副業で立ち上げた個人事業をM&Aしてもらうには?

昨今、副業の個人事業をM&Aで譲渡したい方が増加中です。この記事では、副業で立ち上げた個人事業をM&Aで譲渡する方法を解説します。失敗しないための注意点も把握し、個人事業のM&Aを成功させましょう。

副業の個人事業をM&Aで譲渡するための基礎知識

まずは、副業の個人事業をM&Aで譲渡するにあたり、「目的」「必要書類」「税金」「採用される手法」といった基本的な情報を紹介します。

M&Aで譲渡する目的

M&Aで副業の個人事業を譲渡する側の目的は、主に以下のとおりです。

  • 後継者不在問題の解決
  • 個人保証や担保の解消
  • 譲渡利益の獲得

昨今、後継者不在の問題を抱えている個人事業主は非常に多いです。株式会社帝国データバンクの実施した「全国・後継者不在企業動向調査(2019年)」によると、従業員数5人以下の中小企業における後継者不在率は73.7%に及んでいます(全体平均)。これを受けて、事業承継の達成を目的に、M&Aを用いて副業の個人事業を譲渡する動きが目立っています。

また、M&Aにより副業の個人事業を譲渡すると、多くのケースで個人保証や担保なども相手側に引き継げます。そのほか、譲渡利益の獲得も期待できるため、これらのメリットの獲得を目的にM&Aで副業の個人事業を譲渡する選択肢に注目が集まっているのです。これに対して、M&Aで副業の個人事業を買収する側にも、以下のような目的があります。

  • 事業を軌道に乗せるまでの期間短縮
  • 起業リスクの削減

すでに軌道に乗っている事業の顧客や取引先などをそのまま引き継げることから、最近ではゼロから起業するよりもM&Aにより副業の個人事業を買収する動きが加速化しています。

M&Aで譲渡する際の必要書類

M&Aで副業の個人事業を譲渡する際の必要書類は、主に以下のとおりです。

  • 個人事業の開業・廃業等届出書
  • 所得税の青色申告の取りやめ届出書
  • 所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書
  • 事業廃止届出書

個人事業の開業・廃業等届出書は、税務署および都道府県税事務所に提出する書類です。その他に挙げた書類は、税務署に提出します。

M&Aで譲渡する際の税金

M&Aで副業の個人事業を譲渡する際には、事業用資産の譲渡について課税が発生します。有償譲渡の場合、事業用資産の価値よりも譲渡金額が高ければ、差額に応じて所得税が発生する仕組みです。一方で無償譲渡の際は、M&Aの買収側に贈与税が課されます。

副業の個人事業をM&Aで譲渡する方法

次に、副業の個人事業をM&Aで譲渡する方法について、以下2つの手順で取り上げます。

  1. 依頼する専門家の選定
  2. M&A手法の選定

それぞれの手続きの流れを順番に紹介します。

①依頼する専門家の選定

まずはM&Aによる譲渡をサポートしてもらう専門家を選びます。副業の個人事業を譲渡する際に役立つ専門家は、主に以下のとおりです。

  • M&A仲介会社/M&Aアドバイザリー
  • M&Aマッチングサイト
  • 事業引継ぎ支援センター

M&A仲介会社とは、マッチングから経営統合(PMI)に至るまで、幅広くサポートしてくれるM&Aの専門家です。M&Aアドバイザリーとは違い、買収側との間に入って手続きを行ってくれるため、交渉がスムーズに進みやすい点が大きなメリットといえます。

副業の個人事業を譲渡したいなら、M&Aマッチングサイトの活用も効果的です。ただし、手数料を抑えられる反面、専門家による手厚いサポートが得られない可能性が高いため、M&Aに関する知識・経験のない個人事業主の方は慎重に利用を検討しましょう。

公的機関によるサポートを受けたい場合、各都道府県に置かれている事業引継ぎ支援センターの利用をおすすめします。とはいえ、M&A手続きのすべてをサポートしてくれるわけではないため、M&Aによる譲渡をスピーディーに進めたい場合にはM&A仲介会社に依頼しましょう。

②M&A手法の選定

M&Aで副業の個人事業を譲渡する際に採用される手法としては、事業譲渡が主流です。そのほか、個人事業を法人化している場合には、株式譲渡や株式交換などの手法が採用されるケースもあります。専門家と相談のうえ、譲渡したい個人事業の性質に応じてM&A手法を選びましょう。

その後は、専門家によって、「相手側とのマッチング」「相手側との面談」「デューデリジェンス」「各種契約書の締結」などのプロセスが進められます。

副業の個人事業をM&Aで譲渡する際の注意点

副業の個人事業をM&Aで譲渡する際の注意点として、以下の2つを取り上げます。

  1. 個人事業は信頼関係で成立している
  2. 不動産の所有権を巡るトラブル

上記の注意点を把握し、M&Aによる譲渡を成功につなげましょう。

①個人事業は信頼関係で成立している

副業といえど、個人事業では個人事業主と取引先/顧客の信頼関係により成立しているケースが多くあります。法人企業はブランドや企業価値をもとに事業が運営されており、経営者の変更がM&A後の事業運営に与える影響は基本的に軽微です。これに対して、個人事業では、M&Aによる譲渡で相手側に事業をそのまま引き継いだとしても、個人事業主の変更に取引先/顧客が不満を持てば事業継続が困難になりかねません。

そのため、副業の個人事業をM&Aで譲渡する際は、取引先/顧客との関係を壊さないように丁寧な説明を行うといった配慮が求められます。

②不動産の所有権を巡るトラブル

これは、店舗を構える個人事業(飲食店や小売店など)を譲渡する場合に問題となる注意点です。これらの事業をM&Aで譲渡する場合、店舗ごと引き継ぐケースが一般的ですが、買収側からすれば店舗(不動産)を買い取る資金の準備が求められます。

とはいえ、実際は資金力が不足している場合も多く、買収ではなく賃貸契約/使用貸借などの形式で引き継ぎが行われるケースも少なくありません。ただし、このうち賃貸契約を締結する場合、買収側にとっては賃料の継続的な支払いが大きな負担になるおそれがあります。譲渡後も引き続き事業を継続してもらうためにも、賃料設定を工夫しなければなりません。

M&Aによる譲渡で人気の高い個人事業/副業

ここでは、M&Aによる譲渡で高い人気を誇る個人事業/副業を一覧で紹介します。

事業内容

買収側から人気を集めている理由

サイト運営

・マッチングサイトでの売却案件数が多く買い手を見つけやすい

学習塾

・起業家にとって低リスクで参入しやすい事業

・顧客(生徒)をそのまま引き継げる

整体院

・常連客の獲得を狙うニーズが高い

古民家/民泊施設

・古民家ブームや民泊ブームの影響により人気が上昇

飲食店/小売店

・500万円以下程度で買収できるケースが多い

副業の個人事業をM&Aで譲渡するなら専門家に相談すべし

この記事では、副業で立ち上げた個人事業をM&Aで譲渡する方法を中心に解説しました。法人企業とは相違点があるため、必要書類や注意点などを十分に把握したうえで手続きを進めましょう。不明点・お困りのことがあれば、M&Aの専門家に相談して判断を仰ぐことをおすすめします。M&Aの専門家選びでお悩みでしたら、フォーバルまでご相談ください。

当社フォーバルは、過去20万社の経営支援実績があり、中小・小規模企業の存続と成長に向けた事業承継M&A支援を手掛けております。M&Aの実施が未定でも相談可能で、24時間電話・チャットで無料相談に対応しておりますので、「M&Aで副業の個人事業を譲りたい」「M&Aで個人事業を譲り受けたい」と思われた方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。


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