起業家が目指すイグジットってそもそもなに?イグジットについて基礎から解説!

スタートアップ・ベンチャー界隈でよく「Exit(イグジット)」という言葉を聞くことがあるかもしれません。最近では日本でもスタートアップやベンチャーの知名度が上がってきたため、イグジットの話をニュースやテレビなどでも見る機会が増えたのではないでしょうか?

しかしながら一方で、なんとなく言葉だけを知っているけど、どういうことかわからないという方も多いくいらっしゃると思います。

そこで、今回はイグジットの種類やそのメリット・デメリットについて基礎から解説をしていきます。

そもそもイグジットとは?

イグジットの概要

イグジットとはベンチャービジネスや企業再生などにおいて、創業者やファンド(ベンチャーキャピタルや再生ファンドなど)が株式を売却し、利益を手にすることを指します。

イグジットの主な方法としては、株式公開(IPO)、株式譲渡(M&A)、経営陣による会社の買収(MBO:マネジメント・バイアウト)などがあります。

スタートアップ・ベンチャーであれ企業再生であれ、将来株式公開をするのか、事業を売却するのか、それともほかの方法をとるのか、その時期はいつ頃で、具体的に創業者や出資者にどのくらいの金銭的リターンがもたらされるのかといった点は、事業計画を作成する際にも盛り込まれるポイントになっています。

そうすることで、出資に対する見返りがどのくらい期待で、どれくらいの金額になるのかを出資者に対して示すことが可能となり、出資の意思決定を促すことができます。

また、イグジット・プランを明確にしておくことで、創業者やマネジメントメンバーのモチベーション向上につながります。

さらには、ストックオプションなどを活用することで初期の人材採用を効果的に行うことができます。

このようにイグジットを前提としたビジネスモデルを作ることで、資金面や人材面で有利な事業展開が可能になる、というメリットがあるのです。

日本と海外のイグジット傾向

日本でのイグジットはIPOが主流と言われますが、M&Aも活発に利用されています。リーマンショックのタイミングでIPO、M&Aの件数は一時的に減少したものの、その後は増加傾向にあります。

一方でアメリカは日本と比較した場合、IPO、M&Aの双方でアメリカは圧倒的に件数が多くなっています。特にM&Aの件数は日本の5倍以上にもなっています。

それでは具体的にどのようなイグジット方法があるのか、方法ごとのメリット・デメリットともにみていきましょう。

イグジットの種類とメリット・デメリット

イグジットの種類

イグジットの種類は分けて3種類あります。

スタートアップ・ベンチャービジネスで一般的に言われるイグジットはIPOとM&Aですが、ここではMBOについてもご紹介します。

IPO

IPO(Initial Public Offering)とは、経営陣や投資家などの限定された範囲内で所有していた株式を、マザーズや東証一部といった公開の証券市場に対して上場することで、市場において流通可能とするイグジット方法です。

上場した企業は株式市場からの資金調達が可能になり、また会社の知名度や社会的信用が向上します。

M&A

M&A(Mergers and Acquisitions)とは、会社や事業を他の事業会社やファンドに対して売却するイグジット方法です。

買収する側は一から事業を開始するのではないため、素早事業展開ができるとともに、買収によって既存の事業とシナジーを出すことができればより一層の成長を図ることができます。また、売却する側は評価額に応じて売却益を得ることができます。

通常M&Aでは、株式譲渡や事業譲渡等の手法が活用されます。株式譲渡の場合、創業者や投資家が所有する株式を事業の譲渡先の会社に対して売却することで、利益を得ます。一方、事業譲渡では、事業を譲渡する法人において売上が発生するため、創業者などがその売却益を得ることはできません。したがって、イグジットのM&Aでは、株式譲渡による方法がとられる場合が一般敵です。

また、M&Aは、IPOと比較すると比較的容易にイグジットが可能となります。

MBO

MBO(Management buy out)とは、経営陣が自社株式を株主から買収するM&A手法です。

MBOを実行することで所有と経営を一致させる事が可能です。

株式の売り手側から見ると、MBOは一種のイグジットの方法です。

例えば、企業の中の一事業部がスピンアウトする際に、所属企業から株式を取得することで独立する際にも用いられます。

この中でも実務では、IPOとM&Aがイグジットの方法として利用されることが多いです。

まずは、どうしてスタートアップ・ベンチャーはイグジットをする必要があるのかを見ていきましょう。

そもそもどうしてイグジットする必要があるのか

それなりの手間と時間をかけてでも、どうしてスタートアップやベンチャーはイグジットを目指すのでしょうか?

それはイグジットの概要でもお伝えしましたように、出資者に対して金銭的リターンを出す必要があるからです。

エンジェル投資家であればイグジットの期限にそこまで拘らないかもしれませんが、出資者がVC(Venture Capital)などの投資に回収期限が決まっている組織から資金調達をした場合には、期限に合わせて金銭的リターンを出すために起業家はイグジットをする必要があります。

ここからIPOとM&Aのメリット・デメリットを具体的に見ていきましょう。

IPOのメリット・デメリット

IPOのメリット

<h5>経営者が経営権を持った状態で事業を運営することができる

IPOでは、上場する際に一定数の持ち株は売却するケースが大半ですが、IPOしたからと言って経営者が全ての持ち株を売却する訳ではありません。

そのため、IPO後も経営者は引き続き経営に携わることが可能です。

IPO後には一般株主の期待も背負いながら事業を運営することになりますが、経営自体にやりがいを抱える経営者にとって適したイグジットの方法です。

<h5>イグジットで得られる利益が多い

IPOを実施すると、株式公開前と比べて株価が一気に高騰する傾向にあります。

そのため起業家と投資家はIPOの際に持ち株を売却することで、莫大な利益を得ることができます。

ただし、評価額によっては後述するM&Aの方が、イグジット時に得られる創業者利益が多くなる場合もあります。

IPOのデメリット

イグジットまでに多大な費用や時間がかかる

IPOを実現する為には、多くの条件をクリアする必要があります。

純資産額や利益額等の財務諸表に現れる条件はもちろん、社内の管理体制、労務面での条件など満たすべき条件は多くあります。

また、上記の条件を満たしたとしてもIPOの監査には時間がかかりますし、監査自体にも莫大な費用がかかります。

更には、上場を維持するためには管理コストが増大するため、こうしたコストについても検討する必要があるでしょう。

もし、IPOを考えて事業運営をする場合にはこれらのデメリットを把握する必要があります。

そのため、近年はIPOによるイグジットを目指さない企業も増えています。

M&Aのメリット・デメリット

M&Aによるイグジットのメリットとデメリットをご紹介します。

M&Aによるイグジットは、海外では多く見られていましたが、近年日本でも身近なものとなってきました。

M&Aのメリット

短期間でのイグジット

M&Aの場合、IPOよりも比較的早期でのイグジットが可能です。

IPOでは資本金や利益額といった厳しい条件を満たす必要がありますが、M&Aならば、相手企業が買いたいと思えばデューデリジェンス(事業評価)はあるもののIPOと比べ比較的早期に売却が成立します。

また、M&Aの手続き自体も市場での公開でなく企業間の取引であるため、IPOと比べ容易です。近年はM&Aによるイグジットを目指す企業が増えています。

しかし、事業売却者に一定期間の在籍義務や株式の保有を求めるロックアップがかかったり、売却後も目標を持ち、目標達成で支払いがされるアーンアウトでのM&Aも増えているため会社を売却してそこで終わりというタイプのM&Aは今後は減っていく可能性もあります。

無形資産や事業の将来性も評価の対象

M&Aでは、買い手が買収したいと思う企業であれば取引が成立します。

たとえ赤字企業であっても、シナジーが期待でき、将来の事業の成長が期待できればイグジット可能性はあります。売却予定の企業に優秀な人材がいる場合にはその人材の引き抜き目的の買収などもありえます。

これはM&Aによるイグジット特有のメリットです。

IPOの要件を満たしていない企業でも、M&Aならばイグジットを実現できる可能性があります。

M&Aのデメリット

経営者の経営権が小さくなる、もしくは完全になくなる

M&Aを実行すると、取引の内容にもよりますが経営権は相手企業に移ります。

完全に経営権を移転した場合には経営者は社内から去るか、買い手企業の社員となり事業に携わります。

事業運営にやりがいを見出す経営者の場合には、この点は大きなデメリットになることがあります。

経営者としての権限はほぼ無くなる可能性が高いため、M&Aによるイグジットを選択する際は、この点に注意しましょう。

IPOと比べてイグジットの利益額が低い

IPOと比べると、M&Aによるイグジットは金額が低いケースが大半です。

特に利益が出ていない状況で売却すると、数千万円〜数億円の企業価値となります。

結局IPOとM&Aどちらがいいの?

どちらがいいかは経営者の目的次第です。

ここまでイグジットの手法としてIPOとM&Aを見てきましたが、スタートアップ・ベンチャーにとってどちらがよいかは目的次第です。経営権を残しながらのイグジットであればIPO、短期で現金に変えたいならM&Aのようにそのときどきの状況に応じてイグジット方法を選択しましょう。

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