2つの違い
| 保証付き融資 | プロパー融資 | |
|---|---|---|
| 信用保証協会の保証 | あり | なし |
| 金融機関のリスク | 大部分が保証される | 全額を負う |
| 審査 | 金融機関+保証協会 | 金融機関のみ |
| 費用 | 金利+保証料 | 金利のみ |
| 借りやすさ | 比較的借りやすい | 信用力が必要 |
| 限度額 | 保証の枠がある | 金融機関の判断次第 |
保証付き融資の位置づけ
信用力が十分でない、担保が足りない、取引実績が浅い。こうした場合に、公的な保証を付けることで融資を可能にする仕組みです。
中小企業にとって不可欠な制度であり、使うこと自体は何ら問題ありません。信用保証協会の保証をどう使うかをご覧ください。
プロパー融資の意味
金融機関が自らのリスクで貸すということは、その会社を信用しているということです。
プロパー融資が受けられる状態になると、次の利点があります。
- 保証料の負担がない
- 保証の枠を、いざというときのために温存できる
- 審査が金融機関だけで済み、スピードが早い
- 金額の制約が小さい
- 金融機関との関係が深まる
2番目が実務上重要です。保証枠を設備投資で使い切ってしまうと、運転資金が必要になったときに使えません。
プロパーを受けられるようになる条件
1. 安定して利益が出ている
複数年にわたって黒字であること。単年度の良し悪しより、推移の安定性が見られます。
食品製造業では、原材料価格の影響で利益が振れることがあります。変動の理由を説明できることが重要です。利益の安定性をどう見せるかをご覧ください。
2. 自己資本が厚い
資産超過であり、自己資本比率が一定の水準にあること。内部留保を積み上げることが直接効きます。
3. 債務償還年数が短い
借入をキャッシュフロー(税引後利益+減価償却費)で何年で返せるか。この年数が短いほど評価されます。
4. 情報開示ができている
月次試算表、資金繰り表を継続して提出していること。これが最も着手しやすく、効果があります。銀行との付き合い方を参照してください。
5. 担保がある
工場の土地建物に担保余力があると有利です。ただし、個人名義のままだと会社の担保にしにくいことがあります。個人名義の設備・車両・土地をどう整理するかをご覧ください。
使い分けの考え方
実務的には、次のような組み合わせが多くなります。
- 長期の設備資金:金額が大きいため、保証付きを併用
- 短期の運転資金:プロパーで機動的に
- 季節資金:プロパーの当座貸越など
- 制度融資:自治体の利子補給等がある場合は積極的に活用
すべてを保証付きにしないことが目標です。プロパーの割合が増えることは、会社の信用が高まっている証拠です。
承継との関係
プロパー融資を受けられる財務状態は、経営者保証を外す要件とも重なります。
- 財務基盤が強化されている
- 適時適切な情報開示ができている
- 法人と個人が明確に分離されている
つまり、プロパーを目指す取り組みが、そのまま保証解除につながります。経営者保証に関するガイドラインの使い方をご覧ください。
金融機関に聞いてみる
「どうすればプロパーで借りられるようになりますか」と、率直に聞いてみてください。
多くの場合、具体的な指標と水準を教えてもらえます。「自己資本比率が◯%になれば」「債務償還年数が◯年を切れば」といった目標が示されれば、それが経営の指針になります。
目標が明確になることで、次の行動が決まります。品目別の採算を整備し、価格改定を実現し、在庫を圧縮する。利益計画の立て方から始めてください。
※ 融資の判断基準は金融機関によって異なり、保証制度の内容も改正されることがあります。実行にあたっては取引金融機関にご確認ください。