この業態の構造
強み
- 営業コストが小さい
- 生産計画が立てやすい
- 在庫リスクが小さい
弱み
- 価格の主導権がない
- 取引先が抜けると、一気に稼働が落ちる
- 自社の名前が世に出ない
強みと弱みは、同じ構造の裏表です。片方だけを直そうとしても動きません。
承継で問題になるところ
買い手は集中度を見る
売上の過半を1社が占めている工場は、その1社が抜けたときの姿で評価されます。実績がいくら良くても、そこは割り引かれます。
顧客構成が評価に与える影響で、見られ方を整理しています。
取引先の同意が要ることがある
契約に、支配権の変更に関する条項が入っていることがあります。承継の前に、契約書を全部読む。これは飛ばせません。
取引先の同意が必要になる場面を参照してください。
集中を解く進め方
3年かける前提で考える
- 1年目:既存の取引先の中で、2番手・3番手を伸ばす
- 2年目:新しい取引先を1〜2社増やす
- 3年目:自社品を小さく立ち上げる
いきなり自社ブランドに行くと、売る力がないまま在庫を抱えます。順番が大事です。
詳しくはOEM依存をどう解くかと新しい販路をどう開くかで。
受託のまま価値を上げる道
集中を解くだけが答えではありません。相手が替えられない工場になるという道もあります。
- 特殊な設備を持つ
- 小ロット・多品種に対応できる
- 認証を取り、相手の監査負担を減らす
- 開発から関わる
認証の評価は品質認証は評価に効くかで整理しています。
原価と価格の関係
受託は、見積の精度がそのまま利益になります。原価が見えていないまま見積を出している工場は、赤字の受注を抱えます。
- 品目ごとの製造時間
- 切り替えにかかる時間と人手
- ロット規模による単位原価の差
原価計算のはじめ方と標準原価をどう作るかで、組み立て方を示しています。これがあると、値上げ交渉の根拠にもなります。
取引先を1社増やす具体策
- 今の設備で作れるものを、品目ではなく工程で書き出す
- その工程を必要としている業種を探す
- 展示会や既存取引先の紹介で接点を作る
- 小ロットのテスト受注から始める
「うちは○○を作っています」ではなく、「うちはこの工程ができます」と説明できると、話が広がります。
相手先との関係を会社に移す
受託は、担当者同士の関係で続いていることが多い。その担当者が社長なら、承継のときにリスクになります。
- 取引先ごとの窓口を、社長以外にも作る
- 打ち合わせに後継者や幹部を同席させる
- やり取りの記録を社内に残す
- 年に一度は、書面で条件を確認する
4番目を続けていると、承継のときに「何が取り決められていたか」がはっきりします。口頭の慣行は、代が替わると必ず食い違います。
取引先との関係を承継後も続けるにはと契約の棚卸しを参照してください。
まとめ
OEMの承継は、集中を解くか、替えの効かない工場になるかのどちらかです。何もしないまま承継すると、評価が伸びません。3年前から動いてください。
※ 取引先との契約内容や、承継にあたって必要な手続きは、個別の契約によって異なります。実際の対応にあたっては、契約書を確認のうえ、専門家にご相談ください。