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会社を廃業するタイミングは?手続きに必要な期間/費用も解説

会社を廃業するタイミングは、売上減少/経営悪化/後継者不足/新型コロナウイルス感染症の影響など、経営者ごとにさまざまです。この記事では、会社を廃業するタイミングや手続きに必要な期間、費用を解説します。

会社の廃業とは?

 

そもそも廃業とは、経営者が自身の事業をたたむ行為を意味します。この点において、経営破綻によって債務の支払いが困難となり、債務の支払いが困難となった状態を意味する「倒産」との違いが見られます。

 

なお、廃業や倒産と類似する言葉としては「解散」も挙げられますが、これは会社の事業を停止して清算に入ることを意味します。会社が廃業する場合には解散手続きを経ることから、解散は廃業手続きにおける1つのプロセスに該当します。

会社を廃業する場合、会社をたたむ行為に他ならず、顧客/社員/取引先/株主などさまざまな関係者に大きな影響を与えるおそれがあります。そのため、会社を廃業するタイミングは慎重に検討しなければなりません。

 

また、会社を廃業する際には、解散および清算の手続きに多くの手間・時間がかかるため、この点も留意したうえで実施するタイミングを検討することが望ましいです。

会社の廃業を考えるタイミング

本章では、経営者が会社の廃業を考えるタイミングの代表例として、以下の5つを取り上げます。

  • 債務超過のタイミング
  • 経営者が引退を望むタイミング
  • 運転資金が底を尽くことが明らかになったタイミング
  • 自身や家族の人生が節目を迎えたタイミング
  • 社会情勢に不安を感じたタイミング

 

それぞれの項目を順番に詳しく解説します。

債務超過のタイミング

債務超過とは、会社の負債総額が資産総額を上回った状態を意味します。債務超過に陥った会社は、すぐに倒産するわけではありません。とはいえ、ひとたび債務超過に陥ってしまうと、その後に解消するのは非常に難しいです。

以上の理由から、債務超過に陥ったタイミングで廃業を決断する経営者の方は少なくありません。

経営者が引退を望むタイミング

高齢化や健康不安などの理由により経営者が引退を望んだタイミングで後継者が見つからない場合には、廃業を選択する場合があります。

この場合、後継者を確保できないことが確定したタイミングで、会社を廃業する具体的な時期を検討し、この計画に沿って廃業の手続きを進めていくのが一般的です。

なお、比較的若いタイミングで経営者の立場を退き、アーリーリタイアして新たな人生を歩む方も少なくありません。

運転資金が底を尽くことが明らかになったタイミング

会社の廃業手続きを済ませるためには、少なからず費用が発生します。

経営状態の悪化を受けて資金が少なくなっている状態であるにもかかわらず、廃業のための費用を確保しないまま会社の運転資金に充ててしまった場合、廃業手続きを進められないおそれがあります。これを回避するために、運転資金が底を尽くことが明らかになったタイミングで廃業を選ぶ経営者も多く見られます。

なお、会社を維持するために生活資金に手を出す必要性に迫られている状況も、廃業を検討するのに適したタイミングの1つです。ひとたび生活資金に手を出さなければならない状況に陥ると、その場は一時的に凌げたとしても、結果的に会社の維持は困難となります。

経営者の生活自体も苦しくなることが予想されるため、生活と会社の両方の維持が難しくなる前のタイミングで廃業を検討することが望ましいです。

自身や家族の人生が節目を迎えたタイミング

人生において大きな節目やライフイベントを迎えたときも、廃業を検討するタイミングの1つです。

 

この項目には、例えば、年金を受給するタイミングや配偶者が退職するタイミングなど、経営者自身やその家族の人生の節目に合わせて、会社を廃業するケースが該当します。

社会情勢に不安を感じたタイミング

社会情勢による不安も、会社の廃業タイミングの1つといえます。具体例を挙げると、昨今は、金属/木材/半導体などの材料不足や原油価格の高騰など、企業を取り巻く環境に厳しさが見られます。

また、2020年以降、新型コロナウイルス感染症拡大により、多くの業種が悪影響を受けています。

帝国データバンクの調査(2021年8月発表)によると、新型コロナウイルス感染症による自社の業績への影響について、「マイナスの影響がある」(「すでにマイナスの影響がある」と「今後マイナスの影響がある」の合計)と見込んでいる企業は調査対象のうち73.7%に及んでいます。

さらに、この「マイナスの影響がある」を業種別に見ると、「繊維・繊維製品・服飾品卸売」が92.0%で最も高い結果となりました。次いで、「旅館・ホテル(91.1%)」、「医薬品・日用雑貨品小売(90.9%)」、「飲食店(90.2%)」で9割台に及んだことが報告されています。そのほか、業績にマイナスの影響があると回答した割合が高かった業種は、以下のとおりです。

  • 広告関連(89.7%)
  • 出版・印刷(88.3%)
  • 繊維・繊維製品・服飾品小売(87.2%)
  • 娯楽サービス(87.0%)
  • 繊維・繊維製品・服飾品製造(83.6%)
  • 専門商品小売(83.4%)

その一方で、「長引くコロナ禍の影響を受けて、巣篭もり需要により売上は伸びているものの、先行きは不透明」というように、需要が拡大傾向にありつつも先行きを不安視する経営者もいます。

 

新型コロナウイルス感染症拡大による業績悪化の要因は、もともとの会社の資金繰りにはありません。また、経営者やその家族のライフイベントも無関係であり、社会的な状況を受けた廃業だといえます。

コロナ禍が経営に与えた悪影響の大きさや、将来的な経営回復の兆しなどを総合的に検討したうえで、廃業を選ぶというケースがここに該当します。

参考:帝国データバンク「特別企画:新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査(2021年8月)」

会社の廃業(解散、清算)手続きの流れ

会社を廃業させるには、「解散」「清算」という2種類の手続きを済ませる必要があります。そこで本章では、解散と清算それぞれの手続きの流れを大まかに紹介します。どのような手続きが求められるのかを把握しておき、会社の廃業タイミングを検討する際に役立ててください。

解散の流れ

解散とは、会社の廃業を法的に決定するための手続きです。大まかに、以下の流れで手続きを進めます。

  • 経営者による廃業の決断
  • 取引先や社員などに廃業の連絡
  • 株主総会での解散決議
  • 法務局での解散登記/清算人選任登記

経営者が廃業を決めた後に、取引先や社員などに廃業する旨を伝えます。廃業は取引先や社員に対しても大きな影響を与えるため、時間に余裕を持って連絡することが望ましいです(廃業の2〜3カ月前程度が1つの目安)。

続いて、株主総会の特別決議を行い、これと同時に清算人を決める必要があります。清算人は、廃業のために資産や負債を整理する役割を担います。

特別決議と清算人の選任が終了すると、法務局にて解散登記と清算人選任登記を行います。これは、会社が廃業のために清算手続きに移行したことを登記上で確認できるようにするためです。

清算の流れ

清算は、会社の資産と負債を清算するための手続きです。大まかに、以下の流れで手続きを進めます。

  • 税務署などへの届出
  • 債権者への通知/官報への解散公告
  • 解散時の確定申告
  • 残余財産の分配
  • 決算書類の承認
  • 清算結了登記
  • 清算結了申告と届出

清算人を決めて登記を行ったら、廃業のための清算手続きに移行します。税務署など必要な窓口に届け出を行い、債権者に官報で公告を行わなければなりません。なぜなら、債権者が廃業の事実を知らずに、債権の回収を行えなくなるおそれがあるためです。

その後は、決算書類の作成に移りますが、ここで注意したいのが債務超過についてです。債務超過に陥っている会社は廃業できず、破産の手続きを行う必要があります。

なお、廃業に際して、2回の確定申告が求められます。決算書類作成後の解散確定申告と、手続きの最後に行われる清算結了申告です。決算書類などの計算にしたがって、残余財産の分配などを行い、株主総会で決算書類の承認を得ます。

そして、清算が終了した旨を法務局にて登記し、税務署での手続き(清算確定申告など)を経ることで、廃業手続きが完了します。

会社の廃業に必要な書類

廃業手続きを行う際は、各窓口に提出する書類を準備しなければなりません。主な必要書類は、以下のとおりです。

  • 登記時に必要な書類(例:解散登記の必要書類)
  • 税金に関する書類(例:消費税事業廃止届、清算決了の届出)
  • 雇用保険関係の書類(例:雇用保険適用事業所廃止届)
  • 年金関係の書類(例:健康保険・厚生年金被保険者喪失届)
  • 労働保険関係の書類(例:労働保険確定保険料申告書)

書類により提出先が異なる点には注意しましょう。

会社の廃業までに必要な期間/費用

 

続いて、会社を廃業させるために必要な期間と費用を順番に紹介します。それぞれを把握し、念頭に置いたうえで、会社の廃業タイミングを検討することが望ましいです。

必要な期間

会社の廃業までに必要な期間は、最短でも2カ月だとされています。なぜなら、前述した「官報への解散公告」の手続きを済ませるために、最低2カ月の掲載期間が求められるためです。

上記の理由から、その他の手続きがどれほどスムーズに済ませられたとしても、2カ月以上の期間が必ず発生してしまいます。

とはいえ、実際には、会社が不動産などの固定資産を所有していて換価に時間がかかったり、債権者の数が多く弁済整理に時間を要したりするケースが多いです。また、大規模な会社では、数年単位で廃業を進めなければならないケースも見られます。

このような事情を踏まえて、廃業のタイミングを決める際は、期間に余裕を持って計画を立てることが望ましいです。

必要な費用

会社を廃業させるために必要な費用の種類は、主に「登記費用」「官報の掲載料」「専門家への報酬」の3つが挙げられます。それぞれの費用について、概要を順番に紹介します。

登記費用

廃業にあたっては、3つの登記が必要となり、登録免許税として印紙などで支払います。登記にかかる費用は、合計41,000円です。

まず、会社を解散させた場合、2週間以内に解散の登記を行う必要があります。法人の解散登記を行う際は、登録免許税として30,000円の費用を支払わなければなりません。

続いて、取締役が清算人になったとき、または清算人が選任されたときは、所定の期間内に清算人の登記を行う必要があります。清算人の選任登記には、登録免許税として9,000円の費用を支払わなければなりません。

そして、清算株式会社の清算が結了したときは、清算結了の登記を行う必要があります。

法人の清算結了登記には、登録免許税として2,000円の費用を支払わなければなりません。

官報の掲載料

官報への解散公告の掲載料金は、1行あたりの価格をもとに掲載する行数により算出されます。一般的な株式会社の解散公告の場合、1行22字×11行程度が必要となり、以下の計算式で費用の目安を求められます。

  • 1行あたり3,263円×11行+消費税(10%)=39,482円(税込)

なお、上記の料金には、原稿作成料、掲載された官報の代金、その送料が含まれています。

専門家への報酬

廃業手続きは経営者自らが自力で進めることも認められていますが、スムーズに済ませるためには専門家への依頼が効果的です。

依頼先の専門家は、登記は司法書士、確定申告などの清算業務は税理士が一般的です。依頼する事務所ごとに費用は異なるうえ、依頼する会社の状況によっても金額が変動するものの、司法書士に支払う報酬費用は5万~10万円、税理士に支払う報酬費用は15万~30万円程度が大まかな相場です。

そのほか、債権者との交渉や社員との調整が必要なケースなど、別弁護士への依頼が望ましい場合もあります。

会社の廃業タイミングに悩んだら専門家に相談

この記事では、会社を廃業するタイミングや手続きに必要な期間、費用を解説しました。多くの経営者は、以下のようなタイミングで会社の廃業を検討しています。

  • 債務超過のタイミング
  • 経営者が引退を望むタイミング
  • 運転資金が底を尽くことが明らかになったタイミング
  • 自身や家族の人生が節目を迎えたタイミング
  • 社会情勢に不安を感じたタイミング

とはいえ、こうしたタイミング面の判断だけでなく、会社の廃業を決断する前には、他社に自社の事業を承継してもらえる「M&Aによる譲渡」という手段を検討することも大切です。

M&Aによる譲渡では、社員の雇用維持や譲渡利益の獲得などのメリットが期待できます。また、会社の資産価値によっては、一部事業の承継ではなく、負債を含めた企業全体を承継できる可能性もあるのです。

もしもM&Aによる譲渡の選択肢も視野に入れながら、会社の廃業を検討しているならば、フォーバルまでご相談ください。当社フォーバルは、過去20万社の経営支援実績があり、中小・小規模企業の存続と成長に向けた事業承継M&A支援を手掛けております。

M&Aの実施が未定であっても電話・チャットで無料相談を実施しておりますので、「できれば会社の廃業を回避したい」と思われた方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。


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