金融機関が知りたいこと
- 本当にその在庫は存在するのか
- 帳簿の金額で売れるのか
- どれくらいで売れるのか
- 売れない在庫はどれだけあるか
- 誰が価値を判断しているのか
用意する資料
| 資料 | 示すこと |
|---|---|
| 在庫一覧(区分別・日齢別) | 中身と滞留の程度 |
| 実地棚卸しの記録 | 実在すること |
| 区分別の粗利率と回転 | 稼ぐ力 |
| 販売実績(実際の売価) | 評価の妥当性 |
| 処分の実績 | 換金の経路があること |
日齢で示すのが効く
在庫を仕入れからの経過日数で区分して示すと、状況が一目で伝わります。
- 30日以内:新しい在庫
- 31〜90日:通常の範囲
- 91〜180日:注意
- 181日以上:滞留
区分の基準は商材によって変えて構いません。基準を決めて継続することが重要です。
正直に示す
滞留在庫を隠しても、いずれ分かります。把握していて、対策していることを示すほうが信用されます。
「滞留が◯%あり、四半期ごとに市場へ出して圧縮しています」という説明ができれば十分です。
定期的に出す
融資の申し込みのときだけでなく、月次または四半期で継続的に提出してください。積み重ねが信用になります。
日齢で示すことの効果
在庫の説明で最も効くのが、この指標です。
- 区分を固定する — 90日以内、91〜180日、181〜365日、366日超
- 金額と点数の両方を出す
- カテゴリ別に分ける
- 12か月の推移を並べる
- 実売実績と対応させる — 各区分がいくらで売れているかです
4番目が最も評価されます。現時点の分布が良くなくても、改善していれば管理されている会社だと伝わります。逆に、良い数字でも推移がなければ、たまたまと見られます。継続的な記録が価値を持ちます。
定期的に提出する習慣
求められてから出すのと、自発的に出すのでは意味が違います。
- 月次の試算表を毎月提出する
- 在庫の状況をあわせて出す
- 提出の時期を固定する — 月初の何営業日目までなど
- 形式を統一する — 推移が比較できます
- 担当者が変わっても続ける
- 年1回、事業の見通しを説明する
3番目を守ることが信頼につながります。毎月決まった時期に出てくる資料は、それ自体が管理体制の証明です。融資の判断にも、保証の交渉にも影響します。
悪い数字の伝え方
隠すと、後から発覚したときの影響が大きくなります。
- 早く伝える — 決算が出てからでは遅れます
- 原因を説明する
- 対応の内容を示す
- 見通しを示す
- 支援が必要なら、その時点で相談する
1番目が最も重要です。業績が落ちた月の翌月に伝えるのと、決算で判明するのとでは、受け止め方がまったく違います。悪い情報を早く伝える会社は、良い情報も信頼されます。
説明資料を承継にも使う
金融機関向けの資料は、そのまま他の場面でも使えます。
- 買い手への説明資料になる
- 補助金の申請の根拠になる
- 社内の月次会議の資料になる
- 幹部への数字の共有に使える
同じ資料を使い回すことで、内容の一貫性が保てます。場面ごとに別の資料を作ると、数字が食い違う危険があります。基本となる資料を月次で作り、必要に応じて加工する形にしてください。作成の手間も減ります。
まとめ
在庫は日齢と実績で説明してください。
滞留を隠さず、対策を示すことが評価につながります。