ゼネコン業界とは

ゼネコンとは、施主からの発注工事における元請業者であり、建設工事の総合企画や調整、指導、加えて建設技術の研究・開発を行うといった総合的活動を行う企業のことです。ここでは、建設業界の中でも地上建設工事を行うゼネコン業界についてまとめています。


GDPの10%を占める建設投資額
中堅以上ゼネコン受注は約130兆円規模に

2017年度の年間受注高ベースでは、大手ゼネコンは約6.5兆円、準大手ゼネコンで4兆円規模、中堅ゼネコンでは2.2兆円規模と、全体で約130兆円の規模となっています(建設経済研究所(RICE)『主要建設会社決算分析』)
ゼネコン業界の国内年間の建設投資額は約55兆円で、日本のGDPの10%を占めています。非常に重要な役割っているゼネコン業界ではありますが、中長期的な働き手の確保が急務となっています。


ピラミッド構造の頂点で、
主導的役割を担う

国土交通省のデータで、建設業の許可業者数は2018年3月末時点で全国464,889業者、2018年の平均就業者数は503万人(総務省統計局『労働力調査』)となっています。その中で、ゼネコンは土木・建設業界におけるピラミッド構造の頂点に立つ企業群です。元請・下請といった関係は、直接雇用の時代を経て専属的下請、さらに一般的下請に広がっています。この下請構造の重層化によって元請完成工事に占める下請完成工事比率は、国土交通省『建設工事施工統計』によると、2005年の69%をピークに減少、2015年には60%を下回っています。


技術承継が課題

昨今、技能労働者の待遇悪化および若い労働者の入職低下が伴い、2010年以降、高齢化が進行、そのため供給能力と技術承継が課題とされています。厚生労働省『一般職業紹介状況』によると、公共職業紹介所における建設技術者の平均の有効求人倍率は5.55倍(2018年度)に達しており、東京オリンピックをはじめとした建築ラッシュによる工事量の増大等による求人数増加の一方、求職者数は減少している現状が伺えます。

このような現状を鑑み、政府や企業は、日本人労働者の賃金アップや週休2日の実現などを早急に進めるとともに、外国人労働者の雇い入れや建設ロボット技術・自律型ロボットの導入などの検討も始まっています。

ゼネコン業界の市場環境

東京オリンピック・パラリンピック特需や
首都圏再開発が後押しし、受注は堅調な様子

東京オリンピック・パラリンピックの関連の工事継続と首都圏における再開発などがけん引し、国内建設市場は堅調に推移する見通しで、2020年以降も首都圏では再開発やインフラ整備により安定した需要が見込まれる。


新規事業の縮小により、
各社とも維持修繕工事にフォーカス

また新規建設工事は伸び悩む一方、維持や補修・改修といった維持修繕市場が、古い建築物の寿命を延ばすために新たに重要と位置付けられています。背景には、高度経済成長期に整備された道路や河川、橋梁などは建築後半世紀近く経過・老朽化し、維持補修が必要とされることに裏付けされます。この維持修繕工事の需要は安定的に推移、建設市場での比率では全体の30%程度に伸びてきています。


建設後50年以上経過する
社会資本の割合

内閣官房『ナショナル・レジリエンス懇談会資料(第1回)』より

2013/32023/32033/3
道路橋
[約15万7千橋(橋長15m以上)]
18%43%67%
河川管理施設(水門等)
[約1万施設]*
25%43%64%
港湾岸壁
[約5千施設]
8%32%58%

*設置年が不明な施設は50年以上経過した施設として整理


建設コストは2017年以降上昇

建設コストはリーマンショック後の2009年あたりから景気および建設市場の悪化に伴い、資材費・労務費とも大幅下落しています。また2011年の東日本大震災後に上昇した後は横ばい傾向だったものの、東京オリンピック・パラリンピックの関連工事の影響から2017年後は再び上昇傾向にあります。

ゼネコン業界の競争環境

ゼネコン事業者は
規模別に大きく3つに分類

ゼネコン業者は年間完成工事高、事業規模によって3つに分類され、その規模に応じて請負う業務内容が異なる傾向にあります。

  • 大手(スーパーゼネコン)

    年間完成工事高1兆円超の規模

  • 準大手

    年間完成工事高2,000億円強の規模

  • 中堅

    年間完成工事高2,000億円未満


大手ゼネコンによる
シェア拡大路線は終焉に

市場全体が縮小する中、2007年頃までは大手ゼネコン中心に安定した受注を維持してきたものの、2008年のリーマンショック以降は大手、準大手、中堅ともに受注高は下落しました。しかし、2010年度に下げ止まってから以降は、建設投資が増加、回復傾向がみられています。

2013・2014年度は(一財)建設経済研究所『主要建設会社決算分析』によると、総計で前年度比19.5%増、10.5%増と堅調な伸び率で推移し、準大手では連続して20%超の伸び率となっています。その後増減を繰り返しており、2015年度以降はほぼ横ばいとなっています。


ゼネコン4社における
連結営業利益は最高益に

ゼネコン4社合計の(大林組、鹿島建設、大成建設、清水建設)の連結営業利益は、2015年度には4,296億円(前年比136.7%増)、2016年度は5,588億円(前年比30.1%増)、2017年度5,994億円(前年比7.2%増)となっています。

業績が好転している背景には、建設投資の堅調な姿勢と採算性の改善が挙げられます。2014年6月に「公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)」など「担い手3法」が改正、公共工事においては建設原価上昇を受注価格に転嫁しやすくなりました。さらに、都心部の再開発案件をはじめとしたプロジェクト案件の大型化により、工事量の増加、選別受注を可能となったことも採算性向上の要因と言えるでしょう。


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