流れ1:個食化
背景
- 単身・二人世帯の増加
- 家族が別々の時間に食事をする
- それぞれが違うものを食べる
工場への影響
- 容量が小さくなる:大容量から少量パックへ
- 品目数が増える:多様なニーズに応える必要
- 1個あたりのコストが上がる:包材費と加工費の比率が高まる
小容量化は、採算を圧迫します。中身は半分でも、包材は半分にならず、包装の手間はむしろ増えます。
採算を品目別に確認したうえで、価格設定を行ってください。品目別採算の作り方をご覧ください。
対応
- 包材の共通化(サイズ違いでも同じフィルムを使う)
- 段取り替えの短縮(品目数の増加に対応)
- 小容量に見合った価格設定
段取り替え時間の短縮をご覧ください。
流れ2:簡便化
背景
- 共働き世帯の増加
- 調理に時間をかけない
- 高齢者の調理負担の軽減
需要が伸びやすい領域
- 惣菜・弁当(中食)
- 調理済み・半調理品
- 冷凍食品
- ミールキット
- 常温保存できる調理品
惣菜・冷凍食品を扱う工場には追い風ですが、競合も増えています。
対応
- 既存商品の「簡便版」を作れないか
- 温めるだけ、そのまま食べられる形態へ
- 調理の手間を減らす形(カット済み、下味付き)
既存の設備で作れる範囲から始めるのが確実です。商品開発の進め方をご覧ください。
注意点
調理済み・半調理の商品は、衛生管理の要求水準が上がります。加熱・冷却の管理、期限の設定、保存温度帯。
また、営業許可の範囲も確認が必要です。営業許可が要る業種はどれかと消費期限・賞味期限の設定根拠をご覧ください。
流れ3:健康志向
背景
- 高齢化と、健康寿命への関心
- 生活習慣病への意識
- たんぱく質、食物繊維への関心
- 減塩、減糖、低脂質
対応の方向
- 栄養成分を訴求できる商品
- 減塩・減糖の商品開発
- 素材の産地・製法の訴求
- 添加物への配慮
表示の注意
健康に関する表示には、法令上の制約があります。
- 「◯◯に効く」といった表現は問題になりえます
- 栄養成分の強調表示には基準があります
- 機能性を訴求する制度には、届出等の手続きが必要です
安易な表現は回収につながります。食品表示法の基本と栄養成分表示の作り方をご覧ください。
その他の変化
アレルギー・食の多様性への対応
- アレルゲン対応商品
- 宗教・信条に配慮した商品
- 植物由来の代替品
専用ラインや厳格な区分管理が必要になるため、設備投資を伴うことがあります。アレルゲン管理と表示をご覧ください。
環境・倫理への関心
- 包装材の削減
- 食品ロスへの配慮
- 産地・生産者の情報開示
食品ロス削減の流れと事業への影響と環境対応への備えをご覧ください。
変化にどう向き合うか
1. すべてに対応しない
自社の強みが活きる変化を選んでください。すべてに対応しようとすると、品目数が膨らみ、採算が悪化します。
品目数を絞るをご覧ください。
2. 取引先から情報を得る
小売・外食の現場は、変化を最も早く捉えています。取引先との対話が、最良の情報源です。
- どの商品が動いているか
- どんな商品を探しているか
- 棚がどう変わっているか
「言われたものを作る」だけの関係では、この情報が入りません。新しい販路の開き方をご覧ください。
3. 小さく試す
いきなり設備投資をせず、既存設備で作れる範囲で試す。反応を見てから広げる。
承継との関係
消費の変化への対応は、後継者が主導しやすい領域です。
先代とは異なる世代の感覚が活き、既存の慣行にとらわれない発想ができます。2代目・3代目が直面する食品工場の課題をご覧ください。
※ 本記事は一般的な傾向を整理したものです。統計値や制度の内容は時点によって変わります。個別の判断にあたっては、最新の情報をご確認のうえ、専門家にご相談ください。