会社(企業)買収の流れと注意すべき5つの点について

会社(企業)買収を成功させるためには、さまざまな準備や手続きが必要です。それらの一つ一つに時間がかかるだけでなく、流れそのものも大変複雑です。

そこでこの記事では、会社を買収するための流れやそのために注意すべき5つの点について考えてみたいと思います。

会社買収の流れ

会社を買収するための流れは、大きく分けると以下の4つになります。

  1. M&Aの準備
  2. M&Aのための交渉
  3. M&Aの契約
  4. 統合プロセスの実施

会社買収を成功させるためには、手順に従いこの4つのプロセスを実施しなければなりません。そこでこの章では、それぞれのプロセスについて解説していきます。

M&Aの準備

M&Aの準備をするにあたり、はじめにやらなければならないのが仲介会社とのアドバイザリー契約の締結です。

仲介会社を通さなくても、経営者の人脈を使った口コミで相手先企業を探すことができなくもないのですが、探せる企業の数に限りがあるためこれはあまりおすすめできません。

M&Aのゴールは、買い手にとっては、自社にとってもっとも欠けている部分を補ってくれる人材や技術力や取引口座などを持っている企業を買収することであり、いっぽう売り手にとっては、自社の企業価値を最大限評価してもらえる買い手を見つけることです。

この2社の最高の組み合わせを実現させるためには、売り手希望企業や買い手希望企業のリスト数が多くなければ確率的に難しくなります。まして、これを個人の努力だけで補うことはほとんど不可能なため、仲介会社との契約がM&A成功への第一歩となります。

次に、どの仲介会社と契約を結ぶかですが、おすすめは最初から1社に絞らず、少なくとも何社かの説明会やセミナーなどに参加してじっくりと話を聞き、ご自身に合いそうな会社を見つけていく方法です。

またそれ以外にも、会社規模(上場しているかどうかなど)が大きかったり社歴が長いことなどを基準に選ぶ方法などもあります。

仲介会社との契約が無事完了したら、M&Aのための戦略を練り、方針を決定していきます。
「何のためにM&Aをするのか」「M&Aによって解決したい課題は何なのか」を事前に確認しておかなければ、M&Aをすること自体が目的になってしまいます。本末転倒な結果を避けるため、スタート前にじっくりと時間をかけて準備を行います。

M&Aのための交渉

M&Aの下準備が完了したら、まず候補先のリストアップを行います。膨大な数の資料の中からスクリーニングを行いますが、下準備の段階でM&Aの方針がしっかりと固まっていれば、それほど時間はかかりません。

候補先をある程度の数に絞り込んだところで、企業概要書を入手します。企業概要書には財務状況や主要取引先などの基礎資料が簡単にまとめられているため、これをベースに買収先を決定していきます。

買収先が決定したら相手先企業と秘密保持契約を締結し、詳細な会社情報を入手します。この会社情報で相手先企業を分析し、同時にどのM&Aスキームを用いるかの検討などを行います。

最後に準備が整ったところで、両社のトップ同士による会談を行います。会談では取引額や買収後の従業員の処遇などについて話し合いが行われます。なお取引額は事前に算出しておいた企業価値評価をベースに話し合いますが、最終的な金額が決定するのはここではなくデューデリジェンス後になります。

M&Aの契約

M&Aの交渉がまとまると、基本合意契約書を締結します。基本合意契約を締結後は、一定期間内は他企業との買収交渉を行えなくなります。

基本合意契約が完了したら、デューデリジェンスを行います。デューデリジェンスとは企業監査のことで、弁護士や公認会計士などの専門家を中心にチームを組んで財務状況やコンプライアンス、買収後のリスクや簿外債務の有無などの調査検討を行います。そしてデューデリジェンス実施後に、最終的な取引額や買収条件を決めていきます。

両社の合意が得られたら最終譲渡契約書を締結し、クロージング(買収後手続き)を行います。

統合プロセスの実施

最後に買収後の統合プロセスを実施します。買収後に予定通りのシナジー効果を発揮させるためには、業務や人材・組織などの統合だけでなく、企業風土や理念などをすり合わせを行わなければなりません。

このような作業をクロージング後の一定期間内行い、両社の統合を完了させます。

会社買収を行う場合の注意すべき5つの点

会社買収が成功すれば、短期間で事業規模を一気に拡大したり、新規事業に算入することができます。普通のやり方であれば何年もかけて行なうことがわずか数ヶ月で達成できてしまうため、会社買収は魔法の薬のように思えるかもしれませんが、その反面注意すべき点もいくつかあります。

そこで、会社を買収する際に注意すべき点を5つにまとめてみます。

注意点① 会社買収によるシナジー効果を過剰に期待しない

会社買収によるシナジー効果を過剰に期待しすぎると、その期待値の高さが経営計画書や資金繰り計画書の数字を歪めてしまいます。

過度な期待をもとに作られた経営計画書を実現させるために無理な買収を行ってしまうと、期待通りのシナジー効果が生まれなかった場合、会社の財務に大きなダメージを与えてしまいかねません。

注意点② 業種が違いすぎる会社を買収しない

新規事業進出のためのM&Aはめずらしいことではありませんが、現在の行なっている業種とあまりにも違いすぎる業種への進出は、成功確率を下げてしまいます。

買収自体には成功したとしても、業種が違いすぎる会社をマネージメントすることは大変難しいため、買収後に予定通りのシナジー効果が現れない可能性もあります。

M&Aによる新規事業参入を検討する企業も増えていますが、その際には事前にその業界について調査し事業戦略をしっかりと立てておくことをお勧めします。

注意点③ 企業風土が違いすぎる会社を買収しない

企業風土が違いすぎる会社を買収してしまうと、買収後の統合作業がうまくいかず、従業員の意思統一に失敗してしまう恐れがあります。こうなってしまうと、従業員はバラバラになり、労働意欲の低下が利益率の低下を招き、買収後の収益が悪化してしまいます。

注意点④「PMI」をできるだけ丁寧に行なう

M&A成立後の統合プロセスのことを、「PMI(Post Merger Integration)」といいます。PMIに失敗してしまうと、どれだけ素晴らしいポテンシャルを持った会社を買収したとしても、それを発揮させることができなくなってしまいます。

そのため、買収先企業の従業員の不安を解消し、できるだけ働きやすい環境で実力を発揮してもらえる場所を作るため、限られた時間の中で最大限努力しなければなりません。

注意点⑤ 信頼し何でも相談できる専門家を見つける

ほとんどの経営者にとって、会社買収は初めての経験のはずです。失敗すると大変なリスクを抱えてしまう可能性もあるだけに、仲介会社のアドバイザーに相談しながら進めていくことをおすすめします。

経験豊富なアドバイザーであれば、専門家ならではのアドバイスはもちろんのこと、どこでどうすれば失敗するのかも熟知しているため、失敗するリスクを最小限に抑えながらクロージングまでの準備を進めていくことができます。

万全のプロセスで会社(企業)買収を成功へ

会社買収のプロセスは複雑で、やるべきことは多いですが、成功すれば一気に事業規模を拡大することができるだけでなく、新規事業への参入も容易になります。

しかし、成功するために気を付けなければならない点も多く、実際のM&Aでも、当初予定していた通りのシナジー効果を発揮できないまま終ってしまうものも少なくありません。

そうならないためには、できるだけ早い段階で信頼できる仲介業者を見つけ、焦らずじっくりと時間をかけて進めていくかなければなりません。

当社は、経営知識や実務経験が一定以上である認定経営革新等支援機関に認定されており、税理士や弁護士などの士業専門家と提携しつつ、事業承継をはじめさまざまな経営支援実績からM&Aまで、幅広い視野に立ち経営者のみなさんを万全の態勢でサポートしています。

「会社買収を検討してみたい」と思われた方はぜひ一度お気軽にご相談ください。


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