なぜ効果が大きいのか

  • 記録漏れがなくなる:人が測りに行く必要がない
  • 24時間記録される:夜間・休日も含めて
  • 異常を即座に検知できる:故障・扉の閉め忘れ
  • 作業時間が減る
  • 傾向分析ができる(省エネにもつながる)
  • 記録の信頼性が高い(手書きより)

3番目が最大の価値です。冷凍庫の故障を朝まで気づかないと、在庫がすべて廃棄になることがあります。

対象になる場所

  • 冷蔵庫・冷凍庫(庫内、複数点)
  • 原料保管庫
  • 製品保管庫
  • 製造室の室温・湿度
  • 加熱工程(釜、オーブン)
  • 冷却工程
  • 配送車両(該当する場合)

まず冷蔵庫・冷凍庫から始めるのが一般的です。効果が分かりやすく、費用も抑えられます。

仕組み

  1. 温度センサーを設置する
  2. データを無線でゲートウェイに送る
  3. クラウドに蓄積する
  4. パソコン・スマートフォンで確認する
  5. 異常時に通知が届く

近年は、電池式の無線センサーで、工事なしに設置できる製品が増えています。

選ぶときの確認点

1. 測定範囲と精度

冷凍庫は氷点下の低い温度まで測れる必要があります。製品の温度管理に必要な精度を満たしているか確認してください。

2. 電波の届き方

これが最大の実務上の課題です。冷凍庫は金属で囲まれており、電波が届きにくくなります。

  • 庫内から外へ電波が届くか
  • 中継機が必要か
  • 工場の構造(厚い壁、複数階)

導入前に、実機で試してもらってください。カタログ上の通信距離と、実際の環境は異なります。

3. 電池の持ち

低温環境では電池の消耗が早くなります。交換の頻度と手間を確認してください。

センサーが多いと、電池交換だけで作業が発生します。残量の通知機能があるかも確認してください。

4. 防水・洗浄への耐性

庫内は結露します。また、定期的に清掃も行います。センサーが濡れても大丈夫かを確認してください。

5. 異物混入のリスク

センサーや取付具が落下・破損して製品に混入しないか。取付方法と、破損時の対応を決めておいてください。

6. 記録の保存と出力

  • 保存期間(サービスによって異なります)
  • 期間を指定して出力できるか
  • 印刷して提示できるか
  • サービス終了時のデータ移行

警報の設定

設定が甘いと、通知が多すぎて無視されるようになります。

設定のポイント

  • 閾値:管理基準より少し手前で警報を出す(対応の余裕を作る)
  • 継続時間:一時的な変動で鳴らないよう、「◯分以上継続したら」とする
  • 通知先:複数人に送る(1人だと気づかないことがある)
  • 時間帯:夜間・休日の対応者を決めておく

2番目が重要です。扉の開閉で一時的に温度が上がるのは正常です。これで毎回鳴ると、通知が信用されなくなります。

警報が鳴ったときの手順

あらかじめ決めておいてください。

  1. 誰が確認に行くか
  2. 何を確認するか(扉、霜、凝縮器、設定)
  3. 復旧しない場合の連絡先(設備業者)
  4. 製品をどうするか(他の庫へ移す、品質判定)
  5. 記録の残し方

4番目が最も重要です。温度逸脱した製品をどう扱うかを、衛生管理計画に定めておいてください。HACCPに沿った衛生管理 完全ガイドをご覧ください。

省エネへの活用

温度データが蓄積されると、次が見えてきます。

  • 扉の開閉が多い時間帯
  • 霜取り後の温度回復にかかる時間
  • 庫内の温度ムラ
  • 設備の効率低下の傾向

効率が落ちている設備は、電気代が増えています。清掃や部品交換のタイミングを判断する材料になります。エネルギーコストの削減をご覧ください。

費用の目安

  • センサー:1台あたり数千円〜数万円
  • ゲートウェイ:数万円
  • クラウド利用料:月額数千円〜

冷蔵・冷凍庫が数台なら、初期数万円〜十数万円から始められます

冷凍庫が1回故障して在庫を廃棄した場合の損失と比べれば、投資判断は容易なはずです。

導入の手順

  1. 対象の場所と台数を決める
  2. 複数のサービスを比較する
  3. 試用させてもらう(電波の届き方を確認)
  4. 設置し、既存の手書き記録と並行して運用する
  5. データが正しく取れていることを確認する
  6. 警報の閾値を調整する
  7. 手書き記録をやめる
  8. 対応手順を文書化し、周知する

3番目を必ず行ってください。電波が届かなければ、どんなに良い製品でも使えません。