この地域の条件
原料と加工が近い
米、果実、水産、畜産。採れる場所で加工している工場が多く、原料の質と鮮度で差をつけられます。
地域の名前がついた商品を持っている工場も多い。それをどう残すかは地域の名物メーカーをどう残すかで扱っています。
人が減っている
生産年齢人口の減少は、この地域の工場にとって最大の制約です。採用できないことが、そのまま生産能力の上限になります。
打ち手は人材をどう確保するかと人手不足を自動化で埋めるで。外国人材については外国人材の受け入れを参照してください。
販路が地場に寄る
地元のスーパー、土産物、通販。地域内で完結していると、地域の人口減がそのまま売上に効きます。
域外に出る手は新しい販路をどう開くかで整理しています。
承継で論点になりやすいこと
- 後継者が地域外に出ていて、戻る前提がない
- 従業員の高齢化が進んでいる
- 工場の土地建物が個人名義になっている
- 買い手候補が地域内に少ない
後継者の不在は後継者がいないときの選択肢、名義の整理は不動産を会社と個人でどう分けるかで扱っています。
地域外の買い手をどう見るか
域内で相手が見つからない場合、域外の企業が候補になります。地域の原料や販路が欲しい会社にとって、東北の工場は意味のある資産です。
ただし、雇用や地域との関係をどうするかは、条件として明確にしておく必要があります。雇用の条件をどう決めるかを参照してください。
相談先
都道府県の事業承継支援窓口、商工会議所・商工会、地元の金融機関。まずは誰に相談すればよいかで、順番を確認してください。
人が減るなかで何ができるか
人口減少は前提として受け入れるしかありません。そのうえで打てる手は3つです。
1. 一人あたりの生産性を上げる
人が増やせないなら、同じ人数で作れる量を増やす。これが最も現実的な道です。
人手不足を自動化で埋めると省力化投資をどう選ぶかを参照してください。補助金が使える場面もあります。
2. 辞めない職場にする
採用が難しい地域ほど、今いる人が辞めないことの価値が大きい。賃金だけでなく、シフトの組み方や設備の使いやすさが効きます。
定着率をどう上げるかと作業環境をどう整えるかで扱っています。
3. 高齢の従業員に長く働いてもらう
体に負担の少ない工程に配置を変える、時間を短くする。辞めてもらうのではなく、続けてもらう設計に変えます。
高齢者の雇用をどう続けるかを参照してください。
承継の準備として
この3つは、承継の準備そのものです。人が回る工場になっていれば、後継者にも買い手にも渡しやすくなります。
後継者と話をする
この地域で最も多いのは、子が地域外で働いていて、話をしないまま時間が過ぎているという状態です。
継ぐ気があるのか、ないのか。聞かなければわかりません。そして、聞くのが遅れるほど選択肢が減ります。
- 「継いでほしい」ではなく「どう考えているか」から聞く
- 会社の数字を隠さずに見せる
- 継がない場合の道もあると伝える
- 返事を急がせない
一度で決まる話ではありません。何回かに分けて話す前提で場を作ってください。家族で話し合う場をどう作るかとまだ早い、と思っている方へを参照してください。
対象となる地域
この記事は青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県を対象にしています。
宮城のように仙台圏を抱える県と、それ以外とでは人の採りやすさが違います。ただし、 食品加工会社のM&Aや食品工場の事業承継で見られる論点は共通です。
宮城をはじめ東北で食品加工会社のM&Aをご検討でしたら、 公的な支援機関の使い方もあわせてご覧ください。
※ 支援機関の名称や窓口、利用できる制度の内容は、時期や自治体によって変わります。実際に利用される際は、最新の情報をご確認のうえ、専門家や公的機関の窓口にご相談ください。