食品工場から出る廃棄物
- 製造工程で生じる残さ(野菜くず、魚のあら、油かすなど)
- 規格外品・返品・期限切れ製品
- 廃食用油
- 排水処理から生じる汚泥
- 包装資材の端材、使用済み容器
- 洗浄に使った薬剤
これらは、性状や排出の状況に応じて産業廃棄物または事業系一般廃棄物に区分されます。区分によって処理の方法と委託先が変わります。
委託するときの基本
1. 委託先の許可を確認する
収集運搬業と処分業の許可を持っているかを確認します。
- 許可証の写しを入手する
- 許可の有効期限を確認する
- 許可の品目に、委託する廃棄物が含まれているか確認する
- 収集運搬の許可は、積む場所と降ろす場所の両方の自治体で必要になることがある
有効期限の管理が最も抜けやすい点です。長年の付き合いだからと確認を怠り、失効していたというケースがあります。
2. 委託契約を書面で結ぶ
産業廃棄物の処理を委託する場合、書面による契約が必要です。収集運搬と処分でそれぞれ契約が必要になります。
契約書には法令で定められた記載事項があります。古い契約書のまま更新していないと、記載が不足していることがあります。
3. マニフェストを管理する
産業廃棄物の処理状況を確認するための伝票です。
- 交付する
- 返送されてくるものを確認する
- 期限内に返送されない場合、状況を確認する
- 一定期間保存する
- 年に一度、交付等状況報告を行う
返送の確認が形骸化しているケースがあります。ファイルするだけでなく、期限内に戻っているかを確認する運用が必要です。
再生利用の取り組み
食品廃棄物については、飼料化・肥料化・エネルギー化などの再生利用が推進されています。食品リサイクル法に基づく取り組みが求められる場合があります。
食品製造業では、次のような形が取られています。
- 野菜くず・食品残さの飼料化・肥料化
- 廃食用油の燃料化
- メタン発酵によるエネルギー利用
再生利用は、費用の削減につながることがあります。焼却処分より安価になる場合があるため、検討の価値があります。
そもそも減らす
処理費用は、廃棄量に比例します。発生そのものを減らすことが最も効果的です。
- 歩留まりの改善(原料のロスを減らす)
- 需要予測の精度向上(作りすぎを減らす)
- 規格外品の活用(別商品への転用)
- 在庫管理の改善(期限切れを減らす)
これらは利益の改善に直結します。歩留まりとロスの改善とロスの分類をご覧ください。
業界全体の動きは食品ロス削減の流れと事業への影響をご覧ください。
保管の管理
廃棄物を工場内で保管する場合、次の点が確認されます。
- 製造区域から分離されているか
- 容器が適切か(漏れ、飛散、悪臭の防止)
- そ族・昆虫の発生源になっていないか
- 搬出の頻度が適切か
- 掲示が必要な場合、掲示されているか
衛生管理の観点からも重要です。廃棄物置場が汚れていると、取引先の工場監査でも指摘されます。一般衛生管理プログラムの整理をご覧ください。
承継時に確認される点
- 委託先の許可が有効か
- 委託契約書が最新の内容になっているか
- マニフェストが適切に管理・保存されているか
- 年次の報告を行っているか
- 過去に不適正な処理がなかったか
- 保管場所の状態
1番目でつまずくケースが実際にあります。委託者にも一定の責任が及ぶ可能性があるため、買い手は必ず確認します。環境・設備デューデリをご覧ください。
いま確認する手順
- 委託先の一覧を作る(収集運搬・処分それぞれ)
- 各社の許可証の写しを入手し、有効期限を確認する
- 許可の品目が、委託内容と合っているか確認する
- 委託契約書の内容を確認する
- マニフェストの返送状況を確認する
- 有効期限の管理表を作り、更新時期を管理する
6番目の管理表を作れば、以後の抜けは防げます。営業許可の有効期限と同じ表で管理してもよいでしょう。営業許可の更新をご覧ください。
※ 廃棄物の区分や委託の手続、リサイクルに関する義務は、法令の改正や自治体の運用によって異なります。実際の対応にあたっては、管轄の自治体および専門家にご確認ください。