段階別の目安

段階目安
準備(資料整理・評価把握)1〜3か月
アドバイザー選定・契約2週間〜1か月
相手探し・打診2〜6か月
面談〜意向表明1〜2か月
基本合意2週間〜1か月
買収監査1〜2か月
最終契約〜クロージング1〜2か月

単純に足すと6か月〜1年3か月。実際にはこの間に待ち時間が入るため、着手から引き渡しまで1年前後を見ておくのが現実的です。

いちばん読めないのは「相手探し」

2か月で決まることもあれば、1年以上かかることもあります。差を生むのは次の要素です。

  • 業態:惣菜・冷凍・受託製造など需要の強い領域は早い傾向
  • 収益力:安定して利益が出ている会社は候補が多い
  • 立地と設備:稼働できる工場と有効な営業許可は強い材料
  • 取引先構成:1社依存が高いと候補が絞られる
  • 価格の希望:相場から離れていると時間がかかる

買い手が何を見ているかは買い手は食品工場の何を見ているかにまとめています。

期間が延びる典型的な要因

1. 資料が揃っていない

最も多い原因です。買収監査で求められる資料が出てこないと、その都度止まります。特に食品工場では、衛生管理の記録、原料規格書、設備の履歴、労働時間の記録が求められます。買収監査で何を見られるかで準備リストを示しています。

2. 株主が整理されていない

買い手は原則として100%の株式を求めます。少数株主や名義株があると、その解消に数か月〜数年かかることがあります。分散した株式をまとめるを参照してください。

3. 許認可・契約の確認に時間がかかる

事業譲渡を選んだ場合、営業許可の取得手続きが必要になり、その分だけ引き渡し日が後ろにずれます。取引先の契約にチェンジオブコントロール条項がある場合も、同意取得に時間を要します。

4. 未払い残業などが見つかる

労務デューデリで問題が出ると、金額の算定と対応の協議で1〜2か月延びることがあります。未払い残業が見つかったときの対応をご覧ください。

期間を縮める方法

  1. 準備を先にやる(相手探しと並行ではなく、その前に)
  2. 株主を整理しておく(いちばん時間がかかる項目)
  3. 問題を先に開示する(後から出るほうが時間を食う)
  4. 社内の窓口を1人決める(資料請求の対応が速くなる)

3番目は感覚に反するかもしれませんが、実務上は最も効きます。先に出した問題は交渉材料、後から出た問題は不信になります。

季節性への配慮

食品製造業ならではの論点です。繁忙期に買収監査が重なると、現場に資料を求めても対応できません。年間の繁閑を見て、閑散期に監査が来るように逆算するとスムーズです。

途中で止まることもある

基本合意まで進んでも、成約に至らないことはあります。理由と防ぎ方はM&Aが途中で止まる理由にまとめました。