飲食店における後継者募集の方法とは?メリット・デメリット、注意点などをわかりやすく解説!

 

昨今、後継者不足が主に中小企業の間で問題になっています。サービス業において、実に70%を超える企業の後継者が不在であるというデータもあります。特に飲食店において、後継者不足は深刻な問題となっていて、多くの経営者がその対策に頭を抱えていると言えます。今回はそんな飲食店における後継者募集の方法を、メリット・デメリットを交えながらわかりやすく徹底的に解説したいと思います。

 

飲食店の後継者不足問題

 

後継者不足の現状

まずは後継者不足の現状をみてみましょう。帝国データバンクの「後継者問題に対する企業の実態調査」によると、飲食店を含むサービス業においては70%以上が後継者不在と回答しています。全国の中小企業においてその数値は66.1%となっているので、飲食店を含むサービス業のほうが数値は高く、問題はより深刻と言えるでしょう。

また店の規模が小さいと状況はより深刻と言えます。規模が小さいと、店主が高齢になってもお店がしっかりとまわることも多く、後継者問題についてあまり考えていないことが多いです。そして、いざ後継者が必要になったときに適任者が見つからず、廃業するというパターンも多く見られます。

 

後継者不足の理由

後継者不足にはいくつかの理由があげられます。まず理由としてあげられるのは、子どもが後継者となるのが、今の時代当たり前ではないということです。特に飲食店だと、昔は自分の子どもが後継者となり店を継ぐことが多かったのですが、時代が変わってしまい、今では子どもが他の業種につくことが増えてきています。

また、飲食業界は慢性的に人材不足に悩まされており、従業員から後継をえらぶことも難しくなっています。特に飲食店においては、料理の腕と経営能力は別物であることが多く、適切な人材が見つからないのも理由の一つです。

更には現在、中小企業の経営者の平均年齢が高くなっていることも理由に挙げられるでしょう。引退年齢をどれくらいで考えるかは個人差がありますが、だいたい65歳ほどで引退したいという経営者が多数を占めています。これは団塊の世代の引退時期と符合しており、後継者不足の理由の一つとしてあげられるのです。

 

飲食店の後継者募集の方法

それでは、後継者を選ぶ方法についてみていきましょう。

 

子どもや親族に引き継ぐ

もっとも一般的な方法と言えるのが、子どもや親族に引き継ぐことだと言えます。こちらは過去にはかなりメジャーな方法だったと言えるでしょう。メリットとしては、何よりも自分の子どもや親族が経営者になるので従業員や取引先も納得しやすく、また安心感があることがあげられます。デメリットとしては、後継者候補が複数いる場合、親族間で争いが起こってしまう可能性があるということがあげられます。また、いつ引き継ぐかが具体的でないことが多く、後任者の心の準備がしにくいというのもあげられるでしょう。

 

従業員に引き継ぐ

従業員に後継者として引き継いでもらう場合、一般的に教育の期間が短くて済むというメリットがあげられます。傍らで仕事を見ていたため、仕事内容、内部情報など引き継ぎが比較的スムーズに済むからです。デメリットとしては他の従業員の反発があげられます。最悪の場合離職者が出て、仕事がまわらなくなる可能性もあります。

 

外部から後継者を探す

飲食店ではあまりないパターンかも知れませんが、外部から後継者を探すという方法もあります。ほとんどの場合、経験値のある優秀な人材が招へいされるので、育成の手間を省くことができます。加えて、経験豊富な人材が経営するので、業績が上がる可能性があります。デメリットとしては古参従業員との軋轢の可能性があげられます。特に飲食店は内輪的な雰囲気のお店が多いので、これは大きなデメリットでしょう。また、外部から経営者を招へいする場合所有と経営が分離しているケースが多くオーナーサイドと現経営者との間で対立が生まれる可能性もあります。また、後継者として登用したのちに、不適切な人材だったと発覚するケースもあります。外部から招へいする場合は特にしっかりと人材を見極めなければいけません。

 

事業引き継ぎ支援センターの活用

事業引き継ぎ支援センターを活用することも方法の一つです。こちらが運営する後継者人材バンクは後継者不在に悩む企業と、起業家もしくは起業家を志す人材をマッチングする制度です。後継者不在に悩む企業に、登録されている後継者候補を紹介する形が取られています。こちらは比較的最近発足された制度なので、知名度が低いです。メリットとしては国が運営している機構の制度なので安心して活用できることがあげられます。また、熱意ある人材を後継者として登用できるのもメリットでしょう。今後さらに後継者問題が深刻になっていけば、知名度も上がり制度としても更に良いものになっていくと思われますが、現状は知名度の低さがネックと言えます。

 

後継者募集仲介サイトの活用

後継者募集サイトを活用するのも一つの手です。後継者人材バンクと流れは似ているのですが、サイトに登録してマッチングを待つのが一般的な方法と言えます。メリットとしては、サイトは数多くあるので、自分の会社に適したサイトを選べることがあげられるでしょう。サイトによって、どのような募集に強いか特徴があります。また、熱意のある人材を登用できるのもメリットといえます。デメリットとしては、後継者がすぐに見つかることはなかなかないということがあげられます。募集直後に応募があるのはかなりまれな事例と言ってよく、基本的には1年以上のスパンで考えなければいけません。また当たり前ですが、待遇面をよく考えないと、なかなか応募者は現れません。募集する内容をしっかりと精査し、サイトに掲載することを勧めます。また、手数料がかかることもデメリットです。サイトによってその割合はまちまちですが、決して安くない費用がかかることもまれではありません。なので募集サイトを活用する場合はしっかりと手数料面の確認をすることも大切と言えるでしょう。

 

後継者募集方法としてのM&Aの活用

 

上述した後継者の決め方はそれぞれ一長一短があるものです。そうしたなかで今最も後継者を募集する方法として注目されているのがM&Aです。M&Aを活用した後継者の募集は最近多くなっています。M&Aも基本的には仲介サイトを活用することがほとんどだと言えます。今では昔と違って、会社を売ることに抵抗感を抱く人も少なくなりました。後継者問題を解決する方法として、M&Aはかなり有用な手段と言えるでしょう。

 

M&Aを活用するメリット・デメリット

まず、メリットとしてあげられるのは、売却益をあげられることです。M&Aにおける売却益はそれなりの金額になることが多いので、そこで得た売却益を引退後の資金に使用することも可能です。後継者が見つからず廃業することになると、コストがかかります。そのコストを減らした上で売却益を得られるのは大きなメリットでしょう。また会社が存続することもメリットと言えます。もちろん会社の経営方針など変わる可能性はありますが、貴重な人材や知識、技術を守ることができます。

デメリットをみてみましょう。まず、外部の人間が経営者となるので、従業員が反発する可能性があげられます。特に飲食店などの内輪の雰囲気を大切にする業種だとその傾向がみられると言って良いでしょう。また、もちろん必ずすぐにマッチングできるというわけではないので、時間がかかる可能性があることもデメリットとしてあげられます。しっかりとタイミングを考え準備することが大切と言えるでしょう。

 

飲食店の後継者募集の注意点

 

後継者の募集にはいくつかの注意点があります。まず、情報漏洩に注意しなければいけません。従業員や取引先に事業承継をすることが伝わってしまうと、さまざまな憶測を生む可能性があります。従業員や取引先に不安を与えてしまうことは経営上良いとは言えないので、M&Aにより第三者へ事業を承継する場合は、情報をできるだけ限られた人にのみ共有することを心がけ、従業員や取引先へ伝えるタイミングは慎重に考えるべきです。また、余裕を持って後継者を探すこともおすすめします。M&Aにせよ、親族や従業員に後を継がせるにせよ、それなりの時間を要することがほとんどです。後継者を育成させるには10年ほどの時間を要するともいわれています。現在後継者候補が居ないのであれば、できるだけ早めに計画を立て、準備をすることをおすすめします。

 

飲食店の後継者募集を成功させるためには?

 

まずはしっかりと自分のお店の価値と現状を把握することが大切と言えるでしょう。自分のお店の強みを知ることはとても重要と言えます。また、オーナー、後継者、従業員、全員にとってもっとも良い着地点を探すことも重要と言えます。全員が満足できなければ、それは後の経営にも影響を与えてしまうからです。特に飲食店において、それは重要と言えます。

 

まとめ

 

いかがだったでしょうか?今深刻な状況を迎えている飲食店の後継者不足問題。解決には様々な方法があります。どのような方法があるのかをしっかりと調べ、自分のお店にもっとも合っている方法を選ぶようにしましょう。特に現在はM&Aによる事業継承が多くなっています。もちろん、M&Aにもメリット・デメリットがあるので、しっかりと内容を精査し、実行に移すことをおすすめします。


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