混入経路で分けて考える

対策を考えるときは、どこから入るかで分けると整理しやすくなります。

  1. 原材料に由来するもの
  2. 設備・器具から出るもの
  3. 人が持ち込むもの
  4. 建物・環境から入るもの
  5. 包装資材に由来するもの

経路1:原材料

典型的な異物

石、木片、植物片、骨、貝殻、糸くず、虫。

対策

  • 受入時の検品(サンプリングでの確認)
  • 仕入先の規格書で、異物の管理状況を確認する
  • 選別・洗浄工程を設ける
  • ふるい、マグネット、フィルターの設置

仕入先の管理状況を確認することが根本的な対策です。原料規格書の管理をご覧ください。

経路2:設備・器具

典型的な異物

金属片、ボルト・ナット、ベアリングの破片、樹脂片、ゴムパッキン、刃こぼれ、塗装片。

対策

  • 始業前・終業後の設備点検(部品の欠損確認)
  • 刃物・器具の破損チェックと記録
  • ボルト等の定期的な増し締め
  • 樹脂・ゴム部品の劣化管理(交換周期を決める)
  • 金属検出機・X線検査機の設置と作動確認
  • 塗装の剥がれやすい箇所の管理

最も多く、最も重大なのがこの経路です。老朽化した設備ほどリスクが高くなります。設備の寿命から逆算するとあわせて考えてください。

経路3:人

典型的な異物

毛髪、繊維、絆創膏、爪、アクセサリー、ボタン、筆記具、私物。

対策

  • 作業着・帽子・マスクの着用ルールと、着用状態の確認
  • 入室前の粘着ローラー、エアシャワー
  • アクセサリー・時計・私物の持ち込み禁止
  • ポケットのない作業着の採用
  • 筆記具の管理(本数を決めて記録)
  • 絆創膏は色付き・金属入りのものを使用
  • 爪の点検

毛髪は最も多いクレーム原因の1つです。帽子の被り方(耳と生え際を完全に覆う)まで教育してください。

経路4:建物・環境

典型的な異物

虫、そ族の毛、天井や壁の破片、断熱材、埃、結露水。

対策

  • 建物の隙間、開口部、排水口の封鎖
  • 捕虫器の設置と定期確認
  • 天井・壁・照明の破損点検
  • 照明にカバーを付ける(破損時の飛散防止)
  • 結露の防止(換気、断熱)
  • 製造区域への外部からの動線管理

照明のカバーは見落とされがちですが、破損時の影響が大きいため必ず確認してください。

経路5:包装資材

典型的な異物

フィルムの切れ端、シール片、紙片、段ボールの繊維。

対策

  • 資材の保管方法(段ボールを製造区域に持ち込まない)
  • 開梱場所を製造区域と分ける
  • 資材の検品

検査機による対策

混入を完全に防ぐことは難しいため、出荷前に検出する仕組みが必要です。

  • 金属検出機:金属異物の検出。多くの工場で導入されています
  • X線検査機:金属以外(骨、石、硬質樹脂など)も検出可能
  • 画像検査:外観の異常や特定の異物を検出

検査機は作動確認の記録が必須です。テストピースを流して検出することを、始業時・終業時・一定間隔で確認し、記録に残します。

導入の判断は画像検査・異物検知の導入判断をご覧ください。

承継前に点検する項目

  1. 過去のクレームを分類し、異物の種類と経路を整理する
  2. 検査機の設置状況と、作動確認の記録を確認する
  3. 設備の樹脂・ゴム部品の管理状況を確認する
  4. 捕虫器の記録に傾向がないか確認する
  5. 作業着・入室のルールが守られているか、実際に見る
  6. 照明カバー、天井、壁の破損を点検する

1番目が出発点です。どの経路が自社の弱点かが、クレームの記録から見えてきます。

買い手・取引先が見る点

  • クレームの記録と、原因の特定・対策の記録があるか
  • 検査機の作動確認が継続して記録されているか
  • 過去に回収があった場合、その後の対策が実施されているか
  • 設備の老朽化が異物リスクにつながっていないか

クレームがあること自体は減点ではありません。原因を特定し、対策を実施し、記録に残しているかが見られます。回収が起きたときの初動をご覧ください。

※ 営業許可・衛生管理・食品表示の具体的な取扱いは、法令の改正や管轄行政庁の運用によって異なります。実行にあたっては、管轄の保健所等および専門家に必ずご確認ください。