
コロナ禍における会社売却は、廃業の回避/後継者不在問題の解決など多くのメリットをもたらす経営戦略です。この記事では、コロナ禍における会社売却の件数/メリット/成功させるポイント/成功事例を紹介します。
コロナ禍における会社売却(M&A)件数の推移

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2020年4月〜5月における日本のM&A件数は大幅に減少しました。しかし、同年6月以降は増加傾向に転じています。その結果、レコフの調査によると、同年1月〜9月のM&A取引(※上場企業による子会社・事業の売却に限る)は、合計金額が5兆1,645億円(前年比およそ5倍増)、件数が294件(前年比14.8%増)と報告されており、ともに増加傾向を記録しました。
とはいえ、同年1月〜12月の年間M&A取引の動向を見ると、合計金額が14兆7,741億円(前年比17.2%減)、件数が3,730件(前年比8.8%減)となり、ともに過去最多を記録した2020年の数値を下回っています。コロナ禍の影響により海外M&Aを中心に停滞したことで、M&A取引は2011年以来9年ぶりに前年割れしましたが、依然として2019年/2018年に次ぐ水準を維持している状況です。
コロナ禍に会社売却を行うメリット

コロナ禍に会社売却を行うメリットは、主に以下のとおりです。
- 業績が悪化した企業でも廃業を回避できる
- 後継者不在問題を解決できる
- 経営資源引継ぎ補助⾦を活用できる
それぞれのメリットを順番に詳しく紹介します。
①業績が悪化した企業でも廃業を回避できる
特に中小企業は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を強く受けており、大幅な業績悪化に悩まされる企業も少なくありません。中小企業は大手企業と比べて経営資源が不足しやすく、コロナ禍が長期化するほど危機的状況に追い込まれる可能性が高いです。
こうした状況に悩む企業であっても、会社売却を行うと廃業を回避できます。これに伴い、社員の雇用や取引先との関係なども維持できるため、会社売却によって事業の存続を図る経営者が増加中です。
②後継者不在問題を解決できる
コロナ禍の先行き不透明な状況によって、中小企業を中心に後継者探しが難航する問題も発生しています。かねてより親族内承継を予定していたケースにおいても、自信の子供への承継に抵抗を感じる経営者が増えており、後継者不在の問題に発展している状況です。そもそも日本の中小企業の多くは後継者不在の問題に悩まされていましたが、コロナ禍の影響により事態が深刻化しています。
ところが、会社売却を選択すると、外部から広く後継者探しを行えます。そのため、自身の周囲にふさわしい人材がいない経営者を中心に、会社売却により第三者への事業承継を図るケースが増加している状況です。
③経営資源引継ぎ補助⾦を活用できる
2020年、コロナ禍への対策として、中小企業の事業承継をサポートする補助金制度「経営資源引継ぎ補助⾦」が誕生しました。経営資源引継ぎ補助⾦とは、事業再編・事業統合などに伴う中小企業者の経営資源の引継ぎに必要な経費の一部を補助する制度のことです。
この制度を利用すると、会社売却によって経営者に残る利益が多くなるため、債務の弁済や生活資金に充てる余裕が生まれやすくなります。つまり、会社売却のハードルが大きく下がるため、多くの経営者が利用を検討している状況です(※2021年4月現在、経営資源引継ぎ補助金の次回公募の実施は未定です)。
コロナ禍に会社売却を成功させるポイント

コロナ禍に会社売却を成功させるポイントは、主に以下のとおりです。
- 利用できる支援制度をチェックする
- M&A戦略を念入りに策定する
- 会社売却のタイミングを見計らう
- 専門家からサポートを受ける
それぞれのポイントを順番に詳しく紹介します。
①利用できる支援制度をチェックする
会社売却にあたって、自社で利用できる支援制度を確認しておきましょう。例えば、経営資源引き継ぎ補助金を活用できれば、会社売却により経営者が得られるメリットを増大させられます。
そのほか、会社売却と直接的な関係はないものの、持続化給付金や雇用調整助成金などの制度を利用できれば、中小企業の事業の安定化につなげられます。これらの制度から恩恵を受ければ買い手候補に対するアピールにもつながるため、積極的に利用を検討しましょう。
②M&A戦略を念入りに策定する
コロナ禍における会社売却を成功させるうえで、M&A戦略の入念な策定は大きなカギを握っています。会社売却におけるM&A戦略の具体例は、自社の強みや潜在的なリスクなどの洗い出しです。
自社の強みを洗い出しておくと、より多くの買い手候補に対して自社をわかりやすくアピールでき、会社売却の成功につなげられます。また、簿外債務や偶発債務などの潜在的なリスクを調査しておくと、買い手によるデューデリジェンス時のトラブルを避けられるほか、交渉の円滑な進行にもつながります。
③会社売却のタイミングを見計らう
特にコロナ禍においては、会社売却を行うタイミングも、成否を大きく左右する要素に位置付けられます。例えば、コロナ禍に伴う緊急事態宣言の発出状況によっては、自粛や休業要請などを通じて、自社の事業活動に深刻な影響が及びかねません。そのため、タイミング次第では、買い手企業が見つからないおそれがあります。
緊急事態宣言および自粛/休業要請については、いつ厳格化/解除されるのか、将来的な見とおしを判断するのは非常に困難です。したがって、早期の行動も大切ですが、ときには長期的な視野を持って会社売却のタイミングを見計らう姿勢も求められます。
④専門家からサポートを受ける
コロナ禍における会社売却では、戦略的かつ専門的に高度な判断が求められます。また、当事会社の経営者のみで取引を進めるとトラブルが発生しやすいため、会社売却の専門家からサポートを受けると良いでしょう。
会社売却のサポートを行っている機関・企業はさまざまありますが、中でも適した相談先はM&A仲介会社です。M&A仲介会社はM&Aによる会社売却の専門家であり、中小企業の事業承継問題にも精通しているため、コロナ禍に悩まされる中小企業に特化した支援を展開する機関も多く見られます。
コロナ禍の会社売却の成功事例

最後に、コロナ禍における会社売却の主な成功事例を紹介します。2020年12月、北海道旭川市のジンギスカン店「成吉思汗(ジンギスカン)大黒屋」を運営する大黒商事は、「カレーハウスCoCo壱番屋」を運営する壱番屋に対して会社売却を行いました。
大黒商事は、経営者の高齢化およびコロナ禍による観光客の激減などの問題に悩まされていました。そこで、これらの問題を解決すべく、自社の商品力や成長性などを高く評価してくれた壱番屋への会社売却を決断しています。
コロナ禍に会社売却を検討するなら専門家に相談

この記事では、コロナ禍における会社売却の件数/メリット/成功させるポイント/成功事例などを紹介しました。コロナ禍における会社売却は、廃業の回避/後継者不在問題の解決など多くのメリットをもたらす経営戦略です。その一方で、会社売却を成功させるには、戦略的かつ専門的に高度な判断が求められます。また、当事会社の経営者のみで取引を進めるとトラブルが発生しやすいため、会社売却の専門家からサポートを受けると良いでしょう。
もしもコロナ禍において会社売却をご検討中であれば、フォーバルまでご相談ください。当社フォーバルは、過去20万社の経営支援実績があり、中小・小規模企業の存続と成長に向けた事業承継M&A支援を手掛けております。会社売却の実施が未定であっても電話・チャットで無料相談を実施しておりますので、「会社売却によってコロナ禍に関する問題を解決したい」「コロナ禍における会社売却をスムーズに成功させたい」と思われた方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。







