計画に含めるもの

衛生管理計画は、大きく2つの部分から成ります。

  1. 一般衛生管理:すべての食品事業者に共通する基本的な管理
  2. 重要な工程の管理:自社の製品と工程に応じた管理

小規模な事業者等については、業界団体が作成した手引書を活用して簡略化した形で取り組むことが認められています。

手引書を使う

業種ごとに手引書が作成されており、そのまま使える様式が用意されていることがほとんどです。

食品製造業では、惣菜、パン、菓子、麺、豆腐、漬物、水産加工など、業態ごとの手引書があります。自社の業態に合った手引書を、業界団体または保健所で確認してください

手引書を使う利点は次のとおりです。

  • ゼロから作る必要がない
  • その業態で押さえるべき点が網羅されている
  • 保健所も同じ手引書を前提に確認する
  • 記録の様式まで用意されている

作る手順

手順1:一般衛生管理を書き出す

すでにやっていることを、そのまま文書にします。次の項目について、「いつ」「誰が」「どうやって」「問題があったらどうするか」を書きます。

  • 原材料の受入確認
  • 冷蔵・冷凍設備の温度確認
  • 器具・設備の洗浄・消毒
  • 交差汚染・二次汚染の防止
  • トイレの洗浄・消毒
  • 従業員の健康管理
  • 手洗いの実施
  • そ族・昆虫対策
  • 使用水の管理
  • 廃棄物の取扱い

詳しくは一般衛生管理プログラムの整理をご覧ください。

手順2:製品を分類する

製造している品目を、工程の特徴でグループ分けします。

  • 加熱してそのまま提供するもの
  • 加熱後に冷却するもの
  • 非加熱のもの
  • 加熱後に手作業が入るもの

品目ごとに計画を作る必要はありません。グループごとに1つ作れば足りることが多くあります。品目が多い工場では、この分類が作業量を大きく左右します。

手順3:グループごとに管理のポイントを決める

グループ管理のポイント
加熱するもの中心温度と時間
加熱後に冷却するもの加熱条件+冷却の速さ
非加熱のもの原材料の管理、保管温度、器具の洗浄
加熱後に手作業が入るもの加熱条件+二次汚染の防止

手順4:記録の様式を決める

手引書の様式をそのまま使うのが最も確実です。自社で作る場合は、1枚に収まる、チェック方式を原則にしてください。

続く計画にするコツ

1. いま実際にやっていることを書く

理想の姿を書くと、実行が伴わず記録も残りません。実態を書いて、少しずつ改善するほうが確実です。

2. 記録の項目を増やしすぎない

項目が多いと、形だけの記入になります。本当に必要な項目に絞るほうが、記録の信頼性が上がります。

3. 記録する場所を動線上に置く

事務所まで戻らないと記入できない仕組みは続きません。作業する場所に帳票を置くだけで、記入率が変わります。

4. 誰でも分かる言葉で書く

外国人従業員がいる工場では、写真やイラスト、ふりがなを使うことが有効です。多国籍な現場のコミュニケーション設計をご覧ください。

5. 逸脱したときの対応を具体的に

「基準を外れたら適切に対応する」では機能しません。「加熱不足だった場合は再加熱し、記録に残す。再加熱できない場合は廃棄する」のように具体化してください。

作った後にやること

  • 従業員に周知する(説明会を行い、記録を残す)
  • 実際に記録を取り始める
  • 1〜2か月後に、無理がないか確認する
  • 年に一度、計画そのものを見直す

最後の検証が、最も抜けやすい部分です。検証と見直しをご覧ください。

承継を見据えるなら

計画と記録は、そのまま引き継ぎ資料になります。文書化されていれば、担当者が代わっても運用が続きます。

逆に、特定の人の経験だけで衛生管理が回っている工場は、その人が抜けた時点で体制が崩れます。引き継ぎ資料の作り方とあわせて進めてください。

※ 営業許可・衛生管理・食品表示の具体的な取扱いは、法令の改正や管轄行政庁の運用によって異なります。実行にあたっては、管轄の保健所等および専門家に必ずご確認ください。