【承継方法別】いくら必要?事業承継に必要な費用を徹底解説!

近年中小企業経営者の高齢化が進むにつれ、事業承継の必要性が経営者だけでなく社会的にも高まりつつあります。

日本の中小企業は、企業数では全体の90%以上、雇用数では70%以上を占めており、地域においては製品の製造者であると同時に消費者としての役割も兼ね、地域経済をけん引するポンプのような大切な役割を果たしているからです。

しかし、ほとんどの経営者にとって事業承継は初めての経験であり、そのため、その費用について詳しくご存知の方はあまりいません。

事業承継は専門的な業務が多いため、M&Aの仲介会社などに相談しながら進めていくのが一般的ですが、その場合には、いったいどれくらいの費用が必要となるのでしょうか?

この記事では事業承継を5つの手法に分類し、それぞれの手法について必要な費用を解説していきます。

事業承継とは

事業承継とは、会社の経営権や資産負債だけでなく、経営理念や企業風土などその事業に関するすべてのものを次の経営者に引き継ぐことをいいます。

冒頭で述べたように、日本の中小企業における事業承継問題は、日本経済の解決すべき最重要課題の一つに位置付けられており、この成否が次世代の日本経済の浮沈を握るカギになっているといっても過言ではありません。

この事業承継には全部で5つの手法があり、多くの場合M&Aの仲介会社などの専門家と相談しながら最適な方法を選択し、進めていくことになります。

なお、どの方法を選択したかによって、必要な費用はことなります。

事業承継の5つの手法

事業承継には、以下の5つの手法があります。

  1. 親族内承継
  2. 親族外承継
  3. M&A
  4. 清算・廃業
  5. 株式上場

では、それぞれの手法の内容とその特徴などを確認してみましょう。

事業承継の手法① 親族内承継

中小企業の事業承継において、昔からもっとも一般的に用いられていた手法がこの親族内承継です。最近は後継者不在など理由により数は減ってきたものの、それでも中規模以下の企業では今でも最も一般的な手法の一つです。

現経営者の親族内から後継者候補を選び、約10年ほど企業内・外で後継者としての教育を行い、バトンタッチしていきます。

親族内承継は従業員や取引先などからの理解も得やすく、経営者にとってもっとも望まれている事業承継の手法ということができます。

しかし近年では、価値観の多様化や少子化などにより、家業を継がない親族が増えていることから、この手法を活用した事業承継は減少傾向にあります。

事業承継の手法② 親族外承継

親族外承継とは、親族外から後継者を迎え入れる事業承継の手法のことをいいます。親族外から迎え入れる後継者として最も多いのは社内の従業員や役員などで、すでに事業についての知識や技術などが備わっているため、後継者教育のための時間が短くて済むというメリットがあります。

また、親族内と比べると選択肢が増えるため、より後継者にふさわしい人物を選ぶことも可能になります。

ただし、社内の従業員を登用したことにより古参の社員から反発を買うこともあるため、親族内承継と比べると社内の人間や得意先などの理解を得るのが難しい手法ともいえます。

事業承継の手法③ M&A

後継者候補をさらに広げ、社外のもっともふさわしい人物へ事業を承継する手法がM&Aです。経営者は会社を譲渡する対価として創業者利益を確保することができ、承継後は譲受企業の資本力を背景にさらに事業を拡大することができます。

また、仲介会社の全面的なサポートを受けることができるため、相手先企業のリストアップや交渉をはじめ専門的な知識の必要なものについてはすべて、安心して任せることができます。

デメリットとしては仲介手数料を支払う点がありますが、幅広い情報網から最も高く企業価値を評価している相手を探すことができ、また2020年に新たに創設された経営資源引継ぎ補助金を活用すると仲介手数料の一部が補助されることになったため、以前と比べると仲介会社に依頼するハードルはかなり下がっっているといえます。

事業承継の手法④ 清算・廃業

事業承継を行わず、経営のバトンタッチを行わない場合、清算や廃業を選ぶことになります。

清算や廃業を選択すると、創業者利益の確保ができないだけでなく、従業員の雇用喪失などさまざまな問題が起きてしまうため、あまりおすすめできる手法とはいえません。

会社の資産がなくても、また債務超過であってもM&Aにより会社を譲渡することができる場合もあるため、いきなり清算や廃業をするのではなく、まずはM&Aの仲介会社に相談してからどうするかを決めた方がよいでしょう。

事業承継の手法⑤ 株式上場

経営者として、ある意味最も華やかな事業承継が株式上場です。自社の株式を株式市場で売買することができるため、巨額の資金をマーケットから直接調達することができるようになります。

この手法にはデメリットらしいデメリットは見当たりませんが、誰でも努力によって達成できる手法ではないため、ごく一部の限られた人たちのためだけの手法といえます。

では次章より、これら5つの手法による事業承継の費用について解説してきます。

事業承継の手法別費用について

それでは事業承継の5つの手法別に、それぞれの費用について解説していきます。

親族内承継の費用

親族内承継により事業承継を行う場合、事業資産や株式などを後継者に引き継がせなければなりません。そのため、相続税や贈与税が課税される可能性もありますが、現在では事業承継税制が整備されているため、これを上手く活用することができれば、事業承継にともなう高額な税の負担をなくすことも可能になります。

ただし、そのためには税理士などの専門家への手数料が必要となります。

また、承継方法をめぐり親族内での対立などが起こった場合には、弁護士などの専門家への手数料も別途必要となります。

これらの専門家への費用はケースバイケースのため決まった金額はありませんが、一般的には数十万円から百万円を超える程度は必要になるといわれています。

親族外承継の費用

親族外承継を選択した場合、後継者が会社の資産や株式を購入しなければなりませんが、多くの場合購入資金が不足するため、金融機関からの融資も含めた複雑なスキームの組み立てが必要となります。

そのため、M&Aの仲介会社などの専門家に早い段階から依頼する場合が多く、その費用が必要となります。

また、株式などを贈与する場合は贈与税が必要となりますが、上述のとおり事業承継税制を活用すれば納税猶予を受けることができます。

親族外承継は親族内と比べ専門家に依頼する案件が多くなるため、親族内と比べると費用が高額になる傾向があります。

なお、具体的な金額については、依頼内容や事業規模によりさまざまです。

M&Aの費用

M&Aで事業承継を行う場合、仲介会社などの専門家を介して相手先企業を探し、交渉し、クロージングまでを行うことが一般的なため、相談料や着手金、中間金や成功報酬などの費用が必要となります。

なお、一般的な目安としては、

  • 着手金の相場・・・0~200万円
  • 中間金・・・0~200万円
  • 成功報酬・・・M&Aの取引金額が5億円以下の場合で約5%前後(以降取引金額が増加するごとに報酬率は減少)

となっています。

M&Aの取引金額が高額になれば、これらの費用も高額になりますが、売却金額を高く設定することが可能になります。

さらに、M&Aの仲介会社の多くは取引金額が増えるほど報酬率が逓減(ていげん)するレーマン方式を採用しているため、M&Aによる事業承継の費用は親族内・外承継と比べると高額になることが多いものの、予想している金額よりも抑えられる場合が多いといえます。

清算・廃業の費用

清算や廃業をするためには、大抵の場合、事務所や工場などを原状回復しなければなりません。そのための工事費や廃材などの処分代に費用が必要になります。

これらの費用は思いのほか高額になることが多く、M&Aのように会社の売却益が入ってくるわけではないため、最終的にはかなりの負担を強いられることになります。

また、清算や廃業にともなう税務的な手続きなどを税理士などの専門家に依頼する場合は、別途費用が必要となります。

株式上場の費用

株式上場を行うためには、そのための準備が必要であり、監査法人や主幹事証券会社に支払う金額だけでも年間に約5,000万円程度の費用が必要になるといわれています。

ただし、株式を市場で売却することにより巨額の資金を手にすることができるため、これらの費用は大した問題にはなりません。

もちろんこれ以外にも、顧問弁護士などに支払う費用が別途発生します。

このように、どの手法で事業承継を行うかによって支払う費用が随分とことなることが分かります。

まずはプロへ事業承継の相談を

事業承継は、どの手法を採用するかで必要となる費用がことなります。親族内よりは親族外、親族外よりはM&Aの方が必要となる費用は高額になる傾向がありますが、その分だけ手厚いサポートを受けることができ、また、最高の条件で事業承継を行うことができます。

当社は、経営知識や実務経験が一定以上である認定経営革新等支援機関に認定されており、税理士や弁護士などの士業専門家と提携しつつ、事業承継をはじめさまざまな経営支援に日夜取り組んでいます。

また、日本中のネットワークを生かし、豊富な実績と幅広い視野で経営者のみなさんを万全の態勢でサポートしています。

「事業承継について検討してみたい」と思われた方はぜひ一度お気軽にご相談ください。


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