外食依存という構造
需要が大きく振れる
業務用食材は、外食の客数に連動します。好況では伸び、不況や外的な事情では一気に落ちます。過去にそれを経験している工場も多いはずです。
買い手は、振れたときにどう耐えたかを見ます。直近数年の数字だけでなく、落ち込んだ時期の対応が評価されます。
依存度をどう測るか
- 売上に占める外食向けの比率
- そのうち、上位1社・上位3社の比率
- チェーン本部との直取引か、卸を経由しているか
顧客構成が評価に与える影響で、見られ方を整理しています。
価格の主導権
業務用は、規格が決まっていて、価格が比較されやすい。相手はいつでも他社に切り替えられるという前提で交渉が進みます。
原料が上がったときに転嫁できているかが、この業態の分かれ目です。価格交渉をどう進めるかと原価上昇をどう転嫁するかを参照してください。
振れを吸収する手
1. 販路を分散する
量販店向け、通販、給食、介護食。外食以外の出口を持っておくと、落ち込みを吸収できます。
新しい販路をどう開くかで、進め方を示しています。
2. 業態を分散する
同じ外食でも、居酒屋、ファミレス、給食、テイクアウトでは、振れ方が違います。外食の中でも分散させるのは、現実的な一手です。
3. 固定費を軽くする
振れる前提なら、固定費が軽いほうが強い。人員構成、設備の持ち方、外注の使い方を見直します。人件費率をどう見るかを参照してください。
承継のときの見せ方
依存度が高くても、それだけで承継できないわけではありません。「振れる構造をわかったうえで、こう手を打っている」と説明できるかどうかです。
数字の見せ方は利益の安定性をどう見せるかで整理しています。
規格対応が強みになる
業務用は、相手先ごとに規格が違います。サイズ、重量、カット、包装形態。細かい注文に応えられること自体が、替えの効かなさになります。
- 相手先ごとの規格を、書面で管理しているか
- その情報が特定の社員の頭の中だけにないか
- 切り替えにかかる時間を把握しているか
段取り替えの時間を減らすと引き継ぎ資料に何を残すかを参照してください。規格情報の文書化は、承継の準備そのものです。
与信の管理
外食向けは、取引先の経営状態が急に変わることがあります。売掛金が回収できないリスクを、どう見ているか。
与信の枠を決めているか、支払いの遅れを早く掴む仕組みがあるか。買い手は、この管理の有無を見ます。回収できない売掛金への備えを参照してください。
物流と納品の体制
業務用は、店舗ごとに小口で届けることが多く、物流の負担が大きくなります。
- 自社配送か、委託か、卸経由か
- 納品の頻度と、1回あたりの数量
- 冷蔵・冷凍の温度帯をどう分けているか
- 配送費が売上に占める割合
この費用が見えていない会社は少なくありません。品目別の採算に配送費を乗せると、赤字の取引先が見つかることがあります。
物流費をどう抑えるかと販路ごとの粗利を比べるを参照してください。承継の前に、ここを整理しておくと利益の見え方が変わります。
まとめ
業務用食材の承継は、依存を隠すのではなく、依存を認めたうえで手を打った記録を残すことです。それが、そのまま買い手への説明になります。
※ 取引先との契約内容や、承継にあたって必要な手続きは個別の契約によって異なります。実際の対応にあたっては、契約書を確認のうえ、専門家にご相談ください。