最大1200万円!事業承継で活用できる補助金・助成金とは?

事業承継をやりたくても、費用の問題によって、専門家などに相談しにくいという方は、いらっしゃらないでしょうか?そんな方でにとって朗報なのが事業承継の補助金です。対象となる中小企業であれば、最大1200万円の補助金を受けることができるため、事業承継を有利に進めるなら、この事業承継補助金についてよく知っておきましょう。

中小企業庁は、事業承継を契機とした経営革新を支援する補助金として事業承継補助金を設けています。事業承継補助金は、事業承継や事業革新を行う際に利用できる補助金であり、詳細について解説していきます。

事業承継補助金とは

事業承継補助金は、中小企業庁が主体となって運営しており、年度ごとに公募が行われ、審査を経て交付される補助金です。したがって、無条件に交付されるわけではなく、

事業承継をするタイミングで、新しい事業を始めたり、経営革新を行ったりする中小企業などを対象に補助が行われる制度ですが、事業承継をする企業に対して無条件で交付されるわけではないため、交付の要件などについて詳しく知っておきましょう。

なお、この事業は、中小企業庁が直接行うのではなく、「事業承継補助金事務局」と事業者のあいだで行われるため、手続き書類等は事務局へ提出する必要があります。

事業承継補助金の申請の時期は?

事業承継補助金を募集する期間は、平成29年度では、5月8日~6月2日までの間で一回のみの募集でした。平成30年度の改正では、後継者支援型が三次募集まで、事業再編・事業統合支援型でも二次募集までの募集期間を設定しています。

補助金申請の要件と交付額

事業承継補助金を申請するためには、定められた要件を満たす必要があります。

ここでは、補助金を申請するための要件について説明します。

□募集補助対象者

事業承継補助金の対象者となるのは、次の(1)~(7)の要件を満たし、かつ「事業承継の要件」を満たす中小企業・個人事業主・特定非営利活動法人(以下:中小企業者等)です。

  1. 補助対象者は、日本国内に拠点もしくは居住地を置き、日本国内で事業を営む者であること。
    • 個人事業主は、青色申告者であり、税務署の受領印が押印された確定申告書Bと所得税青色申告決算書の写しを提出できること。
    • 外国籍の方は、「国籍・地域」「在留期間等」「在留資格」「在留期間等の満了の日」「30条45規定区分」の項目が明記された住民票を添付してください。
  2. 補助対象者は、地域経済に貢献している中小企業者等であること。地域の雇用の維持、創出や地域の強みである技術、特産品で地域を支えるなど、地域経済に貢献している中小企業者等 であること。
  • 地域の雇用の維持、創出などにより地域経済に貢献している。
  • 所在する地域又は近隣地域からの仕入(域内仕入)が多い。
  • 地域の強み(技術、特産品、観光、スポーツ等)の活用に取り組んでいる。
  • 所在する地域又は近隣地域以外の地域への売上(域外販売)が多い(インバウンド等による域内需要の増加に伴う売上も含む)。
  • 新事業等に挑戦し地域経済に貢献するプロジェクトにおいて中心的な役割を担っている。
  • 上記によらずその他、当該企業の成長が地域経済に波及効果をもたらし、地域経済の活性化につながる取組を行っている。
  1. 補助対象者又はその法人の役員が、暴力団等の反社会的勢力でないこと。反社会勢力との関係を有しないこと。また、反社会的勢力から出資等の資金提供を受けている場合も対象外とする。
  1. 補助対象者は、法令順守上の問題を抱えている中小企業者等でないこと。
  1. 補助対象者は、経済産業省から補助金指定停止措置または指名停止措置が講じられていない中小企業者等であること。
  1. 補助対象事業に係る全ての情報について、事務局から国に報告された後、統計的な処理等をされて匿名性を確保しつつ公表される場合があることについて同意すること。
  1. 事務局が求める補助事業に係る調査やアンケート等に協力できること。

対象となる中小企業

業務分類資本金の額又は出資の総額常勤従業員数
製造業その他(※1)3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
小売業5,000万円以下50人以下
サービス業(※2)5,000万円以下100人以下

※1:ゴム製品製造業(一部を除く)は資本金3億円以下又は従業員900人以下

※2:旅館業は資本金5,000万円以下又は従業員200人以下、ソフトウエア業・情報処理サービス業は資本金3億円以下又は従業員300人以下

対象となる小規模事業者の要件

また、今回の事業承継補助金は、小規模事業者も対象になっています。

小規模事業者とは、前述した「対象となる中小企業者等」の要件を満たし、以下の定義に該当する者です。

業務分類定義
製造業その他従業員20人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業従業員20人以下
商業・サービス業従業員5人以下

事業承継補助金のタイプは?

今回の事業承継補助金は、親族内承継や外部人材招聘など経営の後継者探しによる承継が対象となる「Ⅰ型:後継者承継支援型」と、業務再編や事業統合を目的としたM&Aを契機に経営革新を行う方を対象とした「Ⅱ型:事業再編・事業統合支援型」の2つに分かれています。

先ほどご紹介した補助金の対象者の要件に加えて、支援型毎に追加されている補助対象者の要件があります。

・後継者承継支援型

事業承継の際に経営革新や事業転換を行う個人や中小企業、小規模事業者等の中で、地域の需要や雇用を支える事業を行う方が対象となっています。

特定総合支援事業を受けるなど、一定の実績や知識を有する必要もあります。

補助対象者
  • 日本国内で事業を営む中小企業者等であること
  • 地域経済に貢献している中小企業者等であること
  • 承継者が、次のいずれかを満たす(事業)者であること

・経営経験がある

・同業種に関する知識などがある

・創業・承継に関する研修等を受講した者

・事業再編・事業統合支援型

後継者が不在のために事業再編や事業統合等を行わなければ事業継続が困難な方のうち、事業再編・事業統合等を実際に行う中小企業・小規模事業者の方が対象となる補助金です。

なお、対象は「後継者承継支援型」と同じく、事業再編や事業統合等を行う際に、経営革新や事業転換をする事業者であって、かつ地域の需要や雇用を支える事業を行う事業者に限定されます。

補助対象者
  • 本補助金の対象事業となる事業再編・事業統合に関わる「すべての被承継者」と「承継者」が、日本国内で事業を営む中小企業者等であること
  • 地域経済に貢献している中小企業者等であること
  • 承継車が現在経営を行なっていない、または事業を営んでいない場合、次のいずれかを満たす者であること

・経営経験がある

・同業種に関する知識などがある

・創業・承継に関する研修等を受講したもの

なお、これらの要件は暫定的な要件であり、今後の公募の際には変更される可能性もありますので、申請の際には必ず最新の情報を確かめるようにしましょう。

□補助対象経費

事業承継補助金は、助成の対象となる経費についても、要件が細かく定められており、以下の1・2・3の条件をすべて満たす経費である必要があります。

  1. 使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
  2. 承継者が交付決定日以降、補助事業期間内に契約・発注をおこない支払った経費 (原則として、被承継者が取り扱った経費は対象外)(※)
  3. 補助事業期間完了後の実績報告で提出する証拠書類等によって金額・支払等が確認できる経費

具体的な経費としては、事業費と廃業費とに区分されており、以下の項目が対象となります。

【Ⅰ. 事業費】

費目名概要
人件費本補助事業に直接従事する従業員に対する賃金及び法定福利費 
店舗等借入費国内の店舗・事務所・駐車場の賃借料・共益費・仲介手数料
設備費国内の店舗・事務所の工事、国内で使用する機械器具等調達費用
原材料費試供品・サンプル品の製作に係る経費(原材料費)
知的財産権等関連経費本補助事業実施における特許権等取得に要する弁理士費用
謝金本補助事業実施のために謝金として依頼した専門家等に支払う経費
旅費販路開拓を目的とした国内外出張に係る交通費、宿泊費
マーケティング調査費自社で行うマーケティング調査に係る費用
広報費自社で行う広報に係る費用
会場借料費販路開拓や広報活動に係る説明会等での一時的な会場借料費
外注費業務の一部を第三者に外注(請負)するために支払われる経費
委託費業務の一部を第三者に委託(委任)するために支払われる経費

【Ⅱ. 廃業費】

費目名概要
廃業登記費廃業に関する登記申請手続きに伴う司法書士等に支払う作成経費
在庫処分費既存の事業商品在庫を専門業者に依頼して処分した際の経費
解体・処分費既存事業の廃止に伴う設備の解体・処分費
原状回復費借りていた設備等を返却する際に義務となっていた原状回復費用
移転・移設費用(Ⅱ型のみ計上可)効率化のため設備等を移転・移設するために支払われる経費
  • 人件費・店舗等借入費・設備リース費・レンタル料及び広報費の展示会等の出展申込みについて、交付決定日より前の契約であっても、交付決定日以降に支払った補助事業期間分の費用は、例外的に対象とする。

事業承継補助金で補助対象の経費としてみなされるには、「補助の対象となる経費は、事業を承継する際に発生する経営革新や事業転換など、『新たな取組み』について必要となる経費であり、補助が行われる事業期間中に発生し、支払いをするものに限られる」とされています。したがって、例えば期間前に契約が決まっていたものなどは、対象の経費とはならないので注意が必要です。

□交付額と補助率

後継者支援型補助金の場合

補助率は、年度ごとの要綱によって変わります。

2018年度においては、補助対象経費の3分の2(小規模企業者・個人事業者)、もしくは2分の1(小規模企業者・個人事業者以外)となっています。また、補助上限額は、後継者承継支援型では下記のとおりです。

・後継者承継支援型(小規模企業者・個人事業者)

既存事業の廃業や事業転換を伴う場合は500万円、伴わない場合は200万円

・後継者承継支援型(小規模企業者・個人事業者以外)

既存事業の廃業や事業転換を伴う場合375万円、伴わない場合150万円

事業再編・事業統合支援型補助金の場合

なお、2018年度から始まった「事業再編・事業統合支援型」の場合の上限額は以下のとおりです。

なお、採択された事業の中でも、「地域の新たな需要の創造や雇用の創出を図り、我が国経済を活性化させる事業承継や事業再編・事業統合を促進する」という採択基準で上位と認められたものと、それ以外のものとでは、上限の金額が異なっています。

・事業再編・事業統合支援型(採択者上位)

既存事業の廃業や事業転換を伴う場合は1,200万円、伴わない場合は600万円が上限となっています。

・事業再編・事業統合支援型(それ以外)

既存事業の廃業や事業転換を伴う場合は900万円、伴わない場合は450万円が上限となっています。

まとめ

事業承継補助金を活用すれば、事業承継にかかるコストなどもまかなうことができるようになるため、よりインパクトのある取り組みができるようになる一方、申請のためには綿密な計画を作る必要があり、専門家のアドバイスを受けて進めたほうが良いでしょう。

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