物流費の内訳
- 配送費(自社便・傭車・宅配)
- 倉庫費(保管料、入出庫料)
- センターフィー(取引先の物流センター利用料)
- 荷役の人件費
- 包装・梱包資材費
- 車両費(自社便の場合:減価償却、燃料、保険、修繕)
センターフィーを物流費として認識していない会社があります。実質的には物流にかかるコストなので、含めて把握してください。
品目別採算に反映する
物流費は、品目や取引先によって大きく異なります。
- 納品先が遠い
- 納品頻度が高い
- 小口配送が多い
- チルド・冷凍で温度管理が必要
- センターフィーの率が高い
これらを品目別・取引先別の採算に反映すると、見え方が変わります。粗利率は高いのに、物流費を入れると赤字という取引が見つかることがあります。品目別採算の作り方をご覧ください。
自社でできる改善
1. 積載効率を上げる
- 荷姿の見直し(段ボールのサイズ、パレットへの積み方)
- 納品先ごとの積み合わせ
- ルートの見直し
- 帰り便の活用
段ボールのサイズを数ミリ変えるだけで、パレットへの積載数が変わることがあります。荷姿の設計は効果が大きい割に見落とされます。
2. 出荷作業の効率化
- ピッキングの動線
- 出荷準備の前倒し
- 検品方法の見直し
- ラベル貼りの自動化
3. 保管の効率化
- 在庫を減らす(保管スペースと保管料が減る)
- 冷凍・冷蔵の使い分け
- 外部倉庫の必要性を見直す
在庫回転を上げるをご覧ください。
交渉が必要な改善
1. 納品頻度
「毎日納品」を「週3回」にできれば、配送費は大きく下がります。取引先の在庫負担が増えるため交渉が必要ですが、相談する価値はあります。
2. 最低ロット
小口配送が多いと、1個あたりの物流費が跳ね上がります。最低ロットの設定を協議してください。
3. リードタイム
「翌日納品」を「翌々日」にできれば、計画的な配送が組めます。緊急配送が減ります。
4. センターフィー・協賛金
率や算定方法を確認してください。実質的な値引きとして機能している場合があります。
5. 納品時間
早朝の指定納品は、深夜勤務や待機時間を生みます。時間幅を広げてもらえないか相談する価値があります。
これらは価格交渉と同じく、資料を作って協議することが重要です。価格交渉の環境整備をご覧ください。
自社便か外注か
| 自社便 | 外注 | |
|---|---|---|
| コスト構造 | 固定費(車両・人件費) | 変動費 |
| 柔軟性 | 高い(緊急対応が可能) | 契約による |
| 繁閑への対応 | 閑散期に遊ぶ | 使った分だけ |
| ドライバーの確保 | 自社で採用・管理 | 委託先の課題 |
| 労務管理 | 自社の責任 | 委託先 |
ドライバーの確保が難しくなっています。自社便を維持できるか、中長期で見る必要があります。
また、自社便の場合はドライバーの労働時間管理が必要です。物流の制約が食品メーカーに与える影響をご覧ください。
共同配送の検討
同じ地域の食品メーカーと配送をまとめる取り組みです。
利点
- 積載効率が上がる
- 1社あたりの配送費が下がる
- ドライバー不足への対応
課題
- 温度帯が合わないと積めない
- 納品先・時間の調整
- 参加企業の確保
- コストの分担ルール
業界団体や地域の商工団体が仲介している例があります。まず情報を集めてみてください。
コストを把握する
次の指標で管理してください。
- 売上高物流費比率
- 出荷1件あたりの物流費
- 配送先別・方面別の物流費
- 積載率
方面別に見ると、採算の悪いエリアが見えます。そのエリアの取引条件を見直すか、集約するかの判断ができます。
承継・M&Aでの意味
物流費が高い工場は、立地の制約を抱えていることがあります。買い手は、自社の物流網と組み合わせられるかを見ています。
逆に、買い手の物流網に乗せられれば統合のシナジーになります。交渉材料として提示できます。価格交渉で使える材料をご覧ください。