認証の種類と位置づけ

よく出てくるもの

  • ISO22000:食品安全マネジメントシステムの国際規格
  • FSSC22000:ISO22000に前提条件プログラムなどを加えたもの。国際的に広く求められる
  • JFS規格:日本発の food safety の規格。段階が分かれており、中小の工場でも取り組みやすい

いずれもHACCPに沿った衛生管理の上に積み上がるものです。基礎はHACCP 完全ガイドで扱っています。

取っていると何が変わるか

認証そのものが売却価格を押し上げるわけではありません。効くのは、買い手や取引先の確認作業が軽くなることです。

  • 取引先の工場監査で聞かれることが減る
  • 大手や輸出向けの取引で、参加できる土俵が広がる
  • デューデリジェンスで、衛生管理の水準を示す材料になる

評価のされ方は品質認証は評価に効くかで整理しています。

未対応でも譲渡はできる

認証がなくても、あるいはHACCPへの対応が遅れていても、譲渡できないわけではありません。ただし、次のように扱われます。

  1. 買い手が、対応にかかる費用と期間を見積もる
  2. その分が価格から引かれるか、条件として付く
  3. 対応の遅れが行政指導につながっていれば、さらに慎重に見られる

「これから対応する」より「もう始めている」ほうが説明がしやすい。記録は積み上げた期間そのものが価値になるので、今日から残し始める意味があります。HACCPへの対応を参照してください。

認証は承継で引き継げるか

株式譲渡なら法人格が変わらないため、認証は原則として継続します。ただし、認証機関への報告や、次回審査での確認が必要になることがあります。

事業譲渡の場合は、新しい営業者として取り直しになるのが一般的です。審査に時間がかかるため、事業譲渡を選ぶときは認証の空白期間を見込んでおく必要があります。取引先との契約に認証の保持が条件として入っていないかも確認してください。

契約の確認は契約の棚卸しで。

フードディフェンス(食品防御)

何を求められるか

意図的な異物の混入を防ぐ取り組みです。偶発的な混入を防ぐ衛生管理とは、目的が違います。

  • 入退室の管理と記録
  • 私物の持ち込み制限
  • カメラの設置と、記録の保存期間
  • 原料・薬品の保管と施錠
  • 従業員が相談できる窓口があるか

大手への納入では、取引の条件として求められることがあります。取引先の監査にどう備えるか工場のセキュリティ対策を参照してください。

承継で見られる理由

買い手にとっては、買ったあとに事故が起きたときの責任が関心事です。体制と記録があるかどうかで、リスクの見積もりが変わります。

過去に異物混入や自主回収があった場合は、隠さずに、その後どう直したかとセットで説明するのが結果的に有利です。回収が起きたときの初動表示の誤りと回収で扱っています。

何から手をつけるか

  1. HACCPに沿った衛生管理の記録を、まず続ける
  2. 取引先から求められている水準を確認する
  3. 入退室の管理など、費用のかからないところから整える
  4. 認証は、必要とする取引先が見えてから判断する

認証は目的ではなく手段です。取りたいから取るのではなく、取らないと入れない取引があるから取る。その順番で考えてください。

※ 認証の要求事項や運営団体の制度は改定されることがあります。取得や維持の可否は、認証機関および専門家にご確認ください。