この地域の条件
輸送のコストと時間
原料を運び込むにも、製品を出すにも、海を越えます。物流費が損益に占める比率が構造的に高いのがこの地域の特徴です。
日持ちしない製品は、島内の販路が中心になります。物流費をどう抑えるかを参照してください。
観光需要に連動する
土産物、外食向けの食材。観光客の増減が、そのまま売上に効きます。振れ幅の大きさが、この地域の工場の共通した課題です。
振れを吸収する考え方は業務用食材メーカーの事業承継と利益の安定性をどう見せるかで扱っています。
独自の食文化
その土地の原料と製法で作られてきた製品があります。他では作れないという意味で、価値のある資産です。
地域の名物メーカーをどう残すかで、残し方を整理しています。
承継で論点になりやすいこと
- 買い手候補が島内に限られやすい
- 本土の買い手は、管理の距離を気にする
- 規模が小さく、仲介の対象になりにくい
- 設備の保守に時間がかかる(メーカーの拠点が遠い)
本土の買い手にどう見せるか
遠方の買い手が最も気にするのは、買ったあとに自分たちで管理できるかです。
- 社長がいなくても回る体制になっているか
- 数字が月次で出ているか
- 衛生管理の記録が残っているか
- 現場を任せられる人がいるか
この4つが揃っていれば、距離は決定的な障害になりません。社長がいなくても回る会社にするを参照してください。
島内で引き継ぐ道
同業、地元の卸、観光事業者、ホテル。島内で製造機能を持ちたい会社は候補になります。規模が小さくても、公的な窓口なら相談できます。
小規模事業者の承継と公的な支援機関の使い方で、経路を示しています。
原料の調達
島内で採れる原料を使う商品は強みになりますが、島外から運ぶ原料は、その分だけコストが乗ります。
- 島内原料と島外原料の比率
- 輸送費が原価に占める割合
- 台風などで輸送が止まったときの在庫の持ち方
- 供給が止まったときの代替手段
輸送が止まる前提の備えができているかどうかは、この地域固有の論点です。在庫の持ち方に、その工場の考え方が出ます。在庫回転をどう上げるかと運転資金をどう見るかを参照してください。
観光の波と生産計画
需要が季節と観光の動向で振れるため、作る量を決めるのが難しい業態が多い地域です。
- 過去の実績を月別・商品別に残す
- 日持ちする商品と、しない商品を分けて考える
- 閑散期に作りだめできる品目を持つ
- 島外の販路で、年間を通じた需要を作る
4は時間がかかりますが、振れを吸収する最も確実な手です。新しい販路をどう開くかを参照してください。
相談先
県の事業承継支援窓口、商工会議所・商工会、地元金融機関。まずは誰に相談すればよいかを読んで、順番を決めてください。
島内で引き継ぐ道
本土の買い手ばかりを考える必要はありません。島内にも、製造機能を欲しがる相手はいます。
- 販路を持つ地元の卸・小売
- 土産物を自社で作りたい観光・宿泊事業者
- 商品の幅を広げたい同業
- 現場を知っている従業員
規模が小さいと仲介会社は動きにくいので、公的な窓口や商工会を通すのが現実的です。地域内の情報は、そうした場所に集まります。
小規模事業者の承継と社内承継とMBO、公的な支援機関の使い方を参照してください。まず「継ぎたい人がいるかどうか」を確かめるところから始めてください。
対象となる地域
この記事は沖縄本島と離島を対象にしています。離島では、輸送の制約が本島よりさらに重くなります。
沖縄で食品工場の売却や食品会社の事業承継をお考えでしたら、島内・本土の両方に 相手を広げて探すことになります。相手の探し方をご覧ください。
※ 支援機関の名称や窓口、利用できる制度の内容は、時期や自治体によって変わります。実際に利用される際は、最新の情報をご確認のうえ、専門家や公的機関の窓口にご相談ください。