M&A仲介会社の選び方でやってはいけないことは?チェックするべきポイント6選を解説!

M&A仲介会社は、事業承継でM&Aをしたいと考えたときに、事業の譲渡先を探し、仲介してくれる会社です。なかなか自力でM&Aの先を見つけるのは困難。そんな時に、力強い味方がM&A仲介会社です。今回は、そんなM&A仲介会社への依頼の仕方や、選び方について解説させていただきます。

M&A仲介会社とは?

それでは、まずはM&A仲介の業務の内容や、他の事業承継に関するアドバイザーとの違い等を、解説させていただきます。

(1)M&A仲介の業務内容

M&A仲介とは、M&Aを行う際に、会社や事業の買い手側や売り手側を探すのを手伝う業務であり、M&A仲介会社はM&Aブティックファームとも呼ばれています。

この際、相手を探して終わりというわけではなく、興味のある相手が見つかった場合には、その交渉やデューデリジェンスといった業務もサポートしてくれるところが多いです。大手のM&A仲介会社は、自社内に法務や税務のエキスパートを抱えていたり、提携した法律・税理士事務所があったりするため、M&Aに関する業務はほぼすべて対応が可能となっています。

M&Aは複雑な手続きや分析が必要であるため、自力ですべてを適正に行うのは困難だと思います。そんな時にM&A仲介会社に依頼すれば、M&Aのすべての流れをサポートしてくれるため、知識がない方でも円滑にM&Aを進めることができるでしょう。

(2)M&Aの仲介会社とアドバイザリー会社の違いは?

M&Aアドバイザリーとは、M&Aにおいて売り手、買い手側がそれぞれ確定した段階から業務が始まり、それぞれに対してコンサルティング業務を行います。M&Aにおいては、FA(Financial Advisor)と呼ばれるアドバイザリーが最もよく関与することになります。

FAは、企業価値評価やデューデリジェンス等の主に会社や事業の価格算出に関する実務を行うアドバイザリーです。FAは、買い手か売り手のいずれか側の立場になってアドバイザリー業務を行います。一方、M&Aの仲介会社はどちらかの会社側の立場にたつのではなく、売り手と買い手の間で中立的な仲介を行うという点が異なっています。

(3)証券会社や投資銀行との違いは?

M&Aの仲介は、仲介会社以外でも、銀行や証券会社の投資銀行部門などが行うこともあります。これらの事業者との違いというと、M&A仲介会社が中小・零細企業の案件を主には担当するのに対し、投資銀行部門のM&Aは売却価格が10億円を超えるような大型案件や上場企業の仲介を行うという点です。

したがって、中小企業の経営者の方が、銀行などにM&Aの相談を行ったとしても、引き受けてくれない場合が多いでしょう。

よいM&A仲介会社を選ぶための7つのポイントとは?

それでは、M&Aの仲介会社を選ぶ際のポイントについてご紹介します。M&Aの相手探しは、事業承継においては最も重要な要素の一つです。この点で、信頼性のない業者に依頼してしまうと、お金目的で適切でない相手を紹介してきたり、全く相手探しをしなかったりと時間だけが経って行ってしまうということが起こりえます。

こうしたことがないように、M&Aの仲介会社を選ぶ際に見るべきポイントについて解説させていただきます。

(1)得意な業界はなにか?

M&Aの仲介は、その事業者のもつネットワークに依存するものです。こうしたネットワークは、満遍なくあるわけではなく、ある業界などに対して特化して広がっている場合が多くあります。例えば飲食業界に強いM&Aの仲介会社には、その噂を聞いてより多くの飲食関係の案件の情報が入ってくるようになるため、益々そのジャンルに特化して強くなっていきます。

したがって、M&Aの仲介会社を選ぶ際には、自分の事業の属する業界などに強い会社かどうかを考慮する必要があります。

(2)担当しているM&Aの規模

M&Aは実は規模によって、必要なスキルが異なってきます。上述したように、大手の投資銀行や証券会社では、数十億円以上の大規模なM&Aや上場企業のM&Aの案件を取り扱っています。一方でM&A仲介会社は、数億円以下の中小規模のM&Aを取り扱うケースが多いようです。

また、最近では数百万円~数千万円程度の小規模M&Aに特化したM&A仲介も出てきました。

M&A仲介会社はそれぞれ得意とする規模の案件が異なっているため、だいたいどれくらいの規模の事業譲渡をしたいか、という点からM&A仲介会社を選ぶとよいでしょう。

(3)専門家とのネットワークがあるか

M&Aは、仲介して終わりというわけではなく、実際に相手が見つかったから交渉がスタートします。この交渉では法務・財務などの専門知識が必要となってきますし、契約書や登記などの手続きも発生します。したがって、M&Aを円滑にすすめるためには、弁護士や税理士、司法書士などの専門家とのネットワークを持っているかどうかが重要となります。また、資金面での調整が必要な場合もあり、その場合は銀行や投資ファンドとの連携が発生するケースもあります。こうした場合でも対応できるかどうかを見極めましょう。

(4)報酬は適正か?

M&A仲介会社の報酬体系は後述しますが、中には高額なイニシャルフィーをとる業者も存在しています。イニシャルフィーをとった後に、ほとんど活動もせず相手先を探そうともしていない、というケースもあるようです。こうしたことが無いよう、初期のイニシャルフィーが高額な業者には注意したほうがよいでしょう。

(5)税金に精通しているか

M&Aでは、株式の譲渡や、事業の譲渡に伴って多額の税金が課せられる可能性があり、節税を検討する必要があります。M&Aの仲介会社では、契約締結まではアドバイスをしてくれますが、契約締結後の税金までは考慮してくれないところもあります。

税金に精通してサポートしてくれるM&A仲介では、税金面までを考慮した売買スキームを提案してくれるところもありますので、節税を検討したい方はこの点も考慮にいれるとよいでしょう。

(6)PMIの実務経験があるか?

PMIとは、Post Merger Integrationの略であり、M&A成立後の会社間の統合を行う過程のことを言います。M&Aを行うと、バックオフィスの統合や共同での事業部の立ち上げ、人事評価制度の調整といったPMIに関する業務が発生します。

こうした業務の中で調整が円滑に進まないと、社員間のトラブルや優秀な人材流出などが起こり、M&Aが失敗してしまう結果となってしまいます。この時、PMIの成功の実績があるM&A仲介会社であれば、失敗しそうな要因等に対して先回りして対応してくれますので、M&Aの失敗を極力回避することができるようになります。

M&A仲介の報酬は?

M&A仲介に依頼して、相手を探す場合には仲介の報酬が発生します。

こちらでは、その仲介の手数料の種類や目安の金額についてご紹介させていただきます。

(1)事前の相談料

M&A仲介会社の多くは相談は無料で行っていますが、中には事前相談料を相談の際に請求する会社もあるようです。

(2)着手金

着手金は、M&A仲介に仲介を依頼した際に、発生する初期手数料です。

M&A仲介は、案件に着手するとまず企業価値評価を行い、資料作成を進めていきます。

着手金はこのための費用としてもらうというのがM&A仲介会社のスタンスとなっています。着手金の平均相場は、100万円〜500万円くらいであり、この費用はM&Aが成功しない場合でも返還されないため注意しましょう。

なお、最近ではこの着手金が無料のM&A仲介会社も増えてきていますので、事前に確認するとよいでしょう。

(3)中間報酬

中間報酬は、M&Aの相手側との間で、基本合意契約を締結した時点でM&A仲介会社に支払う手数料です。中間報酬の相場は、約50万円~200万円程度、又は成功報酬金額の1~2割くらいの場合が多いでしょう。この手数料も、その後の交渉がうまくいかなくても返還されないため、注意が必要です。

(4)月額報酬

月額報酬は、M&A仲介会社と契約している期間毎月支払う手数料であり、月額30万円~200万円程度が相場です。毎月支払う必要があるので、M&Aの交渉が長くなるほどM&Aに要する費用が増えていくことになります。最近は月額報酬が無料のM&A仲介会社も増えてきています。

(5)成功報酬

M&Aの契約が正式に締結された際に、M&A仲介に対して支払う手数料です。

一般的にはレーマン方式と呼ばれる方式で手数料が計算されます。

多くのM&A仲介会社では、以下の料率を採用しています。

5億円以下の部分→5%

5億円超〜10億円以下の部分→4%

10億円超〜50億円以下の部分→3%

50億円超〜100億円以下の部分→2%

100億円超の部分→1%

なお、成功報酬を計算する際に、基準となる金額が「譲渡金額」「移動総資産」「企業価値」のいずれの指標が用いられるかによって、支払う手数料の額が大幅に変動するため、この点は必ず確認しましょう。このうち、「譲渡金額」ベースの計算が最も手数料が小さくなります。

完全成功報酬型のM&A仲介に依頼するべきか?

以上のようにM&A仲介には様々な手数料が発生します。しかしながら、M&Aにおいては、実際にM&Aが決まっていない以上、費用を支払うことに抵抗感がある方も多いと思います。そこで、最近では成功時以外には手数料を請求しない、完全成功報酬型のM&A仲介会社も増えてきています。

では、こうしたM&A仲介会社に依頼をするのはサービスの質の面でよいのでしょうか?ここは一概にはいうことはできませんが、完全成果報酬のM&A仲介は比較的事業がシンプルで、細かいデューデリジェンスが必要のない業態の事業の場合は向いているように思います。これらの事業では、複雑なお金の流れなどが少ないため、デューデリジェンスにかかるコストも少なく済み、完全成果報酬型のM&A仲介でも十分にパフォーマンスを発揮してくれるでしょう。

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