この地域の条件
農畜産の集積
畜産、野菜、茶、水産。原料の供給地に工場があるという強みは、北海道と共通です。特に食肉加工の集積が厚い地域です。
食肉加工業の事業承継で、この業態の論点を扱っています。
アジアに近い
港と空港から、アジアの主要都市が近い。輸出を考えるうえで、輸送コストと時間の面で有利です。
ただし、輸出は認証や相手国の規制の話が乗ります。輸出を考えるときの論点を先に読んでください。
域内に消費地がある
福岡を中心に、一定の人口が集まっています。域内で完結する販路を持てるのは、他の地方にはない条件です。
承継で論点になりやすいこと
輸出をどう評価するか
輸出の実績があると、買い手からの評価は上がりやすい。ただし、相手国の規制や為替に左右されるという面もあります。
数字の見せ方は利益の安定性をどう見せるかで整理しています。
認証の有無
輸出や大手取引を狙うなら、認証が求められることがあります。取得済みなら資産、これからなら投資です。
国際的な食品安全認証と品質認証は評価に効くかを参照してください。
人の確保
外国人材の受け入れが進んでいる地域でもあります。制度は変わることがあるので、外国人材の受け入れと外国人材の労務管理で、押さえ方を確認してください。
買い手をどう探すか
域内の同業、域外の食品企業、商社。原料の産地に加工拠点を持ちたい会社にとって、九州の工場は意味があります。
相手の探し方と買い手はどこを見ているかを参照してください。
相談先
県の事業承継支援窓口、商工会議所・商工会、地元金融機関。輸出を含む相談なら、貿易の支援機関にも窓口があります。誰に相談すればよいかで順番を確認してください。
輸出を承継の材料にするなら
輸出の実績は評価されますが、「出したことがある」と「継続して出せている」は別物です。買い手は後者を見ます。
- どの国に、何年、どれくらいの量を出しているか
- 相手先は商社経由か、直接取引か
- 必要な認証や登録を、誰が維持しているか
- 相手国の規制が変わったとき、誰が対応しているか
最後の項目が抜けている会社が多い。社長一人が対応しているなら、それは引き継ぐべき仕事です。
畜産まわりの論点
食肉加工が集積する地域では、川上の生産者との関係が事業の前提になっていることがあります。
- 原料の供給がどこから来ているか
- その関係が契約なのか、慣行なのか
- 飼料価格の変動が、原料価格にどう波及するか
- 家畜の疾病が発生した場合の影響範囲
供給が止まるリスクをどう見ているか。ここを説明できると、買い手の不安は小さくなります。食肉加工業の事業承継を参照してください。
人材の受け入れ体制
外国人材が現場を支えている工場では、受け入れの体制そのものが引き継ぐ対象になります。
- 在留資格ごとの人数と、期限の管理
- 登録支援機関や監理団体との関係
- 住居や生活支援の実務を誰がやっているか
- 日本人従業員と同等の労働条件になっているか
- 作業手順が、言葉の壁を越えて伝わる形になっているか
3番目を社長個人がやっている工場は多い。これも引き継ぐべき仕事です。
4番目は、労務デューデリジェンスで必ず見られます。外国人材の労務管理と多国籍の現場をどうまとめるかを参照してください。
対象となる地域
この記事は福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島を対象にしています。
- 福岡:域内に消費地があり、買い手候補も多い。食品メーカーのM&Aは進めやすい地域です
- 熊本:農産と畜産の加工が厚い。食品加工会社のM&Aでは原料の調達経路が見られます
- 鹿児島・宮崎:畜産と水産の集積。食品会社の事業承継では許可と資格者の確認が先に来ます
- 佐賀・長崎・大分:水産加工と農産加工。輸出を視野に入れやすい立地です
熊本で食品加工会社のM&Aを、鹿児島で食品会社の事業承継をお考えでしたら、 食肉加工会社のM&Aや水産加工会社のM&Aも あわせてご覧ください。
※ 支援機関の名称や窓口、利用できる制度の内容は、時期や自治体によって変わります。実際に利用される際は、最新の情報をご確認のうえ、専門家や公的機関の窓口にご相談ください。