【2020年9月4日更新】事業承継やM&A関連費用にも適用できる経営資源引継ぎ補助金とは

令和2年4月30日に成立した今年度の補正予算は、事業規模が過去最大の111兆円となり、新型コロナウイルスの影響による景気悪化を下支えするためのさまざまな政策が盛り込まれることとなりました。

その中でも事業承継やM&Aに関係するものとしては、新たに「経営資源引継ぎ補助金」が創設され、経営資源や雇用・技術を次世代に引き継ぎ、地域のサプライチェーンを維持するための強力なバックアップ体制が整えられることになりました。

この記事では、経営資源引継ぎ補助金について、現時点(2020年9月4日)の最新情報をもとに解説していきます。

これさえ読めば分かる!経営資源引継ぎ補助金の要点

現時点(2020年9月4日)でわかっている「経営資源引継ぎ補助金」の要点を、簡単にまとめてみました。

要点① M&Aの「売り手」「買い手」の両方に対して、M&A仲介会社などへ支払う仲介手数料が補助されます

M&Aの「売り手」と「買い手」のどちらも、期間内にM&Aの仲介会社などへ支払った費用の一部を補助してもらうことができます。

要点② 補助金の支援内容は2種類に分かれています

補助金の支援内容は、「①経営資源の引継ぎを促すための支援」と「​②経営資源の引継ぎを実現させるための支援​」の2つに分かれています。また、事業承継の「買い手」と「売り手」をそれぞれ「買い手型支援(Ⅰ型)」と「売り手型支援(Ⅱ型)」の2つに分け、「買い手」に対して最大200万円、「売り手」に対して最大で650万円の補助金が支給されます。

要点③ 「①促すための支援」か「②実現させるための支援」かは、申請時の状態で決まります

経営資源引継ぎ補助金の申請時にまだ何も着手(=M&Aの仲介機関などと契約を結ぶ等)していなければ、「①経営資源引継ぎを促すための支援」の申請をします。「②経営資源の引継ぎを実現させるための支援」を選ぶことはできません。

申請時にM&Aの引継ぎ形態(「株式譲渡」や「事業譲渡」など)が決まっている場合にのみ、「②経営資源の引継ぎを実現させるための支援」を選ぶことができます。

要点④ 「①促すための支援」で申請した場合、期間内にクロージングしてもしなくても補助金額の上限は変わりません

「①経営資源引継ぎを促すための支援」で申請した場合、期間内にM&Aのクロージングまで行っても行かなくても、補助金額の上限は変わりません。

要点⑤ 「②実現させるための支援」で申請した場合、期間内にクロージングできなければ補助金額の上限が減額されます

「②経営資源の引継ぎを実現させるための支援」で申請したものの、期間内にクロージングできなかった場合、補助金の上限額は200万円から「①経営資源引継ぎを促すための支援」と同じ100万円に減額されます。

要点⑥ 経営資源引継ぎ補助金は買い手側より売り手側が厚遇されている補助金です

経営資源引継ぎ補助金は「売り手」と「買い手」の双方が補助を受けることができますが、補助金のための支出の対象期間が「売り手」と「買い手」では大幅にことなります。

  • 「売り手」の補助事業期間(注)・・・2020年4月7日から2021年1月15日まで(「事前着手届出書」を提出した場合)
  • 「買い手」の補助事業期間・・・2020年9月中旬から2021年1月15日まで

(注)補助事業期間とは、補助金の対象として認められる経費の支出期間のことをいいます。

このように、「売り手」の方が約5か月ほど長く補助事業期間が設けられています。なぜならこの補助金は、新型コロナウイルス感染症等の影響で廃業が懸念される中小企業の経営資源の引継ぎを促進させるために作られたものだからです。

経営資源引継ぎ補助金の詳細について

それでは次に、経営資源引継ぎ補助金の詳細について見てみましょう。

経営資源引継ぎ補助金の対象となる事業者

経営資源引継ぎ補助金を受け取ることのできる事業者は、【補助対象者の要件】1~6​の要件と 【経営資源引継ぎの要件】を満たし、​最終契約書の契約当事者となる中小企業者等となります。

補助対象者の要件

補助対象者となるためには、以下のすべての要件を満たさなければなりません。

  1. 補助対象者は、日本国内に拠点もしくは居住地を置き、日本国内で事業を営む者であること。​
  2. 補助対象者又はその法人の役員が、暴力団等の反社会的勢力でないこと。反社会的勢力との関係を有しないこと。また、反社会的勢力から出資等の資金提供を受けている場合も対象外とする。​
  3. 補助対象者は、法令順守上の問題を抱えている中小企業者等でないこと。​
  4. 補助対象者は、経済産業省から補助金指定停止措置または指名停止措置が講じられていない中小企業者等であること。​
  5. 補助対象事業に係る全ての情報について、事務局から国に報告された後、統計的な処理等をされて匿名性を確保しつつ公表される場合があることについて同意すること。​
  6. 事務局が求める補助事業に係る調査やアンケート等に協力できること。​

経営資源引継ぎの要件

経営資源引継ぎの要件は、以下のとおりです。2種類の支援内容のどちらかを満たさなければなりません。

  • 「経営資源の引継ぎを促すための支援」の場合・・・補助事業期間に経営資源を譲渡する者(被承継者)と経営資源を譲り受ける者(承継者)の間で事業再編・事業統合等が着手される予定であること
  • 「​経営資源の引継ぎを実現させるための支援​」の場合・・・補助事業期間に被承継者と承継者の間で事業再編・事業統合等が着手され、かつ行われる予定であること​

中小企業者等の要件

中小企業庁が定める中小企業と小規模企業者とは、以下の要件を満たす法人(もしくは個人)のことをいいます。

  • 製造業その他・・・資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人
  • 卸売業・・・資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人
  • 小売業・・・資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人
  • サービス業・・・資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人

補助の対象となる費用

補助の対象となる費用は、事業承継やM&Aで支払う⼠業専⾨家の活⽤にかかる費用(仲介⼿数料・デューデリジェンス費⽤、企業概要書作成費⽤等)です。

いわゆる「買い手」の場合は上記の費用のみが対象となりますが、「売り手」の場合には上記の費用に加え、廃業のための費用も対象となります。

補助される金額について

「経営資源引継ぎ補助金」で支給される補助金の上限額や補助率は、以下のとおりです。

タイプ

補助率

補助下限額(注1)

補助上限額

買い手型支援(Ⅰ型)

補助対象経費の3分の2

50万円

①経営資源の引継ぎを促すための支援

100万円

②経営資源の引継ぎを実現させるための支援200万円(注2)

売り手型支援(Ⅱ型)

補助対象経費の3分の2

50万円

①経営資源の引継ぎを促すための支援

100万円

②経営資源の引継ぎを実現させるための支援650万円(注2)(注3)

(注1)補助金額が50万円を下回った場合には、補助金は支給されません

(注2)補助事業期間中にクロージングまで行かなかった場合、上限額は100万円となります。

(注3)廃業費用の補助上限額は450万円とし、廃業費用を活用しない場合の補助上限額は200万円となります。ただし、廃業費用に関しては、期間内にクロージングまで行かない場合はまったく補助されません。

経営資源引継ぎ補助金の申請から受給までの流れ

経営資源引継ぎ補助金の申請から受給までのタイムスケジュールをご紹介します。現時点(2020年9月4日)ではまた未定の部分もありますので、詳細が決まり次第随時更新していきます。

現時点(2020年9月4日)では申請から受給までのタイムスケジュールは以下のように決められています。

経営資源引継ぎ補助金の公募期間

公募方法はオンラインもしくは郵送による申請のどちらでも行うことができます。それぞれの公募期間は以下のようになっています。

  • オンライン申請の場合の公募期間・・・2020年7月13日(月)から2020年8月22日(土)19時まで
  • 郵送による申請の場合の公募期間・・・2020年7月13日(月)から2020年8月21日(金)までの間の消印有効

経営資源引継ぎ補助金事務局による交付決定日

申請が締め切られると、事務局による書類審査と選考が行われます。選考が終わり交付が決定されるのは9月中旬(予定)となっています。

補助対象事業の実施期間

交付が決定されると、実際に事業承継やM&Aに向けた取り組みがスタートします。その実施期間は交付決定日(9月中旬(予定))から最長で2021年1月15日(金)までを予定しています。

実績完了報告期間

予定通り無事事業承継やM&Aが完了した場合、完了後原則15日以内に実績完了報告を経営資源引継ぎ補助金事務局に行います。

経営資源引継ぎ補助金の交付手続き開始日

2021年3月下旬ごろが予定されています。

次回補助金の公募について

今回あらたに経営資源引継ぎ補助金が創設されたことにより、最小限の費用で事業承継問題を解決できるチャンスがやって来ました。

1次公募の申請受付は既に終了しましたが、2次公募申請受付が2020年10月1日(木)~10月24日(土)から始まります(予定)。

1次公募に間に合わなかった方や、今回新たに申請を考えて見ようとお考えの方は、是非この機会に経営資源引継ぎ補助金を使った事業承継を検討されてはいかがでしょうか?

当社には創業以来30年以上にわたり中小企業の経営支援を行ってきた実績とノウハウがあり、また現在顧客となっている企業は2万社を超えているため、事業承継やM&Aのためのパートナー企業を、日本中から探し出すことができます。

「経営資源引継ぎ補助金を使った事業承継を考えてみたい!」とお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。


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