レシピの扱い
誰のものになっているか
配合表が社長の手帳にしかない。あるいは、退職した技術者が持っている。調味料メーカーではよくある話です。
会社の資産として扱うには、記録の形と、秘密保持の取り決めの両方が要ります。レシピの権利をどう守るかで整理しています。
OEM先のレシピが混ざる
受託製造をしていると、相手先が権利を持つ配合が社内にあります。承継のときに、どれが自社のもので、どれが預かりものかを分けておく必要があります。
契約の棚卸しは契約の棚卸しで。
設備の特殊性
- 発酵・熟成の設備は、代替が効きにくい
- タンクや配管は、品目を変えると洗浄が重い
- アレルゲンの切り替えに時間がかかる
切り替え時間は生産性に直結します。段取り替えの時間を減らすも参照してください。
設備の評価は設備をどう評価するかで。特殊設備は、簿価と実際の価値が離れやすい点に注意してください。
OEM比率をどう見るか
調味料は受託の比率が高くなりやすい業態です。安定はしますが、相手先1社への集中は、承継のときに評価を下げます。
OEM依存をどう解くかで、比率を下げる進め方を示しています。すぐには変わりません。承継の3年前から動く前提で考えてください。
表示の管理
原材料表示、アレルゲン表示、栄養成分表示。調味料は原材料が多く、表示の管理が煩雑になりやすい業態です。
食品表示の基本とアレルゲン管理を確認してください。表示の不備は、承継後に責任問題になることがあります。
承継で先にやること
- レシピを紙にして、会社の資産として管理する
- 自社品とOEM品の権利を分ける
- OEM比率を下げる手を打つ
- 表示の妥当性を点検する
賞味期限が長いことの意味
調味料は日持ちします。日配のような時間の制約がないぶん、まとめて作れて、在庫で調整できるのは強みです。
一方で、在庫を持ちすぎる工場も多い。資金が寝て、古い在庫が評価を下げます。在庫回転をどう上げるかを参照してください。
買い手から見た価値
- 発酵・熟成の設備:新設が難しく、代替が効かない
- 独自の配合:会社に帰属していれば資産になる
- 取引先の顔ぶれ:安定した受託先は評価される
- 小ロット対応:大手が嫌がる注文を取れる
調味料メーカーは、規模が小さくても買いたい相手がいる業態です。特殊な設備と配合を持っていれば、その価値は正当に見てもらえます。
承継のときに整えておく資料
この業態は、渡すべき情報が多い。先に資料を作っておくと、相手探しからデューデリジェンスまでが一気に軽くなります。
- 品目ごとの配合表と製造条件
- 原材料の規格書と、仕入先の一覧
- 設備の一覧(導入年、能力、直近の修繕)
- 取引先ごとの数量と単価の推移
- 自社品とOEM品を分けた損益
デューデリジェンスの準備で、必要になる資料を整理しています。5番目が特に重要です。受託と自社品が混ざったままだと、収益の構造が説明できません。
評価のされ方は買い手はどこを見ているかで整理しています。
※ 許可の区分や施設の基準、衛生管理の求められ方は、業種や取扱品目、自治体の運用によって変わります。自社にどれが当てはまるかは、所管の保健所や専門家にご確認ください。