呼び方はいくつもある
ご自身の会社を何と呼んでいますか。食品メーカー、食品会社、食品工場、食品加工会社、食品製造会社。どれも間違いではありません。ただ、場面によって使われ方が違います。
統計や行政で使われる呼び方
- 食料品製造業:日本標準産業分類の区分。統計や補助金の要件で出てきます
- 飲食料品製造業:飲料を含めた区分。制度によってはこちらが使われます
- 食品製造業:一般的な総称。行政の資料でも広く使われます
補助金の公募要領などで「食料品製造業」と書かれていて、自社が当てはまるか迷うことがあります。基本的には、食品を作っている会社はここに入ります。
業界全体を指すときは食品業界、統計に寄せた文脈では食料品業界と書かれることもあります。食料品業界のM&Aという言い方も、食品業界のM&Aと同じ話です。
業界のなかで使われる呼び方
- 食品メーカー:自社ブランドを持つ会社を指すことが多い
- 食品加工会社・食品加工業:原料を加工する工程が中心の会社
- 食品加工工場:拠点そのものを指す言い方
- 食品サプライヤー:納入先から見た呼び方
- 食品関連会社:卸や商社も含めた広い言い方
M&Aの場面で使われる呼び方
仲介会社の案件一覧では、「食品製造業」「食品加工会社」「食品メーカー」が並んで使われます。同じような会社が、担当者によって違う書き方をされている、というだけのことが多い。
探すときは、呼び方を1つに決めずに複数で当たるのが確実です。
呼び方が違っても論点は同じ
食品加工会社のM&Aも、食品製造会社の売却も、食品工場の事業承継も、見られるところは変わりません。
- 営業許可が引き継げるか(営業許可は承継でどうなるか)
- 衛生管理の記録が残っているか(HACCPの記録をどう残すか)
- 取引先の構成が偏っていないか(顧客構成が評価に与える影響)
- 設備の残存年数と、これから必要な投資(設備をどう評価するか)
- 労務の状態(労務デューデリジェンスへの備え)
この5つは、食品を作っている会社なら業態を問わず問われます。
「事業承継」と「事業継承」
検索では「事業継承」と書かれることもあります。法律や制度で使われるのは「事業承継」のほうです。意味の違いを気にする必要はありませんが、公的な窓口や補助金の名称は「事業承継」で探すと見つかります。
同じように、後継者を「跡継ぎ」と呼ぶこともあります。どちらでも通じます。
規模や地域による呼び分け
中小食品メーカー
大手と対比して使われます。中小だからこそ買い手が付く場面もあります。小ロット対応や、特定の設備を持っていることが理由になります。
地方食品メーカー
原料の産地に近い、その土地の商品を持っている、という強みがあります。一方で、人の確保と市場までの距離が課題になります。地方工場をどう存続させるかで扱っています。
老舗食品会社
代を重ねた会社では、株式の分散や、会社と個人の資産が混ざっている問題が出やすい。分散した株式をどう集めるかと個人名義の資産をどう整理するかを先に確認してください。
どこから読めばよいか
- 承継全体を知りたい → 事業承継 完全ガイド
- 第三者への譲渡を考えたい → M&A 完全ガイド
- いくらになるか知りたい → 相場の考え方
- 用語がわからない → 用語集
呼び方に迷って調べる手が止まるのが、いちばんもったいない。どの言葉で探しても、行き着く論点は同じです。