トラック運送事業とは

約15兆円のトラック運送事業の市場規模

トラック運送事業の市場規模は約15兆円、この数字は物流事業全体で約25兆円あるうちの60%に相当します。輸送品目は、消費関連が3割、建設関連4割、生産関連が3割となっています。


国内貨物輸送で最も
分担率が高いトラック物流

国土面積が狭い日本では、柔軟性や機動性の高いトラック輸送が国内貨物輸送の中心を担っています。2016年度の自動車貨物輸送量(営業用・自家用合算値)は、トンキロベース(トンキロとは、トン数に輸送距離を乗じその仕事量を表した単位)の輸送量で約2,000億トンキロ、と国内貨物輸送量合計4,120億トンキロの51%になります。営業用トラックにおける輸送品目について、2016年度のデータで構成比は、食料工業品や農水産品などの消費関連が43%、鉄鋼や機械といった生産関連が34%、建設関連が23%となっています。


トラック輸送は自社から外部委託へ

輸送量の推移を見ると、自社で物流を担う自家用のトラック輸送から外部委託によるトラック輸送への転換が進んでいます。営業用トラック輸送の比率は、トンキロベースで、1995年度には74%だったものが、2014年度には86%へと上昇しました。

理由として、荷主企業が経営資源をコア事業に集中させ、輸送・配送といった間接業務をアウトソースするような動きが進んでいるためです。さらに販売・生産とも多品種少量化が進み、在庫を極力持たないための小ロットのジャスト・イン・タイム輸送へ切り替わってきています。

倉庫事業とは

市場規模拡大は厳しい調剤薬局業界

倉庫事業者は、モノの保管や荷主から預かった商品・製品の検品や入庫、保管、流通加工、ピッキング、仕分け、荷揃え、出庫作業を伴うものです。大手企業を中心とした物流センター機能を提供している企業もここ最近は目立ちます。

倉庫事業を専業としている企業はごく少数に限られ、港湾運送事業や陸上運送事業、航空貨物運送、通関代行といった物流事業、また不動産事業などを営む企業が中心です。国土交通省「平成28年度 倉庫事業経営指標」によると、倉庫事業の営業収益のうち、普通倉庫業23%、貨物自動車運送事業8%、貨物利用運送事業24%、港湾運送事業15%、不動産賃貸業10%といった比率となり、事業が多角化していることが伺えます。

運送・物流業界の市場環境

トラック業界は小口多頻度の
輸送ニーズによって分担率増加

全日本トラック協会によると、トラックをはじめとした輸送手段および倉庫など、日本の物流事業全体における市場規模は25兆円となります。そのうちトラック運送事業は、2014年度のデータで14.5兆円と、物流市場全体の60%程度を占めています。時代の変化に伴い、日本の産業構造において石油製品やセメントといった産業の基礎物資流通量が減少、その結果航海運輸送比率がダウン、自動車輸送の比率が高い状態を保っています。ただし、荷主となる企業側ではサプライチェーンマネジメントを重視しており、リードタイムが短く小口多頻度の輸送が可能なトラック輸送の分担率が増加しています。


2,200社、3兆円の市場規模の倉庫業界

経済センサスの活動調査の産業別集計を参照すると、2016年の企業数がおよそ2,200社、売上高約3兆円規模と推察されています。

国土交通省の「倉庫統計季報」で倉庫容積を見てみると2016年度の普通倉庫の所管面積は48,583千平方メートル、冷蔵倉庫の所管容積は35,681千立方メートルとあり増加傾向にあります。しかし、日本国内の経済状況を鑑みるに、全体的に物流事業の総量は大幅な拡大は見込みにくい状況です。

運送・物流業界の競争環境

多種多様な企業が
トラック運送事業に参入している現状

大手企業は陸上のトラック輸送に加え多種多様な物流サービスを提供しており、物流子会社を中心とした一般貨物運送事業者は、特定荷主と強固な関係構築を試みている企業も増えています。取扱商品により運送・物流に関する技術や設備は様々であることから、企業生き残りをかけ、得意な事業領域に応じるケースが多く、事業の棲み分けは明確であると言えるでしょう。


日本運輸はBtoBに特化した
集中投資に踏み切る

日本通運は物流業界の最大手で、売上高は2兆円程度です。運送国内事業の比率が高く、その他一般貨物や引越、鉄道利用運送、倉庫事業など多岐に渡っています。
2018年からはビール大手4社の関西・中国~九州間の共同モーダルシフトのサポートを開始、環境負荷低減、長距離トラック輸送の削減による慢性的ドライバー不足解消を目的としたものです。
さらに海外展開として、アメリカ、ヨーロッパ、東アジアにおける収益向上や、オセアニア等における事業拡大・成長を目指しています。


SGホールディングスと資本業務提携で
協創領域拡大する日立物流

日立物流は1989年に上場したものの、労働力不足や国内物流量の下降傾向による事業環境の変化、さらに荷主企業ニーズとなる高付加価値サービスを提供するため、佐川急便を傘下にするSGホールディングスと資本業務提携を発表しています。この結果、売上規模で首位の日本通運に続く業界第2位となりました。
現在は中核事業である3PL事業の強化とシェア拡大、フォワーディング事業拡大、重量・機工事業強化を目指し、宅配部門では、BtoB事業からBtoBtoC事業への拡張を図っています。


倉庫事業の大手は国内での保管高は増加傾向に、
今後海外拠点増加による売上向上を

倉庫業界(普通倉庫)の主要企業は、三菱倉庫、住友倉庫、三井倉庫、日本トランスシティ、澁澤倉庫、ヤマタネなど、また冷蔵倉庫の主要企業はニチレイ、横浜冷凍となります。業界1位となる三菱倉庫の売上高は、倉庫や港湾運送といった物流事業が80%程度、不動産賃貸事業が20%程度となっています。他社も物流関連と不動産の2つの事業展開がメインとなっています。冷蔵倉庫の主要企業ニチレイですが、2017年度売上高は1,951億円、冷蔵保管能力は国内147万トンでシェア1位の約10%(2018年4月末)です。

各社とも他社との差別化戦略の一環として、物流効率化を図るため、物流一括請負を担う3PLの受注やSCM(サプライチェーンマネジメント)への対応により競争が激化しています。

運送・物流業界におけるM&Aの動向

国内の輸送需要は伸び悩む昨今、大手事業者を中心としたM&Aが活発化しています。特にリーマン・ショック以降はM&Aが本格化しており、新規顧客を得るのが難しい状況下で、すでに事業ノウハウを持っている企業をM&Aによって獲得し、事業規模拡大を図る企業が増えています。


TOP