この業態を買う側の動機
- 同業の冷凍食品メーカー:凍結能力を増やしたい
- 量販店・外食・給食:安定供給と保管機能が欲しい
- 食品商社:製造と在庫の機能を持ちたい
- 常温品のメーカー:冷凍のラインアップを持ちたい
冷凍設備は新設に時間と金がかかります。既にある工場を買うほうが早い、という判断が成り立ちやすい業態です。
売却で見られる数字
- 凍結能力(トン/日)と、その稼働率
- 冷凍倉庫の容量と、自社使用の比率
- 電力単価と契約の形
- 設備の残存年数と、直近の更新履歴
- 在庫の回転と、滞留の有無
2番目は見落とされがちです。冷凍倉庫に空きがあれば、保管機能としての価値も見てもらえます。自社使用と外部保管を分けて出してください。
電力は利益に直結します。エネルギーコストをどう下げるかで、見直しの手を整理しています。
冷媒と設備更新
冷媒に関する規制は時期によって変わります。古い冷媒を使う設備は、いずれ更新が必要になる可能性があります。
買い手は「買ったあとに必要な投資額」を計算し、その分を価格に織り込みます。更新計画を先に作っておくと、その計算を売り手側から示せます。
設備の寿命から逆算すると環境法令への対応を参照してください。
在庫の扱い
冷凍は在庫が持てるのが強みですが、持てるからこそ持ちすぎる。デューデリジェンスでは滞留在庫が必ず見られます。
古い在庫を整理してから譲るほうが、評価も資金繰りもよくなります。在庫評価の考え方と在庫回転をどう上げるかを参照してください。
品目による違い
冷凍惣菜
冷凍惣菜は、常温の惣菜と違って商圏の制約がありません。そのぶん全国のメーカーと競合します。品目の独自性と、小ロット対応の可否が差になります。
冷凍麺
冷凍麺は、生麺の日配と違って遠方に出せます。製麺の設備と凍結の設備を両方持つため、更新の負担が二重になりやすい点に注意してください。麺類製造業の事業承継も参照。
冷凍水産加工
原料の調達が加わります。水産加工会社のM&Aで、調達まわりの論点を扱っています。
冷凍倉庫だけを持っている場合
製造をやめて倉庫だけが残っている、という状態でも需要はあります。冷凍倉庫は需給が締まりやすく、単独でも引き取り手が見つかることがあります。
ただし、事業としての価値と不動産としての価値は別に見られます。工場不動産をどう評価するかを参照してください。
承継の視点は冷凍食品メーカーの事業承継で扱っています。
※ 許可の区分や衛生管理・表示の求められ方は、業種や取扱品目、自治体の運用によって変わります。取引条件や契約の内容も個別に異なります。実際の判断にあたっては、所管の保健所や専門家にご相談ください。