帝国データバンクの『全国「後継者不在企業」動向調査(2018年)』によると、日本企業の後継者不在率は、なんと全体の66.4%にのぼり、このところの後継者不在企業数は60%台で軒並み推移しており、非常に深刻な問題です。
このような現状から、中小・小規模企業の休業・廃業の結果として、GDPの減少をはじめとした経済の衰退や、雇用機会の喪失が懸念されています。今まさに後継者問題は、国を挙げて考えなければならない課題といえるでしょう。
一般的な事業承継の流れとしては、以下のような形で進んでいきます。
一般的な事業承継の流れ
事業承継の時期及び後継者の想定
事業承継を行う際には、先ず経営者の引退時期や後継者の想定をしていきますが、企業によっては5年から10年といった長いスパンとなるケースも想定されます。その為、ゴール時期から逆算してスタート時期を決めることが必要です。検討期間は早いからといって問題になることは全くありません。事業承継では、以下のような手法が取られることがあります。
親族内承継
親族内承継であれば、必ず自社株式の資産的要素と経営のノウハウに関する要素があります。この場合、引き継ぎのための時間が必要となります。
親族外承継
親族外承継であれば、自社株式引継ぎの負担や、借入金または事業に関する債務の保証等の負担について、承継する相手への情報共有が必要となります。
第3社への譲渡(M&A)
第3社への譲渡となるM&Aを取る場合は、社内体制の整備や企業価値を高めることが必要となります。
これらすべてのパターンにおいては、決算期を軸に検証することも多く、
1年またそれ以上の長期に渡る検証が必要とされます。
資産状況及び事業内容の把握
現在の資産状況および事業内容を後継者は把握しておく必要があります。いざ、ふたを開けてみたら借金まみれだった、社長以外誰もこの事業について把握していない、というようなことがないよう、現経営者様はすべてを後継者へ情報開示できるように準備していきましょう。
対応すべき課題についての把握、解決に向けた計画策定、
それに伴うスケジュール管理
計画が進むと税務面や財務面、法務面などにおける検討が必要になります。
会社の業績が良いほど税金や事業コストが掛かってしまうという財務面や財務県の課題
経営者のオーナーシップが強いほど後継者となる方の精神的負担も大きくなりがちな引継ぎ問題
また経営が芳しくない状態では、そもそも後継者のあてがないということにつながります。
中小・小規模企業の経営者、特に創業社長の場合、長年事業継続のため休む暇なく働き続けているのが現状です。そのため、長年のパートナーの離職や取引先の倒産、といったふとした出来事がきっかけとなり体調を崩されてしまうケースが往々にしてあります。そうなってから事業承継を考えるのでは正直遅いと言わざるを得ません。
事業承継の準備ができていないと、下記のような問題点が出てきてしまいます。
事業承継の準備が出来ていない時の問題点
- 清算や廃業という選択肢を取らざるを得なくなり、従業員や取引先に迷惑をかけてしまう
- 清算や廃業時に借金を残してしまう
- あわてて選んだ後継者が会社をダメにしてしまう 等
そうならないためにも、できるだけ体が健康なうちに前倒しで事業承継の段取りを検討しておくことが、後々の安心につながります。
事業承継に関するお悩みや不安など、家族や社内にはなかなか相談しにくい場合には、
フォーバルまでお気軽にご相談ください。