表示と広告のリスク
関わる法令が複数ある
健康食品の表示・広告には、食品表示のルールに加えて、医薬品的な効能をうたわないことや、優良誤認を招かないことなど、複数の法令が重なって関わります。
基本は食品表示の基本で押さえたうえで、この分野特有の規制については専門家に確認してください。
過去の表示が承継後に問題になる
デューデリジェンスでは、過去の商品ラベルと広告表現が見られます。問題のある表現が残っていると、買い手はそのリスクを価格に織り込みます。
売り手側でできる備えは法務デューデリジェンスで見られることで整理しています。
受託でも責任を負うことがある
「表示は委託元が決めたもの」と考えていても、製造者としての立場で問われる場面があります。契約でどこまで分担しているかを確認してください。
契約の棚卸しは契約の棚卸しで。
受託先の集中
この業態は、受託が中心になりやすい。1社への集中は、そのまま承継時の評価を下げます。
構造の解き方はOEM・受託製造業の事業承継とOEM依存をどう解くかで示しています。
原料調達
- 輸入原料の比率と、産地の証明
- 原料の規格書が揃っているか
- トレーサビリティが取れるか
健康食品は原料の素性が問われます。原材料規格書をどう揃えるかとトレーサビリティの確保を確認してください。
設備と許可
錠剤、カプセル、粉末、液体。剤形によって設備も許可の考え方も変わります。自社がどの区分で営業しているかを確認してください。
承継の順番
- 現行商品の表示を点検する
- 過去の広告表現を確認し、残っているものを整理する
- 受託契約の責任分担を確認する
- 取引先の集中を解く手を打つ
- そのうえで、承継の形を決める
1と2を飛ばして相手を探すと、デューデリジェンスで出てきて話が止まります。先に自分で見つけて、直しておくほうが早い。
品質管理の水準
健康食品は、含有量が表示どおりであることが問われます。分析の体制と記録が揃っているかを確認してください。
- 製品ごとの規格と、その根拠
- ロットごとの分析結果
- 原料の受け入れ検査
- 異物・異臭のクレーム履歴
品質認証は評価に効くかで、認証の位置づけを整理しています。この分野では、認証があると取引先の監査負担が減り、選ばれやすくなります。
回収が起きたときの備え
健康食品は、表示や品質の問題で回収に至ることがあります。ロットを追える体制があるかどうかが、被害の範囲を決めます。
トレーサビリティの確保と回収が起きたときの初動、保険については生産物賠償責任保険をどう見るかを確認してください。
買い手から見た価値
この分野は、設備と許可、そして製造実績が資産です。剤形の対応幅が広く、小ロットに応えられる工場は、需要があります。
逆に、表示や広告に問題を抱えたままだと、その分だけ価格から引かれるか、話そのものが流れます。
取引先の入れ替わりが早い
この分野は、商品の寿命が短く、委託元が入れ替わりやすいという特徴があります。今の売上構成が3年後も同じとは限りません。
- 取引先ごとの取引年数
- 過去3年で失った取引先と、その理由
- 新規で獲得した取引先の数
失注が続いているなら、その理由を先に潰す。「入れ替わりはあるが、新規が獲れている」と示せれば、構造として説明できます。
利益の安定性をどう見せるかと顧客構成が評価に与える影響を参照してください。
※ 健康食品やサプリメントの表示・広告に関するルールは複数の法令にまたがり、運用も変わります。自社の表示が適切かどうかは、最新の情報を確認のうえ、専門家にご相談ください。