IT・ソフトウェア業界とは

システムインテグレーターは、ユーザーとなる企業のニーズをもとにした要件定義のとりまとめと設計を行う仕事です。時には他の企業との開発連携の場合もあります。

次工程となる開発においては、ハードウェアの購入、ソフトウェアのライセンス取得、カスタマイズ開発などを行っていきます。パッケージの導入で済むものもありますが、ユーザーニーズや事業規模に応じカスタマイズ開発が必要となるので、開発工数は長くなる傾向にあります。

また、システム導入後は、サーバー管理、運用保守、システムメンテナンスなどのサービスを継続して行います。


受託開発業者は比較的多く、
中堅以下の企業でも元請けに

経済産業省『情報通信業基本調査』によると、システムインテグレーションを含む受託ソフトウェア企業は情報通信業のおよそ半分を占めており、その中でも受託開発の形で受注している企業が多くなっています。また、中堅以下の企業においても元請けによる売上が増加、従来の下請け構造が変化しつつあります。


クラウドサービスへの移行

一昔前までは、ユーザー企業の社内サーバーでシステム開発を行うオンプレミス型がメインでしたが、最近はクラウドサービス(IaaS、PaaS、SaaSなど)が普及しているのが現状です。クラウドサービスの特徴として、ユーザー企業のハードウェア選定および設定等を行う必要がありませんので導入費用を抑えられます。また、機能追加やサービスのON/OFFなどをネット経由にてリアルタイムで提供できるため、ユーザー利便性と合わせて、開発側の工数短縮など様々な面でのメリットがあるのがこのクラウドサービスと言えるでしょう。


国内人材不足は慢性的な悩み

少子高齢化の影響や、人件費負担軽減目的から、IT関連業界でもASEAN諸国へのオフショア開発が進んでいました。しかし近年、ASEAN諸国での人件費も上昇しており、今後の開発スキームの改善や、技術者育成などがポイントとなってくると思われます。

IT・ソフトウェア業界の
市場環境

システムインテグレーター業界の
市場規模は11.5兆円

システムインテグレーターの市場規模は、2017年度売上高ベースで約11.5兆円となっています。国内の市場規模は拡大傾向にあるのは言うまでもなく、情報サービス産業は世界でも幅広く安定した需要が見込まれているのが特徴です。


受託ソフトウェア開発業界の
市場規模は約10兆円

経済産業省『特定サービス産業動態統計』によると、情報サービス業の市場規模は2010年以降10兆円~となっています。情報サービス産業における売上高は増加の傾向にあり、昨今は業種に限らずIT投資の拡大がみられます。特にIoT、Fintech(フィンテック)などの新しい技術により、今後も順調に市場の成長が見込める業態と言えるでしょう。

IT・ソフトウェア業界の
競争環境

メーカー系、ユーザー系、
コンサル系、独立系に
分類される
システムインテグレーション

ここでいうメーカー系SIベンダーとは、官公庁や金融機関などの大型案件の1次ベンダーとなる企業で、日本IBM、富士通、日立製作所、NEC、NTTデータがほぼ独占しています。

次にユーザー系とは、新日鉄住金ソリューションズや伊藤忠テクノソリューションズなど、大手企業のIT部門が独立した会社で、グループ内需要が見込めるのが特徴です。

コンサル系とは、経営コンサルティングが事業の中核となっており、システム構築や開発のアウトソーシング等ワンストップサービスを提供する企業になります。野村総合研究所やアクセンチュアなどがここに分類されます。

最後の独立系は、上記に属さず顧客の要望に応じハードウェアやソフトウェアを柔軟選定、対応していく点にあります。中には自社ソフトウェアパッケージを開発した上でSIを行う企業もあります。


システムインテグレーター
業界大手は
クラウドやビッグデータ、
IoT関連などの成長を目指す

大手4社は官公庁やメガバンクといった安定した顧客を持っているのみならず、システム構築後の運用保守やサポート部分での収入獲得がある事業モデルを構築しています。また、今後は成長が見込めるクラウドやビックデータ、IoT関連のビジネスに注力していくのに加え、事業を海外展開する方向でも進んでいます。


マルチベンダーとしての
立ち位置が強み、
海外へ展開を加速しているNTTデータ

NTTデータは、2018年3月には53の国や地域、214都市にて事業展開しています。NTTデータの強みの1つとして、ハードウェアに依存しないマルチベンダーとしてのシステム構築力、その中立性があります。


テクノロジーソリューションを
主軸とした
サービス企業を目指す富士通

富士通は、主力となるテクノロジーソリューション事業においてSI事業を手がけています。富士通のITサービスは国内企業トップである、世界でも第7位のシェアを持っています。海外事業として、現在はヨーロッパ、アメリカ、アジア、オセアニアといった幅広い国や地域に向けてサービス展開が行われています。

2017年度の業績では売上高2兆6,000億円程度あり、今後の展望には不採算プロジェクトの整理、デジタルプラットフォーム中心のビジネスモデル改変等により、既存事業の収益安定化を図っていくものと思われます。さらには人材育成、開発部門・営業体制強化、世界規模での事業展開をさらに進めていく方向です。


特定顧客に対する売上高比率が
比較的高い受託開発中心企業

受託システム開発業界は顧客との密接が強いこともあり、売上比率が特定企業へある程度絞られる傾向にあります。とはいえ、受託システム開発以外にも新たに事業展開する企業もあります。発注企業のIT投資計画は、企業の業績に左右されるため、収益安定化を試みるには、複数の受注先確保や事業の多角化が必要となります。


オープンシステムへ取り組む
アルファシステムズ

アルファシステムズは、特に基幹系通信システムの開発実績に強みがあるソフトウェア会社です。近年、連結売上高に占める基幹系通信システムの売上高比率は低下傾向にあり、2011年には基幹系通信システムの売上高は連結売上高の約80%を占めていたものの、2017年には40%と落ち込んでいます。一方オープンシステムの売上高は向上、官公庁・自治体向けシステム、企業内情報システムやインターネットビジネス向けシステム開発に注力している模様です。

今後はICT活用ニーズが高い市場開拓を中心に収益基盤の拡大を図っていくと思われます。


三井住友FGとの連携で収益基盤を
安定させているさくらケーシーエス

さくらケーシーエスは、三井住友フィナンシャルグループおよび三井住友銀行の完全子会社で、金融や公共、産業と幅広い分野で様々な情報サービスを総合的に提供しています。さくらケーシーエスは、三井住友フィナンシャルグループとの連携により、決済関連サービスや各種BPOサービスの強化に取り組んでいるだけでなく、2017年には戦略ビジネス事業部を新設、新規事業領域としてヘルスケア、コンサルティング、ITインフラサービスの3部門を編入。

今後は、AIの対応力強化に加え、決済関連ソリューションに注力していく方針を打ち出しています。


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