この地域の条件

首都圏の胃袋に近い

高速道路網が整い、日配品でも首都圏に届けられる距離です。惣菜、パン、麺、豆腐といった日持ちしない品目の工場が集まる理由がここにあります。

日配の論点は惣菜・弁当製造業の事業承継麺類製造業の事業承継で扱っています。

土地が確保しやすい

首都圏に比べて土地の価格が抑えられ、工場の増設や新設がしやすい。この余地そのものが、買い手にとっての価値になります。

不動産の見方は工場不動産をどう評価するかで。

人の採りやすさ

近隣に住宅地があり、通勤圏も広い。ただし、近隣の工場と人材の取り合いになるのもこの地域の特徴です。時給と待遇の比較は常に起きています。

パートの待遇差をどう考えるか定着率をどう上げるかを参照してください。

承継で有利に働くこと

  • 首都圏の買い手が、管理できる距離にある
  • 物流の拠点として使いたい相手がいる
  • 工場を増やしたい会社にとって、土地に余地がある

立地は、努力では作れない価値です。それを正しく説明できるかどうかで、評価が変わります。

それでも見られること

立地がよくても、中身が伴わなければ評価は伸びません。

  1. 取引先の構成(1社集中になっていないか)
  2. 設備の残存年数
  3. 労務の状態(残業、社会保険)
  4. 衛生管理の記録

労務は労務デューデリジェンスへの備え、衛生管理はHACCPの記録をどう残すかで。

相談先

都道府県の事業承継支援窓口、商工会議所・商工会、取引金融機関。首都圏の仲介会社も動きやすい地域です。仲介とFAの違いで、相手の選び方を整理しています。

工業団地に立地している場合

この地域には、自治体が整備した工業団地に立地する工場が多くあります。承継のときには、土地の権利関係を確認する必要があります

  • 所有か、賃借か、分譲を受けた土地か
  • 譲渡や転貸に制限がついていないか
  • 用途の制限が残っていないか
  • 優遇措置を受けている場合、その条件はどうか

制限があると、株式譲渡なら問題なくても、事業譲渡だと動かせないということが起こります。株式譲渡と事業譲渡の違い契約の棚卸しで確認してください。

周辺環境への配慮

造成当時は周りに何もなかった場所に、住宅が建っていることがあります。臭気、騒音、車両の出入り。近隣との関係が、事業の継続条件になっている場合があります。

過去の苦情や、自治体との取り決めがあれば、承継のときに引き継ぐ必要があります。環境法令への対応環境設備デューデリジェンスを参照してください。

ドライバーと配送の体制

首都圏に運べる立地は強みですが、運ぶ人がいなければ成立しません。日配品を扱う工場ほど、この制約が重くなります。

  • 自社配送の車両数と、ドライバーの年齢構成
  • 委託先の単価が、この数年でどう変わったか
  • 早朝の便を維持できる見通しがあるか
  • 納品先ごとの時間指定が、どこまで厳しいか

買い手は、この体制が承継後も維持できるかを見ます。委託に切り替えられるなら、その試算も用意しておいてください。

物流の制約とどう向き合うか物流費をどう抑えるかを参照してください。

まとめ

北関東の工場は、立地という強みを持ちます。その強みを活かすには、土地の権利と近隣との関係を先に整理しておくことです。

対象となる地域

この記事は茨城・栃木・群馬を中心に、埼玉の北部や 千葉の内陸部など、首都圏に運べる距離にある工業地帯を対象にしています。

埼玉で食品工場の売却を考える場合も、千葉で食品製造業のM&Aを考える場合も、 首都圏への配送距離という強みは同じように評価されます。

県境をまたいで買い手を探すことになるので、広域で動ける相談先を選んでください。 仲介とFAの違いを参照してください。

※ 支援機関の名称や窓口、利用できる制度の内容は、時期や自治体によって変わります。実際に利用される際は、最新の情報をご確認のうえ、専門家や公的機関の窓口にご相談ください。