プラットフォームとは
売り手が案件情報を掲載し、関心を持った買い手が問い合わせる形のウェブサービスです。掲載料が無料または低額のものが多く、成約時に手数料が発生する仕組みが一般的です。
利点
1. 候補の幅が広がる
仲介会社のネットワークに入っていない買い手にもリーチできます。異業種からの参入希望者や、地域外の企業が見つかることがあります。
2. 費用が抑えられる
着手金や月額報酬がかからないサービスが多く、まず反応を見るという使い方ができます。
3. 反応が早い
掲載後、数日で問い合わせが来ることもあります。自社に関心を持つ買い手がいるかどうかを、短期間で確かめられます。
リスク:特定されること
最大の注意点がここです。誰でも閲覧できる場に情報を出すという性質上、記載内容から会社が特定される可能性があります。
食品製造業では、次の情報が特定につながりやすいものです。
- 独自商品名・ブランド名
- 特殊な設備の名称(保有社数が少ないもの)
- 細かい地域表記(市町村名)
- 創業年(地域+業種+創業年で絞り込める)
- 受賞歴・メディア掲載
- 取引先の業態を具体的に書きすぎること
「◯◯県の惣菜製造、創業50年、大手量販店向け、従業員40名」——この程度の情報でも、地域の同業者には見当がついてしまうことがあります。
特定されると何が起きるか
- 従業員が知って動揺する、離職につながる
- 取引先が供給の継続に不安を持ち、発注を絞る
- 同業者の間で噂が広がる
- 取引先が代替の仕入先を探し始める
食品業界は横のつながりが強く、噂が回るのが早い業界です。一度広がった話は取り消せません。
掲載する場合の工夫
- 数字はレンジで書く(「売上3〜5億円」)
- 地域は地方名まで(「関東地方」「東北地方」)
- 商品は一般名詞で(「惣菜」「冷凍食品の受託製造」)
- 設備は機能で書く(「◯◯社製の△△機」ではなく「冷凍・チルド両対応のライン」)
- 創業年は書かない、または「創業◯十年」程度に
- 受賞歴・メディア掲載は書かない
書き方の考え方はノンネームシートと企業概要書と共通します。
問い合わせが来た後の管理
プラットフォームの問い合わせには、冷やかしや情報収集目的のものも混ざります。次の点を確認してください。
- 秘密保持契約を結ぶ仕組みがあるか
- 買い手の身元確認をプラットフォーム側が行っているか
- 自分で相手を選別できるか(除外できるか)
- 詳細情報の開示を段階的に行えるか
秘密保持契約を結んでも、守れる範囲には限界があります。秘密保持契約で守れること・守れないことを先に読んでおいてください。
使い分けの考え方
プラットフォームが向いているのは、次のような場合です。
- 取引規模が比較的小さく、仲介の最低報酬が重い
- 特定されても影響が小さい(従業員が少ない、取引先が固定的でない)
- まず反応を見たい
逆に、従業員が多い、大手との取引がある、地域で名の知れた会社の場合は、仲介やFAを通じた個別の打診のほうが安全です。
探し方全体の比較は買い手はどう探すのかにまとめています。
併用する場合
仲介と併用する場合、契約が専任になっていないかを確認してください。専任契約中に他のルートで成約すると、報酬の問題が生じます。