交通省「令和3年度 ビックデータを活用した効率的かつ適切な自動車整備による使用過程車の省エネ性能維持推進事業(スキャンツールを使用した省エネ推進事業)」
⑥中小企業等経営強化税制
平成29年4月1日から令和5年3月31日までの期間において、経営力向上計画にもとづき設備機器を取得した中小企業者に対して税制措置を行う制度です。資本金1億円以下の法人または個人事業主 (青色申告事業者)が器具備品(単品30万円以上)や機械装置(単品160万円以上)を取得した場合、即時償却または税額控除7%(資本金3,000万円以下あるいは個人事業主の場合は10%)の優遇措置を受けられます。
ただし、優遇措置を受けるには、生産性が年平均1%以上向上する設備であり、かつ中古資産・貸付資産でない設備を取得する必要があるため注意しましょう。
参考:国税庁「No.5434 中小企業経営強化税制(中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除)」
⑦事業再構築補助金
新分野展開/事業転換/業種転換/業態転換または、事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業の挑戦を支援する制度です。
補助率は最大で3/4、上限額は8,000万円です。機械装置費/システム購入費/建物費/建物改修費/外注費/広告宣伝費などの費用に充てられるため、具体的には洗車機/アライメントテスター/エーミングツール/溶接機/車検検査ライン/各種リフト/レッカー/タイヤチェンジャー/塗装ブースなどの設備を導入する際に活用できます。
※2021年12月現在、第4次公募として同年12月21日(火)18:00まで申請を受け付けています。
⑧新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な場合の猶予制度
2020年2月1日から2021年2月1日に納期限が到来する国税について、新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年2月以降の任意の期間(1カ月以上)において事業等の収入が前年同期と比べておおむね20%以上減少し、国税を一時に納付することが困難な場合、所轄の税務署への申請により納期限から1年間にわたり納税の猶予が認められます。
特例猶予が認められると、猶予期間中の延滞税は全額免除されます。なお、本申請を行う際に担保の提供は不要です。
※上記のとおり、本猶予制度の申請期限は2021年2月1日に終了していますが、2021年2月1日までに納期限が到来する国税であり、その納期限までに申請書を提出できなかったことについてやむを得ない理由があると認められる場合は、納期限後でも申請が可能です。
参考:国税庁「新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な方へ」
自動車整備工場の成長を目指すならM&Aも有効策

新型コロナウイルスなどの影響で自動車整備業が経営難に陥っている場合、助成金や補助金、税制などの利用だけでなく、M&Aによる譲渡も有効策となります。M&Aとは、「企業・事業の合併や買収」の総称です。M&Aで自身の経営する自動車整備工場を譲渡すると、創業者利潤としてまとまった譲渡利益を得られる可能性があり、引退後の生活資金を確保するうえで役立ちます。
また、相手側に自動車整備工場を引き継げるため、社員の雇用も守られます。そして後継者不在の問題を解決できるうえに、個人保証を解消できる可能性も高いです。経営難を理由とする自動車整備工場の廃業を避けるためにも、将来的な選択肢としてM&Aによる譲渡の検討を進めておきましょう。
自動車整備工場は助成金・M&Aで存続を図るべし

この記事では、自動車整備業界で利用できる助成金や補助金、税制を紹介しました。各制度の特徴を把握し、利用の可否を確認しましょう。なお、利潤確保の手段としては、M&Aによる自動車整備工場の譲渡も有効な選択肢です。M&Aでは、後継者不在の問題解決や個人保証の解消といったメリットも期待できます。
経営難による自動車整備工場の廃業を回避するためにも、現段階からM&Aによる譲渡を検討しておきましょう。もしもM&Aについてお悩みや不明点があれば、フォーバルまでお問い合わせください。
フォーバルは事業承継M&Aを専門的に手掛ける会社で、とりわけ自動車整備業界のM&Aに特化しております。M&Aの実施が決まっていない段階でも相談可能で、24時間電話やチャットで無料相談に対応しておりますので、「M&Aによる自動車整備工場の譲渡を検討してみたい」と思われた経営者の方はぜひ一度お気軽にご相談ください。







