
リユース業界では、今後の将来性に注目が集まっています。その一方で、業界再編や事業承継の問題も生じており要注意です。この記事では、リユース業界の今後を予測すべく、現状/動向/M&A事例などを紹介します。
リユース業界とは

リユース業界とは、中古品に代表される古物を売買・交換することで再利用を促す業界のことです。さまざまな中古生活用品(衣料品/CD/ビデオソフト/古本/ゲームソフト/楽器/家具/電気製品/日用品など)を仕入れたうえで、これらを再販売する企業群をさします。ただし、自動車は、リユース業界の取扱品に含まれません。
リサイクル業界との相違点
リユース・リサイクル業界とまとめて表記されることも多く、両者の定義は基本的に同じです。そもそもリユースおよびリサイクルという言葉は、循環型社会形成推進基本法(2000年)の制定がきっかけとなり広まりました。
この法律によりリデュース/リユース/リサイクル(3R)の考え方が導入され、リユースは再使用/再利用を表す一方で、リサイクルはペットボトルやガラスなどの再資源化をさす言葉として用いられています。
こうした事情を受けて、古物の売買を行う企業は、リユース企業と呼ばれています。とはいえ、家具/家電/衣類などを買い取り販売するお店のことを、昔からの名残りでリサイクルショップと呼ぶケースがある点も把握しておきましょう。
国内リユース業界の市場規模
経済産業省の「経済構造実態調査」によると、「中古品小売業(他に分類されないもの)」の売上金額(古本小売業/中古電気製品小売業を除く)は、2019年時点で5,047億円です。
また、リサイクル通信(リフォーム産業新聞社)によると、2018年におけるリユース業界全体の市場規模は、2兆1,880億円(前年比9.8%増)とされ、9年連続で成長しました。
こうした成長傾向の背景には、フリマアプリや企業のEC販売などの盛況ぶりが深く関係していると考えられています。
出典:リサイクル通信「リユース業界の市場規模推計2020(2018年版)」
リユース業界の取扱商品
従来のリユース業界では、ブランドバッグや宝飾品など、高単価で元値がわかりやすいものを中心に取り扱っていました。
しかし、1990年代以降は、趣味雑貨やノーブランド用品など、取扱商品の幅が広がっています。
ここでは、リユース企業およびリサイクルショップの取扱商品をまとめました。
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カテゴリ |
商品の一例 |
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ブランド品 |
バッグ、財布、時計、宝飾品など |
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スポーツ用品 |
ゴルフ用品、テニス用品、野球用品、スノーボードなど |
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楽器 |
ギター、ベース、ドラム、関連用品など |
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その他趣味雑貨 |
プラモデル、フィギュア、ラジコンなど |
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アパレル(ブランド品除く) |
ワンピース、コート、ジャケット、子供服など |
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家電 |
携帯電話、白物家電、カメラ、AV機器、ゲーム機器 |
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家具 |
テーブル、椅子、収納家具、インテリアなど |
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本 |
コミック、一般書籍 |
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その他業務用家具・機器 |
飲食店やオフィス向けの家具、厨房機器など |
リユース業界の主要企業
続いて、リユース業界に属する主要企業の概要を各社のIR情報をもとに簡単にまとめました。
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企業名 |
事業の概要 |
売上高 |
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ゲオホールディングス |
メディア店「ゲオショップ」、総合リユース「セカンドストリート」、ブランド品買取販売「OKURA」などを展開 |
328,358百万円(2021年3月) |
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ブックオフグループホールディングス |
古書店「ブックオフ」、総合リユース「ブックオフスーパーバザー」、宝飾品のリフォーム「アイデクト」を展開 |
84,389百万円(2020年3月) |
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コメ兵ホールディングス |
日本最大級のリサイクルショップ「コメ兵」、ブランド品の古物市場「KOMEHYOオークション」を運営 |
50,723百万円(2021年3月) |
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大黒屋ホールディングス |
チケット・ブランド買取&質屋・外貨両替「大黒屋」、古物市場「DKオークション」を運営 |
12,606百万円(2021年3月) |
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バリュエンスホールディングス |
ブランド品などの買取専門店「なんぼや」を展開 |
37,932百万円(2020年8月) |
リユース業界ならではの特徴

本章では、リユース業界ならではの特徴を3つ取り上げます。
- 1点物の中古品を取り扱う
- 諸条件により商品の価格が変動する
- 偽造品/盗難品を買い取るおそれがある
それぞれの項目を順番に詳しく紹介します。
①1点物の中古品を取り扱う
リユース業界に属する企業が取り扱っている中古品は、基本的にすべて1点物です。つまり、リユース業界の小売店では、メーカーの製造した同一の商品を商社や流通を通じて複数仕入れることができません。
もともと中古品は使用時に付着したキズや汚れなどの状態がそれぞれ異なっています。また、付属品の有無で価値も異なることから、買取や販売を行う際は1点ごとに査定して値付けを行っている点が特徴的です。
②諸条件により商品の価格が変動する
2つ目の特徴は、価格変動制についてです。前述のとおり、中古品は1点物であるため、さまざまな要因によって価格が変動します。
また、取引価格は新品の相場や類似品の取引などの影響を受けて形成されるだけでなく、需要と供給のバランスによっても価値が変動するのです。
上記の理由から、希少性や需要の高い商品が新品時の価格を上回るケースも珍しくありません。
その一方で、在庫が滞留している商品は、段階的に値下げを行いながら販売します。なお、「最新モデルが近々発売される」「季節外で売りづらい」「確実に売れる商品」などは、需要の変動を加味しながら買取時の査定額を調整するケースが一般的です。
③偽造品/盗難品を買い取るおそれがある
3つ目の特徴は、偽造品や盗難品などの買取リスクについてです。リユース業界の買取店には換金目的で偽造品の買取を求められるケースがあり、こうした偽造品を買い取ってしまうと、その買取金は全額損失となります。
そのうえ、偽造品を販売してしまった場合は、商標権侵害の罪で逮捕されるおそれがあるのです。したがって、買取店には、査定品が本物かどうかを見極める能力(真贋)が求められます。
加えて、買取店には、盗難品の買取を求められるケースもあります。買い取った商品が後に盗難品と判明した場合には、無償で返さなければならず、偽造品の買取と同じく買取金の損失につながりかねません。
以上のことから、偽造品や盗難品に対して注意を払う必要があります。
リユース業界の現状/今後の将来性

本章では、リユース業界の現状および今後の将来性について、順番に解説していきます。
周辺業界との融合/CtoC市場の拡大による競争激化
これまでリユース業界の買取店は、古本/ゲームソフト/CDなど商品別に業態が分かれていましたが、近年は総合チェーンを中心に取扱商品を拡大させる店舗が増えており、業態の区別が薄れています。
また、リユース業界では、インターネットオークションや「メルカリ」をはじめとするCtoC(個人間取引)市場の急速な成長が大きな脅威です。
周辺業態からの参入/ネットサービスを強化する企業の増加
近年は、CD・DVD・ゲームソフトの新品販売・レンタルを行うゲオホールディングス、カルチュア・コンビニエンス・クラブといった周辺業態の事業者が、中古品の取り扱いを強化しています。
また、マーケットエンタープライズ/リネットジャパングループ/デファクトスタンダードなどのインターネット専業プレイヤーに加えて、メルカリに代表されるCtoCのフリマアプリサービスも急成長している状況です。
こうした事情を受けて、これまで実店舗を中心としてきたリユース業界の買取店においても、ネット事業の強化を余儀なくされています。
リユース業界の今後の将来性/課題
リサイクル通信によると、2022年におけるリユース業界の市場規模は3兆円規模に及ぶことが予想されています。
CtoCサービスの急成長によって消費者の中古品に対する抵抗感は薄れており、今後は「新品よりも割安な価格で購入する」「購入した商品を売却する」といった消費者の行動が「賢い消費」と捉える傾向がより一層強まるものと見られます。
また、今後とも日本の人口総数は減少していくと考えられていますが、リユース・リサイクル品の売買を行う経験者人口については拡大傾向にあります。
ただし、リユース業界の事業者としては、CtoC取引の拡大や業界大手企業の成長などに伴い、一部で業界再編が進められている状況です。これに付随して、多くの買取店では、インターネットを利用したサービスを開始しています。
そのほか、高齢の経営者が増加傾向にあることから、事業承継の実施も業界内での課題とされており、今後の動向にも大きな注目が集まる見込みです。
リユース業界の主なM&A事例

最後に、リユース業界のM&A最新動向および主な事例を順番に取り上げます。
リユース業界のM&A最新動向
リユース業界では、主として「店舗数やエリアの拡大」「事業規模の拡大」「ノウハウの獲得」などを目的とする同業間でのM&Aが活発に実施されています。
この要因には、「リユース業界の急速な拡大」および「リユース品の流通形態の多様化」などが挙げられます。
リユース業界のM&Aによる譲渡・買収事例
リユース業界のM&Aによる譲渡・買収の主な事例を以下にまとめました。
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実施年 |
譲渡企業 |
買収企業 |
買収目的 |
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2020年10月 |
ピックアップジャパン |
トレジャーファクトリー |
静岡県における事業拡大/経営基盤の強化 |
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2020年5月 |
エコプラス |
ハードオフコーポレーション |
東北地方と北海道の営業基盤の強化 |
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2019年4月 |
おお蔵 |
ゲオホールディングス |
リユース市場の全方位的な拡充の推進/ラグジュアリーブランドのリユース商材調達力の強化/事業拡大 |
リユース業界の今後に不安があればM&Aの検討を

この記事では、リユース業界の現状/動向/M&A事例などを通じて、今後の展望について解説しました。リユース業界全体の市場規模は年々拡大しており、2022年には3兆円に及ぶものと見られます。
その一方で、業界再編や事業承継への対応も求められており、中小企業の経営者を中心に今後の動向に不安を抱く方が多いです。
こうした今後の不安を解消するには、M&Aによる譲渡の検討が有効策です。M&Aを活用すれば、たとえ後継者不在であったり経営難に陥っていたりする場合でも、事業承継を成功させられる可能性があります。
ただし、手続きをスムーズに進行させるには、専門家のサポートが必要不可欠です。
もしM&Aにより経営課題を解決したいとお考えでしたら、フォーバルまでご相談ください。
当社フォーバルは、過去20万社の経営支援実績があり、中小・小規模企業の存続と成長に向けた事業承継M&A支援を手掛けております。
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