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自動車整備のM&A

機械式の燃料噴射装置が世界で初めて自動車に搭載されたのは、1954年に発売されたメルセデスベンツ300SLでした。機械式はやがて電子制御式となり、車体にはECUが搭載されるようになりました。

1997年にはハイブリッド車のトヨタプリウスが発売され、その11年後にはシリコンバレーのテスラモーターズが電気自動車の「テスラ・ロードスター」を発売しました。

キャブレータ―からインジェクションを経て、エンジンのない電気自動車へと変貌を遂げつつある自動車の進歩はこれだけにとどまらず、自動運転さえ可能な自動車の登場もすぐそこまで来ています。

この自動車技術の高度化に伴い、2020年4月より従来の分解整備に加え電子制御装置の整備も義務付けた特定整備制度がスタートしました。これにより整備事業者は、電子制御装置整備認証の取得が義務付けられました。

また2021年以降に販売される自動車の車検からは車載式故障診断装置(OBD)を利用したOBD車検も開始されます。

自動車整備を巡るこれらの急激な変化に対応するために、これまでの延長上にはない新たな取り組みが必要となってきます。

その対応策として今、自動車整備におけるM&Aが急ピッチで行われています。

自動車整備の現状

9万を超える整備工場で50万人以上の人が働いている自動車整備の市場規模は、直近の6年間の推移をみてもお分かりのとおり、5.5兆円規模で堅調に推移しています。特に2017年からの直近3年間は年間0.8~1.7%の成長をみせており、電気自動車の登場やカーシェアリングなどで市場環境は変わってはいるものの、マーケットそのものがシュリンク(縮小)しているわけでないことが分かります。

一般に自動車整備産業は斜陽産業と見なされる傾向にありますが、実は市場規模そのものは安定しているといえます。しかし一方で、新車販売台数はピークを迎えており、少子化による人口減少・カーシェアやMaaSの普及などにより、今後は販売台数は長期的に減少していくことが推測されます。そのため自動車整備も数年遅れで減少トレンドに突入し、その傾向は長期間続くと考えられます。


自動車整備の売上シェアとその事業者数

5兆円を超える市場規模を持つ自動車整備は、おもに以下の4者によって構成されています。

専業

総売上高のうち自動車整備に関する売上が50%を超える事業場

兼業

自動車整備以外の兼業部分(自動車販売、部品用品販売、保険、石油販売等)の売上高が総売上高の50%を占める事業場(ディーラーを除く)

ディーラー

自動車製造会社または国内一手卸売販売会社と特約販売店契約を結んでいる企業の事業場

自家

主として自企業が保有する車両の整備を行っている事業場

この4者の直近6年間の売上はこのように推移しています。2014年から6年間でディーラーが売上高が9.8%増加しているのに対し、専業は7.3%ほど減少していることが分かります。

昨今ではホンダのTotal Careやスバルのマイスバルなど、ディーラーがアプリを通じて購入者の利用状況を把握し、必要な時期にコミュニケーションが取れるようになってきており、ディーラーによる囲い込みが加速してきています。

さらに自動車購入者が減少してきていることも相まって、自動車整備専業者の売上高が減少傾向にあります。

またその事業場数はこのように推移しています。事業場全体としてはわずかに減少傾向にあるものの、ディーラー数は増えています。その反面、専業は減少傾向にあることがわかります。


整備要員一人当たりの年間整備売上高

整備要員一人当たりの年間整備売上高をディーラーと専業で比較してみると、ディーラーは、この6年間で整備要員一人当たりの年間整備売上高を21,905千円から23,635千円にまで伸ばしています。いっぽう専業は2014年に10,174千円あった売上高を2019年には9,647千円まで落としています。


売上構成の比較

専業とディーラーの売上構成を比較してみると、ディーラーは売上構成の各分野の比率がバランスよく、また専業と比べると車検整備以外に定期点検整備もしっかりと押さえているのがわかります。

いっぽう専業は、車検整備が47%なのに対して定期点検整備の割合は3%しかありません。

ディーラーと比べて人手が足りないため車検整備で手一杯となっており、定期点検整備にまで手が回っていないのがよくわかります。

しかし車検前の定期点検で顧客とのタッチポイントが作れない状態がこのまま続いてしまうと、定期点検整備で顧客の青田刈りをしているディーラーに最終的には車検整備まで押さえられてしまう可能性があります。


専業事業場がマーケットで苦戦している理由

自動車整備の分析結果から、他のプレイヤーと比べ専業事業場が苦戦していることがわかります。その理由はおもに以下の3点です。

1

顧客とのタッチポイントが
作れていない

営業や事務専門の社員を抱えるディーラーと比べると、専業の社員は一人でやるべき仕事の種類や量が多く、そのためどうしても顧客とのタッチポイントを作るための時間も手間も掛けることができません。

いっぽうディーラーは豊富な資本力と人手を活かし、常にきめの細かいアフターフォローを行っています。

2

自動車の高度化に
対応できていない

電気自動車の登場や自動運転技術の進化など、自動車関連の技術は急激に高度化しています。これらを取り扱うためには、新しい技術に対する知識を日々アップデートしつつ、最新の設備を導入し続けなければなりません。

ディーラーと比べて資本力が不足している現状を考えると、自動車の高度化への対応がどうしても後手に回ってしまいます。

3

人材の確保が
できていない

高度化された自動車を整備するためには、そのための人材を確保・育成しなければなりません。販売スタッフはいるが保険の専従者がいない、整備士がいない、など販売・車検整備・保険の3つがなかなかうまく回らない会社が急増しています。

大企業ですら人手不足に苦しんでいる現在、事業規模の小さい事業所ではこのような人材の確保は大変難しく、その傾向は今後いっそう進むと思われます。


避けられない業界再編

自動車技術の進歩のスピードは、これまでの50年間とは比べ物にならないほど加速しています。例えばトヨタ自動車は現在、ドローン技術を応用した空飛ぶ車の早期実現に向け実験を行っており、技術面では既に完成しているといわれています。10年後20年後に私たちが自動車と呼ぶものは、今とは全く形も機能も異なるものになっているかもしれません。

このような技術の急激な進歩に対応するためには、資本力を高め、人材確保と積極的なIT投資を進められなければ対応できません。


来るべき難局をM&Aで乗り切る

ディーラーに比べて資本力の厳しい専業事業者が、営業や整備のための人員確保や設備投資をし続けることは決して容易ではありません。しかしこの状態が固定化されてしまえば、シェアの大部分はディーラーに寡占されてしまいます。近い将来に起こる業界再編を乗り切るためには、専業事業者同士が結束してディーラーと対峙しなければ、とても単身で立ち向かうことはできません。

この結束するための最も有効な手段が、「M&A」なのです。

事業を譲ることによって実現できること

創業者利益を獲得しつつ事業承継問題を解決できる

これまで大切に育ててきた会社(もしくは事業の一部)を譲渡すると、その対価に相応しい金額を手にすることができます。また事業承継問題も同時に片付くため、余力を持ってアーリーリタイアすることができます。

従業員や得意先などを守ることができる

会社のために働いてくれた従業員や長い間お世話になった得意先・仕入先は家族も同然です。廃業であれば路頭に迷わせることになりますが、M&Aであれば従業員も得意先もそのまま引き継がれます。また、自前だけでは難しかったOBD検査への対応、入庫車や収保増加についても譲受企業のノウハウを借りることで、自社の継続的な成長発展が実現可能となります。

事業を譲り受けることによって実現できること

売上の拡大と利益率の上昇

M&Aにより2つの専業事業者が1つの事業体に生まれ変われば売上高が増えるのはもちろんですが、お互いの組み合わせによっては1+1=2以上のシナジー(相乗効果)を発生させることができます。

例えば設備投資はできるものの人材が不足している会社が、優秀な人材はいるものの設備投資にまで手が回らない会社をM&Aした場合などがそうです。

お互い今までできなかった業務を行うことができるため売上高は増え、同時に外注へ発注していた業務の内製化を進めることができるため、利益率の大幅な上昇を実現することができます。

また自賠責保険や自動車保険の取扱高も一気に増えるため、代理店手数料の料率そのものを保険会社との交渉により上げることも可能になります。

本来であれば成功や失敗を繰り返しながら長い時間を掛けて歩む道でも、M&Aであれば一気に駆け上ることが可能になります。

事業エリアの拡大と優秀な整備人材の確保

M&Aを行うと事業エリアを一気に拡大することができます。そのため、お互い得意なサービスを相手の事業エリアで新たに展開することができるようになります。こうなるとM&A後の売上高は、足し算でなく掛け算方式で伸ばすことができます。

またM&Aは会社だけでなく人材ごと行うため、優秀な整備人材の不足問題も一気に解決することができます。


M&Aを成功させるコツは「できるだけ早く」「プロに相談」すること

M&Aはよく結婚に例えられることがあります。せっかく良い相手と出会っても、相手に相応しいパートナーに自分がなれなければ結婚することはできません。またどれだけ自分を磨いても、自分に合った相手が見つからなければ永遠に結婚することはできません。

早い段階でM&Aの実績が豊富なアドバイザーに相談することができれば、会社の企業価値が最大になった段階で事業を譲ることができます。譲り受ける側であれば、じっくりと時間を掛ければ最高の相手を見つけるチャンスが増えます。

時期を逃すと業績が悪化してM&Aのチャンスを逃してしまう場合があります。またM&Aには思いがけないリスクがあるため、あらゆる手法を検討しなければなりません。

このような業務は、経験豊富なM&Aのプロでなければできません。

また相手を自分で探していては、出会える件数には限りがある上に、どうしても偏ってしまいます。それを解消するためにはやはり、多くのクライアントを抱える経験豊富なM&Aのアドバイザーに相談するのが一番です。


実際のM&A事例

最後に、当社で実際にお手伝いした自動車整備のM&A事例をいくつかご紹介します。

事業エリアを拡大したい

市内で3店舗ほど経営しており、近隣地区へも出店したいものの、隣町には地の利もないため二の足を踏んでいたところ、同じ事業を運営する企業を譲り受けることにより事業拡大に成功したケースです。

自動車整備業界は昔から営業している地場企業のネットワークが強いため、新規参入はなかなか難しいですが、このケースではM&Aを使って事業エリア拡大に成功しました。

指定工場の認可が欲しい

県内の指定工場資格はあるものの、隣県では取れておらず、新規取得には時間がかかるため隣県の指定工場を運営する企業を譲り受けたケースです。

自社の努力だけではどうしようもない外的要因を、M&Aによってクリアすることができました。

優秀な整備人材を確保したい

入庫予約はあるものの人手が足りず、何とかしようにも思うような人材を確保することができず困り果てていたところにご相談をいただきました。最終的に優秀な整備人材が複数いる会社を譲り受けることで、無事人材不足を解消することができました。

優秀な整備士は募集してもなかなか集まらず、一から育てようと思うと何十年もかかります。M&Aによって、この何十年分を一気に縮めることができました。

まずはご相談ください

「今は譲渡しない」とお考えの方や「うちは借り入れが多いから無理だよ」とお考えの方も、とりあえず早い段階でM&Aのプロにご相談することをおすすめします。前もっていざという時の準備だけでもしておけば、万が一の場合でも迅速に対応することができるからです。

理由1

年商規模問わず
全国対応可

当社は中小・小規模企業に特化したM&Aを数多く経験しております。

決算書だけで対応を決めることは決していたしません。

数字には現れない会社の本当の実力を見つけ出し、最適な相手を日本中から探し出します。

理由2

業界での幅広い
ネットワークを保有

当社は大手損保会社さまや業界FC本部さま、その他多数の業界団体さまと業務提携を行っております。

幅広いネットワークを活かし、どんなニーズでもキャッチできる万全の体制でM&Aに向けて全力で支援いたします。

理由3

事前相談から
進め方のご提案まで
完全無料で対応

当社では、M&Aのご相談や今後の進め方のご提案まで、費用は一切いただきません。ですからぜひお気軽にお問い合わせください。

事業承継には時間が必要なため、何かあってからではチャンスを逃してしまう可能性があります。「今はとりあえず相談だけにとどめておき、何かあった時に備えておこう」こんな企業さまを当社は大歓迎いたします。

30年以上に渡り中小・小規模企業の経営支援を行ってきた実績と
20,000社のクライアントを抱える当社には、他社にはない強みがあります。

M&Aのご契約から成約までの流れ

取り組み方針のご提案後の提携仲介契約の締結までは費用は発生いたしません。ご安心ください。


譲渡希望企業さまのご契約から成約までの流れ

1

事前面談・準備

会社譲渡のご相談をいただきましたら、面談を通して譲渡をご決断された経緯や事業内容についてお伺いします。決算書などを確認させていただきM&Aのスキームや進め方をご提案し、ご納得いただいた上で当社と提携仲介契約を結んでいただきます。

2

譲受先候補の発掘

譲受先の候補企業のリストを提示させていただき、その中で最もM&Aによるシナジー効果が期待できる企業を一緒に発掘していきます。

3

トップ面談・基本条件等の交渉

譲受候補先から検討を進める意向を受けた後に、双方の会社のトップ同士による面談を行い、経営方針やM&A後のビジョンなどを直接確認します。またこの面談後に双方の希望条件等をすり合わせし、交渉を進めていきます。

4

基本合意

M&Aの条件がある程度固まってきたら、双方で基本合意を行います。

5

企業調査(デューデリジェンス)

基本合意契約締結後、譲受企業またはその企業の会計や弁護士による企業調査(デューデリジェンス)を行います。
企業調査(デューデリジェンス)とは、株式譲渡の際に生じるリスクを回避するため、譲渡対象企業の資産価値の適正評価や簿外債務の有無などの調査などを指します。

6

最終契約

最終契約書を締結、資金決済を行いM&Aを成立させます。従業員や取引先などの報告はM&Aの成約に影響を及ぼす可能性があるため、計画的に行います。


譲受希望企業さまのご契約から成約までの流れ

企業の譲受を希望される企業さまは、トップ面談までは以下の6つのステップで進んで行きます。
トップ面談以降は譲渡希望企業さまのケースと同じとなります。

1

ノンネームでの提案

企業名を伏せたノンネーム情報で当社よりご提案を行います。

2

秘密保持契約の締結

譲渡希望企業の情報に関する秘密保持契約を締結します。

3

企業概要書に基づく検討

譲渡希望企業の事業や組織、設備など詳細情報が記載されている企業概要書を元に、M&Aのシナジー効果が最大限発揮できる企業かどうかを検討します。

4

進め方についての提案

M&Aのスキームや譲受金額目線など、進め方をご提案いたします。

5

提携仲介契約の締結

進め方にご納得いただいた上で、M&Aに向けた提携仲介契約を当社と結んでいただきます。

6

具体的資料の提供

譲渡希望企業の具体的情報が記載された資料をご覧いただき、M&Aに向けた本格的な検討をします。

これら全ての行程において、
当社が綿密な打ち合わせと
きめ細かいフォローを行いますので
ご安心ください。


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