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中小企業の後継者問題の現状は?廃業の理由や事例、解決策も紹介

中小企業の後継者問題が深刻化しています。人材不足や承継拒否から後継者不在に陥って、廃業に追い込まれる中小企業が多いです。

この記事では、中小企業の後継者問題の現状/廃業の理由や事例/解決策を紹介します。

中小企業が抱える後継者問題の現状【2021年最新】

はじめに、中小企業が抱える後継者問題の現状を最新データを用いて取り上げます。帝国データバンクが全国約26万6,000社を対象に行った調査によると、全体の約65.1%に当たる約17万社が後継者不在の状況にあることがわかりました。

後継者不在率は2011年以降で最低を更新したほか、3年連続で低下傾向にあります。

とはいえ、依然として6割を超える日本企業が後継者不在の問題に悩まされている状況です。日本企業の9割以上は中小企業が占めている事情を踏まえると、多くの中小企業が後継者問題を抱えている状況にあります。

ここからは、後継者問題に悩む中小企業の現状を、業種別/地域別/社長年代別の後継者不在率データを用いて取り上げます。


【業種別】後継者問題に悩む中小企業

業種別に見ると、後継者不在率が最も高いのは、「建設業(70.5%)」です。「その他」を除く全7業種で唯一7割台の後継者不在率を記録していますが、これまでに最も高かった 2018年以降は2年連続で低下しています。

その後は、「サービス業(69.7%)」、「不動産業(67.5%)」、「小売業(66.4%)」、「卸売業(63.0%)」と続きます。

前年と比較すると、サービス業は2011年の調査開始以降初めて後継者不在率が7割を下回ったほか、卸売業や不動産業などとともに過去最低を記録しました。

その一方で、小売業の後継者不在率は前年比で0.4%上昇しています。対前年比で後継者不在率が上昇したのは、2017年以来3年ぶりです。

小売業の内訳を見ると、とりわけ「飲食店(71.6%)」「自動車類小売(71.7%)」などで後継者不在率の高止まりが続いています。なお、最も後継者不在率が低いのは「製造業(57.9%)」で、全7業種中唯一の5割台です。


【地域別】後継者問題に悩む中小企業

地域別に見ると、後継者不在率が最も高いのは、「北海道(72.4%)」です。北海道では調査開始以来、一貫して全地域中で最も高い後継者不在率を記録していますが、3年連続で前年を下回っています。

その後は、「中国地方(70.8%)」、「近畿地方(66.3%)」、「東北地方(65.2%)」、「関東地方(65.2%)」と続きます。このうち、関東/近畿地方では、過去最低を記録しました。

その一方で、四国地方は5年連続、中国地方は2年連続で後継者不在率が上昇しています。

なお、都道府県別に見ると、後継者不在率が最も高いのは「沖縄県(81.2%)」で、全国平均(65.1%)を大幅に上回りました。


【社長年代別】後継者問題に悩む中小企業

社長年代別に見ると、事業承継適齢期に当たる「60代(48.2%)」は、2年連続で後継者不在率5割を下回っています。

また、前年比で見ると、「30代未満(92.7%)」「80代以上(31.8%)」以外の年代で、後継者不在率が低下傾向にある状況です。

とりわけ40代以降の後継者不在率は調査開始以来で最低を記録しており、「50代(69.4%)」では初めて7割を下回っています。

出典:「特別企画:全国企業「後継者不在率」動向調査(2020 年)」


中小企業の後継者問題による廃業理由

続いて、中小企業の後継者問題によって廃業に陥ってしまう理由を、以下の項目で詳しく取り上げます。

①周囲に後継者にふさわしい人材がいない
②子供への負担を考えて事業承継させない
③後継者候補に承継を拒否されてしまった
④業種に将来性に不安があり事業の継続が見込めない

それぞれの理由を把握し、自社で当てはまる項目がないか確認しましょう。


①周囲に後継者にふさわしい人材がいない

経営者の周囲に後継者としてふさわしい人材がいないことで、廃業に陥ってしまう中小企業は多く存在します。これまで中小企業では、経営者自身の子供や親族を後継者とする「親族内承継」が多く実施されてきました。

しかし、子供や親戚に経営者としての資質や能力がない場合、事業承継が難しくなって結果的に後継者問題に発展してしまいます。

こうした事情で後継者問題が発生した中小企業では、親族内承継の代わりに、自社の社員や役員を後継者とする「親族外承継」の実施を試みるケースも多く見られます。

親族外承継では、これまで身近で業務を手掛けてきた社員や役員を後継者に指名できるため、経営者からすると安心して引退を果たすことが可能です。

ところが、自社の社員・役員に会社経営を引き継ぐほどの資質や能力がない場合もあります。

以上のことから、親族内および親族外で後継者にふさわしい人材を見つけられず、事業承継の円滑な進行が困難となったことで、結果的に後継者問題に直面する中小企業は少なく有りません。

②子供への負担を考えて事業承継させない

最近では、子供の職業選択の自由を尊重したいと考える経営者が増えています。こうした事情により、子供に自社の引継ぎを求めずに後継者不在の状態になることで、結果的に廃業に追い込まれる中小企業も多いです。

③後継者候補に承継を拒否されてしまった

経営者になる負担の大きさを考えて、子供/親族/社員などの後継者候補が承継を拒否するケースも存在します。

こうしたケースでは、後継者候補を新たに見つけることが困難となり、後継者問題に発展してしまう中小企業が多いです。

④業種に将来性に不安があり事業の継続が見込めない


将来性に不安がある業種の場合、後継者探しが困難となる傾向にあります。例えば、小売業/建設業/製造業などの業種の場合、ネット販売/高齢化による人手不足/機械化への移行などの影響により、将来的に経営が成り立たなくなる事態が考えられます。

こうした事情から自社の事業に対して不安を抱いた経営者の方は、廃業の道を選んでいます。たとえ自身の周囲に事業の引継ぎを希望する人がいたとしても、業種の将来性が悪いために事業承継しない選択を採用する経営者も少なくありません。


中小企業の後継者問題による廃業事例

本章では、後継者問題を理由に近年廃業を決めた中小企業の主な事例を紹介します。

企業名

事業の概要

廃業時期

廃業理由

岡野工業

深絞りによる金属板の加工/痛くない注射器の開発 など

2020年

後継者不在

木挽町辨松

弁当製造

2020年4月

後継者不足/設備の老朽化/コロナ禍による経営不振

新右ヱ門 秀峰閣

老舗の温泉旅館

2018年3月

後継者不在/人材不足

中小企業が抱える後継者問題の解決策

最近では、後継者問題に悩まされている中小企業が多く存在している状況です。そこで最後に、中小企業が抱える後継者問題の解決策として、以下の3つを取り上げます。

  1. 後継者を外部に求める
  2. M&Aによる事業承継を検討する
  3. 廃業により会社を清算する

「後継者問題を解消したい」と考えている中小企業経営者の方は、ぜひ参考にしてください。それぞれの項目を順番に詳しく紹介します。


①後継者を外部に求める


後継者を外部に求める行為も、厳密にいえば親族外承継に該当します。ただし、通常の親族外承継とは違い、自社の社員や役員ではなく、取引先の経営陣などを後継者に指名するのが一般的です。

後継者を外部に求めることで、経営者として手腕の優れた有能な人材を登用できます。これにより、事業の拡大・成長につながる可能性が高いです。

ただし、自社の事業に不安要素があったり、会社に多額の負債があったりすると、外部の人材から引継ぎを拒否されてしまうおそれがある点に注意しましょう。


②M&Aによる事業承継を検討する

これは、M&Aによる譲渡を利用して、第三者に自社の事業を引継ぐという解決策です。M&Aによる譲渡では、買収側の企業が自社の事業を引き継いでくれるため、後継者問題を解消したうえで経営の引退を果たせます。

また、M&Aによる譲渡では、事業承継できずに廃業を強いられる状況を回避できるため、従業員の雇用維持も可能です。

さらには、買収側企業とのシナジー効果の発揮により、自社の経営状況が改善するだけでなく、成長も期待できます。

そして経営者にとっての最大のメリットは、譲渡利益を獲得できる点です。獲得した利益は引退後の生活費や別事業への投資などの資金に充てられます。

③廃業により会社を清算する

廃業により会社を清算する選択肢も、後継者問題を解決するひとつの方法です。ただし、事業を廃業すれば、これまで働いていた自社の社員や取引先などに迷惑をかけてしまいます。

また、中小企業では、資産処分を行ったとしても債務超過になるケースが多く、簡単に清算や廃業が行えないのが現状です。

自社の今後/社員/経営者自身のメリットを考慮すると、後継者を外部に求めたり、M&Aによる事業承継を検討したりする選択肢をおすすめします。


中小企業の後継者問題を解決するには専門家に相談

この記事では、中小企業が抱える後継者問題について、現状/廃業の理由や事例/解決策を紹介しました。

日本では6割を超える企業が後継者不在の問題を抱えており、そのほとんどが中小企業とされています。とりわけ建設業/サービス業/不動産業/小売業/卸売業の後継者不在率が高く、問題の早期解決が求められている状況です。

中小企業が抱える後継者問題の解決策としては、後継者を外部に求めたり、M&Aによる事業承継を検討したりする選択肢が効果的です。

とはいえ、取引先の経営陣などを後継者に指名することは簡単ではないため、まずはM&Aによる譲渡の可能性を探りましょう。

しかし、M&Aにも、手続きの進行に専門知識が求められるというデメリットがあります。また、自社の希望どおりにM&A取引を行うには、高い交渉能力も必要です。

そのため、M&Aによる譲渡を検討したら、早期の段階で専門家に相談/依頼することをおすすめします。

もしM&Aにより後継者問題を解決したいとお考えでしたら、フォーバルまでご相談ください。

当社フォーバルは、過去20万社の経営支援実績があり、中小・小規模企業の存続と成長に向けた事業承継M&A支援を手掛けております。

M&Aの実施が未定であっても電話・チャットで無料相談を実施しておりますので、「M&Aによる譲渡で廃業を回避したい」と思われた方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。


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