M&Aの手数料や報酬の相場は?M&A仲介会社に支払う費用体系を解説!

事業承継において、M&Aは選択肢として注目されるようになってきました。M&Aでうまく会社や事業の売却先が見つかれば、後継者がいない会社であっても事業を存続することが可能であり、オーナーには創業者利益モテにはいるという利点もあります。

しかしながら、M&A先を独力で見つけるのは困難であることが多く、多くの場合ではM&A仲介会社に依頼して、M&Aを行っていくことが一般的です。今回は、そうしたM&A仲介会社の概要や、M&A仲介会社に支払う手数料について紹介させていただきます。

1 M&A仲介会社とは?

M&A仲介会社は、M&Aに関する全ての工程において適切なアドバイスをし、実務面においても経営者等をサポートしてくれます。具体的には次のような役割をしてくれるのがM&A仲介会社です。

(1)M&Aの戦略の決定

M&Aにおいては、どのような戦略で行うかが最も重要な部分です。

戦略を決めていく上で一番最初に決めないといけないのが、会社や事業の売却をいつまでに終わらせるかという点です。これは主には、会社の売却を希望するオーナー経営者の意向によって決まりますが、ここが決まっていないと、いつまでに何をするかが決められないためです。

最終スケジュールがきまると、そこにあわせて工程ごとの日程を決めていきます。

M&Aでは通常検討を開始してから成立するまで、最低でも3ヶ月、長いと1年以上かかります。

その間に、企業の現状の財務や事業の評価を行ったうえで提案書の作成を行い、売却先の選定や交渉をしていく必要があります。そして、重要なのはできるだけ早期、かつ高価格で売却ができるようにしていくことであり、そのためには「どのような企業に対してどうアピールをするか」という戦略が重要になってくるのです。

(2)M&A先の選定

スケジュールとM&A戦略を決めたら、次は売却先の選定です。

売却先の選定では、M&Aの金額のレンジ、会社としてシナジーがあるかどうか、経営者のM&Aに対する姿勢、会社の規模などを軸に選んでいきます。

例えば、M&Aでは同業他社への事業売却を検討することが通常多いですが、異業種開拓したい会社があった場合には、そういう会社に対しても売却提案をすることはあります。

M&A仲介会社にはネットワークの強い業界や得意とする業種がありますので、希望する分野に合致するかは仲介会社を選ぶポイントになるでしょう。

(3)M&A先への打診

M&A先の候補を選定したら、次は具体的にM&A先に対して打診を行います。この際も、M&A仲介会社を介するメリットがあります。それは、打診時点においては、複数の会社に対して行うため、できるだけ話が具体的になるまでは会社を売却したい旨は公にしたくないというケースがあります。そこでM&A仲介会社を通してノンネームという、会社の名前等がわからない提案資料で打診をするため、相手側には具体的な会社名などはわからない状態で検討してもらうことができます。直接打診をする場合はどうしても相手にわかってしまうため、こうしたことを避けることができるようになります。

(4)売却条件の交渉

打診をして興味をもった会社とは、直接に売却条件を詰めていく交渉をします。この過程において、デューデリジェンスや、互いの条件の提示などを行っていきますが、この際にもM&A仲介会社は専門的な視点でのアドバイスをしてくれます。

(5)弁護士や会計士の紹介

また、M&Aでは契約書の作成やデューデリジェンスに弁護士や公認会計士といった専門家の協力が不可欠です。特にM&Aは専門的な領域であるためこの分野に精通した専門家である必要があります。M&A仲介会社は専門家とのネットワークも有していることから、必要なタイミングで紹介してもらうことができます。

2 M&Aの手数料の種類は?

M&Aの仲介会社に支払う手数料や報酬の種類についてみていきましょう。

次の報酬は必ずしも発生するものではなく、M&A仲介会社ごとに異なってきます。

(1)事前の相談料

M&A仲介会社の多くは相談は無料で行っていますが、中には事前相談料を相談の際に請求する会社もあるようです。

(2)着手金

着手金は、M&A仲介に仲介を依頼した際に、発生する初期手数料です。

M&A仲介は、案件に着手するとまず企業価値評価を行い、資料作成を進めていきます。

着手金はこのための費用としてもらうというのがM&A仲介会社のスタンスとなっています。着手金の平均相場は、100万円〜500万円くらいであり、この費用はM&Aが成功しない場合でも返還されないため注意しましょう。

なお、最近ではこの着手金が無料のM&A仲介会社も増えてきていますので、事前に確認するとよいでしょう。

(3)中間報酬

中間報酬は、M&Aの相手側との間で、基本合意契約を締結した時点でM&A仲介会社に支払う手数料です。中間報酬の相場は、約50~200万円程度、又は成功報酬金額の1~2割くらいの場合が多いでしょう。この手数料も、その後の交渉がうまくいかなくても返還されないため、注意が必要です。

(4)月額報酬(リテイナーフィー)

月額報酬は、M&A仲介会社と契約している期間毎月支払う手数料であり、月額30~200万円程度が相場です。毎月支払う必要があるので、M&Aの交渉が長くなるほどM&Aに要する費用が増えていくことになります。最近は月額報酬が無料のM&A仲介会社も増えてきています。

(5)デューデリジェンスフィー

先ほども出てきましたが、デューデリジェンスとは、M&Aを実行する際に相手企業の事業内容や財務状況を詳細に調査ことです。  

調査範囲は、財務や税務、法務に加え、事業自体のビジネスモデルや競合分析、収益性の予測なども含まれます。

仲介会社によっては、この手続きにも手数料が発生するケースがあり、手数料の相場は、約数十万〜100万円程度です。   

デューデリジェンスを怠ると、M&A成立後に重大なトラブルが発生する可能性が高くなるため、デューデリジェンスは必ず行ったほうがよいでしょう。金額は調査をする範囲によって変動しますので、金額を抑えたい場合には、M&A仲介会社と必要な部分だけに絞って調査するよう調整するとよいでしょう。

(6)成功報酬

M&Aの契約が正式に締結された際に、M&A仲介に対して支払う手数料です。

一般的にはレーマン方式と呼ばれる方式で手数料が計算されます。

多くのM&A仲介会社では、以下の料率を採用しています。

5億円以下の部分→5%

5億円超〜10億円以下の部分→4%

10億円超〜50億円以下の部分→3%

50億円超〜100億円以下の部分→2%

100億円超の部分→1%

なお、成功報酬を計算する際に、基準となる金額が「譲渡金額」「移動総資産」「企業価値」のいずれの指標が用いられるかによって、支払う手数料の額が大幅に変動するため、この点は必ず確認しましょう。このうち、「譲渡金額」ベースの計算が最も手数料が小さくなります。

(7)最低手数料

成功報酬は上述のように計算しますが、成功報酬だけでは取引金額が小さく、M&A仲介会社にとっては採算があわない場合があります。そこで、取引金額にかかわらず、最低手数料を設定しているM&A仲介会社が多くなっています。 最低手数料の相場は、500万円~2000万円くらいで設定されています。

3 成功報酬におけるレーマン方式と計算方法

レーマン方式は、成功報酬の計算方式の一つであり、M&Aの際の事業や会社の売却額に基づいて、報酬や手数料を計算します。M&A仲介会社のほとんどは、成功報酬の計算においてレーマン方式を採用しているところがほとんどです。

なお、手数料の料率は、M&A仲介会社によって異なりますが、次のような料率を適用する仲介会社が多いようです。

売却額手数料の割合
5億円以下の部分5%
5億円超・10億円以下の部分4%
10億円超・50億円以下の部分3%
50億円超・100億円以下の部分2%
100億円超1%

4 成功報酬以外の手数料の最近の傾向

以上のようにM&Aの報酬の体系についてご紹介しましたが、実は最近では成功報酬以外の手数料をとらないM&A仲介会社が増えてきています。

これは以前ではM&Aの件数が少なかったため、M&A自体の成立数も少なく、成功報酬だけでは事業が成立しなかったのもありますが、昨今ではM&Aの成約件数が増えたため、成功報酬だけをとるようにして相談件数を増やしたほうが、収益が上がるようになってきているという背景もあります。

また、成功報酬だけにするためには、M&Aの成功率を上げることも重要です。そのため、M&A仲介会社は自分立ちの強みとなる業種や規模などを特化していくことでこの成功率をあげるようにしており、それぞれのM&A仲介会社に以前よりも特色があるようになってきました。

したがって、M&A仲介会社はこのように成功報酬以外の手数料がかかるかどうか、という点と、いずれの分野に精通しているか、という点をより吟味したうえで依頼を行うかどうかを決めるべきです。

5 まとめ 

M&A仲介会社の手数料の相場はわかりましたでしょうか?

M&Aの報酬の体系は複雑であり、会社ごとによって異なることも多いです。したがって、依頼を相談する際には、事前に報酬体系をよく確認するようにいたしましょう。

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