2つの区分

アレルゲンには、表示が義務づけられているものと、表示が推奨されているものがあります。

対象となる品目は改正されることがあります。最新の対象は消費者庁の情報でご確認ください。定期的に確認する仕組みを作っておくことをおすすめします。

管理は3段階で考える

  1. 原材料:何が含まれているかを把握する
  2. 製造工程:意図しない混入を防ぐ
  3. 表示:正しく伝える

段階1:原材料の把握

規格書で確認する

仕入れる原材料すべてについて、アレルゲンの含有情報を規格書で確認します。

注意すべきは、複合原材料です。「ソース」「調味料」といった原材料の中に、さらに別のアレルゲンが含まれていることがあります。

規格書に記載がない、あるいは古い場合は、仕入先に最新版を請求してください。原料規格書の管理をご覧ください。

仕入先の変更に注意

同じ品名でも、メーカーが変わればアレルゲンが変わることがあります。仕入先を変更したら必ず規格書を確認するというルールを徹底してください。

一覧表を作る

原材料ごとにアレルゲンを整理した一覧表を作り、製品ごとに含まれるアレルゲンが自動的に分かる仕組みにすると、表示の誤りが減ります。

段階2:製造工程での管理

交差接触が起きる場面

  • 同じ設備・器具を洗浄せずに続けて使う
  • 粉体が飛散する(小麦粉、そば粉、きな粉など)
  • 保管中に容器から漏れる
  • 作業者の手袋・作業着を介する
  • 清掃用具を共用する

対策

  • 製造順序の管理:アレルゲンを含まない製品を先に作る
  • 洗浄:切り替え時の洗浄手順を定め、記録する
  • 器具の専用化:色分けなどで区別する
  • 保管の分離:アレルゲンを含む原料を区分して保管する
  • 粉体の飛散防止:区画の分離、集塵
  • 作業者の管理:手袋の交換、作業着の使い分け

製造順序の管理が最も実効性の高い対策です。設備を増やさずにリスクを下げられます。

洗浄の妥当性を確認する

洗浄後にアレルゲンが残っていないかを、拭き取り検査などで確認する方法があります。検査キットも市販されています。

この確認記録があると、体制の証明になります。検証と見直しをご覧ください。

段階3:表示の確認

確認の体制

  • 配合表と規格書を突き合わせる
  • 作成者と確認者を分ける
  • チェックリストを使う
  • 実際の包材で最終確認する

1人でチェックすると必ず見落とします。複数人での確認を仕組みにしてください。

注意喚起表示

同一の製造ラインを使用しているなどの理由で、意図しない混入の可能性がある場合、注意を促す旨の表示を行うことがあります。

ただし、この表示は交差接触の対策を怠ってよい理由にはなりません。可能な限り対策を講じたうえで、それでも残るリスクについて情報提供する、という位置づけです。

変更管理

次の場合、アレルゲンの確認をやり直してください。

  • 配合を変更した
  • 原材料の仕入先・銘柄を変えた
  • 新しい製品を同じラインで作り始めた
  • 製造順序を変更した
  • 設備・器具を変更した
  • 表示義務の対象品目が改正された

3番目が見落とされがちです。新製品を追加したことで、既存製品への交差接触リスクが生じることがあります。

PB・OEMの場合

受託製造では、委託先が表示の責任を負う場合と、製造者が負う場合があります。契約と実態を確認してください。

いずれにせよ、製造者として正確な情報を提供する責任は残ります。原材料の変更を委託先に速やかに伝える仕組みが必要です。OEM・受託製造業の事業承継をご覧ください。

承継時に確認される点

  • 原材料ごとのアレルゲン一覧があるか
  • 規格書が最新のものに更新されているか
  • 製造順序・洗浄のルールが文書化されているか
  • 洗浄の妥当性を確認した記録があるか
  • 表示の確認体制が整っているか
  • 過去にアレルゲン表示に関する事故がなかったか

アレルゲンは健康被害に直結するため、買い手が最も慎重に見る領域の1つです。食品表示と回収リスクをご覧ください。

※ 営業許可・衛生管理・食品表示の具体的な取扱いは、法令の改正や管轄行政庁の運用によって異なります。実行にあたっては、管轄の保健所等および専門家に必ずご確認ください。