
事業承継に取り組みたいと思っていても、費用の関係などで後回しにしてしまっている経営者の方はいらっしゃいませんか?そんな方々におすすめしたいのが、補助金を活用した事業承継です。
事業承継のための補助金を上手に使えば、最小限の費用で事業承継を乗り切れるだけでなく、承継後にも補助金を活用すれば事業はさらに拡大し、一回りも二回りも大きな企業へ育て上げることができます。
そこでこの記事では、補助金を上手に活用して事業承継を乗り切る方法について解説していきます。
事業承継をめぐる補助金について

国の事業承継に関する補助金は、これまでに2種類ほど創設されています。ひとつは「経営資源引継ぎ補助金」で、もう一つは「事業承継補助金」です。
「経営資源引継ぎ補助金」はコロナウイルス感染症等の影響で廃業が懸念される中小企業の経営資源の引継ぎを支援すことを目的に今年(2020年)新たに創設された補助金で、申請期間は7月13日から8月22日まででした。
「事業承継補助金」は2017年に創設された補助金で、2017年4月1日から2020年12月31日に事業承継を実施する企業を対象に、承継後の新しいチャレンジを支援するためのものです。公募は2020年6月5日で終了しています。
経営資源引継ぎ補助金の特徴
「経営資源引継ぎ補助金」の特徴は、事業承継の費用の補助が受けられる点にあります。「まだ何も事業承継の準備に手を付けていない経営者」から「すでに仲介業者との契約も済ませ、会社を譲渡する相手企業が決まっている経営者」までを対象に、事業承継に必要な仲介会社などへの手数料が最大で650万円が補助されます。
今年創設されたばかりなので、現時点では採択率などの詳しい内容は公表されていませんが、おそらく多くの中小企業がこの補助金に手を挙げたと思われます。
事業承継補助金の特徴
「事業承継補助金」は、指定期間内に事業承継やM&Aなどを行った事業者が事業承継後に新規事業などへ参入する費用を補助する目的で創設された補助金です。
最大で1,200万円の補助が受けられるかなり大型の補助金で、事業承継を機に一層の飛躍を願う企業にとっては大変使いやすい補助金となっています。
事業承継をめぐる補助金がひとまず完成へ
2つの補助金が創設されたことにより、事業承継の費用の補助を受けたい企業は「経営資源引継ぎ補助金」を、そして事業承継後の新規事業参入などの費用の補助を受けたい企業は「事業承継補助金」を選択することができるようになりました。
もちろん補助金という性格上、来年も必ず公募されるかどうかは現時点で分かりませんが、事業承継の社会的必要性などから、おそらく当分の間は公募が続くものと思われます。
では次章より、各々の補助金について解説していきたいと思います。
事業承継時の費用負担をサポートする「経営資源引継ぎ補助金」とは

「経営資源引継ぎ補助金」は令和2年4月に成立した第1次補正予算に組み込まれたもので、企業の事業承継を促進し、雇用の維持や技術の伝承、組織再編による企業の効率化を支援するためのものとして、今年度新たに創設されました。
経営資源引継ぎ補助金の特徴
事業承継やM&Aにおいて、士業やM&Aアドバイザーなどの専門家に支払う費用を補助し、経営者が事業承継やM&Aに踏み出すハードルを下げることを狙いとしています。
補助金の支援内容を「①経営資源の引継ぎを促すための支援」と「②経営資源の引継ぎを実現させるための支援」の2つに分け、また事業承継の「買い手」と「売り手」を「買い手型支援(Ⅰ型)」と「売り手型支援(Ⅱ型)」の2つに分け、それぞれ「買い手」に対し最大200万円、「売り手」に対し最大で650万円の補助金が支給されることとなっています。
なお、経営資源引継ぎ補助金の詳しい内容についてはこちらをご覧ください。
【2020年9月4日更新】事業承継やM&A関連費用にも適用できる経営資源引継ぎ補助金とは
事業承継後の新しいチャレンジをサポートする「事業承継補助金」とは

事業承継を行うための費用を補助する「経営資源引継ぎ補助金」に対し、事業承継後の新たなチャレンジサポートするための補助金が「事業承継補助金」です。2017年に創設され、今のところ毎年公募されています。直近の募集は2019年度(令和元年度)の補正予算によるもので、申請受付は2020年6月5日で締め切られています。
中小企業の後継者不在問題が深刻化していることなどから、来年も同様の補助金制度が創設される可能性もありますが、現時点では何も公表されておりません。
事業承継補助金とは
事業承継補助金とは、事業承継やM&Aなどをきっかけに中小企業が新たな取り組みを行う企業を支援する補助金です。
経営者の交代後に経営革新を行う場合をⅠ型、事業の再編・統合などの実施後に経営革新を行う場合をⅡ型とし、実施のために支払った経費の一部を補助する制度です。
補助される金額は?
Ⅰ型は最大で600万円(うち300万円は廃業費用)、Ⅱ型は最大で1,200万円(うち600万円は廃業費用)が補助されます。
補助の対象となる経費は?
補助の対象となる経費は、おもに以下のようなものです。
- 人件費・店舗等借入金・設備費・原材料費・知的財産権等関連経費・謝金・旅費・マーケティング調査費・広報費・会場借料費・外注費・委託費
なお、事務所の廃止や既存事業の廃業・集約などをともなう場合には、以下の経費も対象となります。
- 廃業登記費・在庫処分費・解体処分費・原状回復費
事業承継補助金の補助対象者は?
事業承継補助金の補助を受けることができる対象者は、以下の7つの要件をすべて満たし、かつ「事業承継の要件」を満たす中小企業等です。
7つの要件とは、
- 日本国内で事業を営んでいること
- 地域経済に貢献していること
- 暴力団等の反社会的勢力でなく、出資金等の資金提供を受けていないこと
- 法令順守上の問題を抱えていないこと
- 経済産業省から補助金指定停止措置または指名停止措置が講じられていないこと
- 補助対象事業に係る全ての情報について匿名性を確保しつつ公表される場合があることに同意すること
- 補助事業の調査やアンケート等に協力できること
となります。
また中小企業とは、以下の条件を満たす企業のことをいいます。
|
資本金の額または出資金の総額 |
常勤従業員数 |
|
|
製造業その他 |
3億円以下 |
300人以下 |
|
卸売業 |
1億円以下 |
100人以下 |
|
小売業 |
5千万円以下 |
50人以下 |
|
サービス業 |
5千万円以下 |
100人以下 |
後継者支援型(Ⅰ型)とは
後継者交代による事業承継の後で経営革新を行った個人または法人事業者を後継者支援型(Ⅰ型)に分類し、経営者交代後に新規商品の開発や生産などを行った費用に対して補助金を支給します。
具体的には、親族内・外承継による事業承継などがⅠ型に分類されます。
なお、具体的な補助金額は以下のとおりです。
|
補助率 |
補助上限額 |
上乗せ額上限(廃業費用) |
|
|
原則枠 |
1/2 |
225万円 |
225万円 |
|
ベンチャー型事業承継枠または生産性向上枠 |
2/3 |
300万円 |
300万円 |
事業再編・事業統合支援型(Ⅱ型)とは
事業再編・事業統合の後で新しい取り組みを行った個人または法人事業者を事業再編・事業統合支援型(Ⅱ型)に分類し、新規商品の開発や生産などを行った費用に対して補助金を支給します。
具体的には、株式譲渡や事業譲渡などのM&Aや、合併・会社分割・株式交換・株式移転などの企業再編などがⅡ型に分類されます。
なお、具体的は補助金額は以下のとおりです。
|
補助率 |
補助上限額 |
上乗せ額上限(廃業費用) |
|
|
原則枠 |
1/2 |
450万円 |
600万円 |
|
ベンチャー型事業承継枠または生産性向上枠 |
2/3 |
450万円 |
600万円 |
事業承継補助金をお考えの方へ
来年度にどのような事業承継の補助金制度が創設されるかまだ発表されていませんが、
上手く活用して少しでも承継時の費用の負担を和らげるために、定期的に補助金情報をご確認いただくことをお勧めします。
また、補助金を含め事業承継の進め方について当社でもご案内しております。スムーズに事業承継を進めるためまずは事前にご相談ください。
また、補助金に限らず最新の情報は当社のメールマガジンでも配信しています。是非、以下URLからご登録ください。
メールマガジン登録URL:https://forval-shoukei.jp/contact/
補助金の詳細はお問い合わせを

事業承継やM&Aについては、2種類の補助金が整備され、上手く活用すればかなりの補助が受けられるようになりました。
しかしこれらの補助金は公募による審査の結果採択されるものであり、条件がそろっているだけで受給できるわけではありません。せっかく整備された制度を上手く活用するためには、事前に入念な準備をしておく必要があります。
当社は中小企業庁から認定された認定経営革新等支援機関であり、事業承継税制を活用した事業承継はもちろんのこと、さまざまな経営支援やM&Aなど数多くのニーズにも対応することができます。
「事業承継補助金や経営資源引継ぎ補助金を検討してみたい」と思われた方はぜひ一度お気軽にご相談ください。







