M&Aのメリットにはどんなものがある?その内容を徹底解説!

 事業承継を語る上で欠かせない言葉となっているM&A。ネガティブなイメージを持たれていた買収も現代では当たり前の行為となっており、企業の大小に限らず有効な経営戦略として認知されています。スピード感が求められるビジネスにおいて、M&Aの恩恵を享受する企業は数多あると言っても過言ではありません。そんなM&Aにはどのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。

買い手側のメリット

事業規模の拡大

特に大企業においては、事業規模の拡大を主目的としてM&Aが行われるパターンが多いです。ある程度実績をあげている企業を買収することに成功すれば、短期間で効率的に事業規模を拡大することができます。また、規模の経済性というメリットを得ることも可能です。つまり、規模が大きくなれば生産量が増大し、必要なコストが減少し、その結果収益が向上することを期待できます。事業の規模が大きいのはそれだけで武器になります。例えばコンビニエンスストアの大手であるローソンは成城石井等、ファミリーマートはサークルKサンクスを傘下に持つユニーと統合し、業界トップであるセブンイレブンに迫る動きを見せました。このように上手く買収することができれば、効率的に規模を大きくすることが可能です。

時間の効率化

ある程度実績をあげている企業を買収することができれば、それに伴って技術・ノウハウ・人材を得ることができます。これらはイチから作り上げていくのにかなりの時間を要します。それはスピード感が求められる現代ビジネスにおいては命取りになりかねません。必死で考えたサービスや商品が時代遅れになることもあります。完成された会社を買収することができれば、イチから会社を作る際に生じるリスクやコストを考えずに済みます。簡単に言えば、お金で時間を買うことによって、ビジネスにスピード感が生じさまざまなメリットを得ることができるのです。

弱点の補填

自社の弱い部分を、その部分に強みを持っている企業を買収することによって補填することができます。自社の経営努力のみでその弱点を補填しようとすると、資金や時間、また強みの部分を消してしまうかもしれないというリスクが残ります。一方すでにそこに強みを持っている企業を買収することができれば、リスクなく弱点を補填することができるのです。

事業の多角化

もともと強い分野を伸ばすだけではなく、新しい分野に参入し、トレンドに合った分野を始業することも可能です。現代ビジネスにおいてトレンドはかなり重視されています。スピード感を持ってトレンドである分野に参入することができるのはメリットの一つです。また、既存の事業だけではなく、それに関連する分野の新規開拓を狙い、事業の多角化を実施することで業績を伸ばすことのできる可能性があります。イチから多角化するにはかなりのリスクが伴います。そのリスクを限りなく減少させるということは大きなメリットであると言って良いでしょう。

技術力の向上

新規分野に参入するだけではなく、既存の分野の強化にもM&Aは有効と言えます。つまり、他社の優れた技術を取り込むということです。優れた技術は何年も培ってようやく手に入れることができます。他社を取り込むことによって、その技術力を得ることができ、既存事業を強化するのに役立ちます。

節税効果

あまり知られていませんが、M&Aには買い手に節税効果がある場合があります。それは売り手の会社が繰越欠損金を抱えていた場合、原則的にはそれを引き継ぐことができることに拠るものです。つまり黒字会社が赤字会社を買収し、赤字と黒字を相殺させることが可能ということです。しかし、不当な利用を防止するために引き継ぎには一定の制限が定められています。また複雑な処理作業があるので、かならず税理士や公認会計士などの専門家にご相談することをおすすめします。

シナジー効果の期待

M&Aにはシナジー効果も期待できます。つまり、既存の事業と買収した企業の事業が相乗効果を生み出し、全体が最適化・効率化され収益が上がる可能性があるということです。また、最初からシナジー効果を狙ってM&Aを行う企業も多々見受けられます。

ライバルを取り込む

市場が円熟期を迎えていた場合、パイを奪い合う同業者を買収することができれば、その奪い合っていたパイを手に入れることができ、収益が上がる可能性があります。また、買収した企業の技術・人材・ノウハウを吸収することができるので、事業の効率化の面でも効果を上げることができます。市場の円熟期にはこうしたM&Aによって、業界再編がおこなわれていきます。

優秀な人材の確保

優秀な人材を育て上げるのに時間と労力がかかるのは周知の通りです。しかし、M&Aで事業を買収すれば、それに携わっていた人材を、時間と労力をかけることなく手に入れることができます。これはとても大きなメリットと言って良いでしょう。もちろんこの際は単純な引き抜きとは違うので、従業員に対するケアが必要になります。

売り手側のメリット

後継者問題の解決

中小企業において、後継者問題に悩まされている企業はかなり多いと言えます。多くの中小企業で後継者がいないために廃業を考えている経営者がいます。一昔前までは親族に会社を引き継ぐのが当たり前でしたが、その考えも古くなってきているようです。子どもに会社を継ぐ意思がなかったり、また子どもに会社を引き継がせるのが不安だったりと理由はさまざまです。M&Aのメリットとして、この後継者問題の解決があげられます。例えば友好的だった企業に買収してもらえば、社員にとっても良いでしょうし、後継者がいないための廃業もまぬがれることができます。

主力事業への集中

多角的に経営を行っていると、ある事業に集中したいときに他の事業の経営が足かせになる場合があります。その場合主力事業以外を買収してもらえば、売却で得た資金を主力事業に使え、より経営に集中することができます。また、例えば不採算部門のみを売却することで、主力の事業に集中することも可能です。

経営者が自由に

これは熱意に溢れた経営者には関係の無い話かもしれませんが、経営者自身が所有する企業を売却することによって、さまざまな面で自由になることができます。精神的な面は大きいと言えるでしょう。ビジネスは水物なので日々変動する市場に心を病んでしまう人もいます。また、自身が高齢になり、相続だったり、自分が病気になってしまうことを考えると暗い気持ちになる人もいるでしょう。企業を売却することによって、それらの精神的な不安やストレスから開放されることができます。また、多忙による肉体的な厳しさから開放される可能性があるのも大きなメリットでしょう。

売却益の獲得

当たり前のことですが、事業を売却することによって売却益を獲得することができます。事業売却時の金額は、一般的に将来に渡って事業を継続して得られる利益の数年分と言われています。かなり大きなものになることが多いので、売却者はそれなりの金額を獲得することができます。それを活用し、新たな事業に進出したり、ハッピーリタイアなどいろいろと検討することができます。

廃業コストの削減

廃業というとただ会社を畳んで終わりというだけではなく、かなり面倒な手続き、またコストがかかります。例えばコストの面で言うと、従業員に対する補填・税務処理の依頼費用・賃貸原状回復費・設備や在庫の処分費用など、かなり大きな金額になることがあります。また手続きの面も書類作成等、かなり時間がかかることが多いです。しかし、会社を売却すればそれらの負担はかなり軽減されます。また廃業すると経営者は新たな仕事を探さねばならなく、また借入金返済の義務も残っています。会社を売却し、ある程度の金額を手に入れることで、それらの負担も緩和されると言って良いでしょう。

従業員を守れる

廃業せずに事業を売却することによって従業員の雇用をそのまま確保できる可能性があります。もちろん、その事業を買収した企業に拠る面はあるのですが、そのまま雇用が保証されることが多いと言って良いでしょう。ただやはり必ずしも雇用が保証されるとは限らないので、事業売却時に条件として、一定期間の従業員の雇用保証を条件として提示し、交渉を重ねることが必要になる場合もあります。

 事業の拡大

現在、ビジネス界では数が限られているパイの取り合いが日夜行われています。少子高齢化・人口減少ということもあり、そこでは上手くいかないことも多いでしょう。しかし、大企業の傘下に入ることによって、安定を得ることができ、市場での生き残りに望みをつなぐこともできます。他にも、金融機関から資金調達しやすくなったり、自社だけではどうしてもできなかった企業の成長や理念の実現など、事業拡大の可能性が拓け、さまざまなメリットが得られると言えるでしょう。

個人保証からの解放

中小企業において経営者が個人保証を負っている場合がほとんどです。M&Aにおいて、企業売却をする際、原則として個人保証をはずすようになっています。しかし、必ずはずれるとも限らないので、しっかりと交渉を進める必要があります。

まとめ!M&Aにはメリットが多い!

いかがだったでしょうか。現代のビジネスにおいて、欠かすことのできないキーワードであるM&Aのメリットを一通り見てみました。こうしてあげてみると、買い手側も売り手側もかなりのメリットを享受できることがわかると思います。今回はあげていませんが、そのメリットはデメリットをはるかに上回るものと言ってよいでしょう。

M&Aを行うことによって、何よりもビジネスにスピード感が生まれます。このスピード感は現代ビジネスにおいて死活問題と言えます。つまり、上手くM&Aを駆使することがビジネスで成功していく上でかなり重要であると言っても過言ではありません。

また、M&Aには複雑な手続き等を要する場面が多々あるので、その際は専門家に相談することをおすすめします。

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