なぜ早めに伝えるか

  • 承継は融資の前提条件に関わる
  • 個人保証の引き継ぎに時間がかかる
  • 後継者への評価を積み上げてもらう必要がある
  • 承継資金の相談ができる

金融機関は「知らされていなかった」ことを最も嫌います。

準備する資料

資料ねらい
承継の計画(時期・後継者)方針を示す
後継者の経歴と関与状況能力を伝える
直近の決算と月次足元の状況
在庫の一覧と評価資産の中身を説明する
今後の事業計画返済の見通し

在庫を担保にしている場合

在庫を担保に入れている場合、担保の内容と評価が承継時に改めて確認されます。

  • 担保の対象がどの在庫かを明確にする
  • 在庫の実地棚卸しの記録を整える
  • 滞留在庫の状況を正直に説明する
  • 担保の設定を承継後どうするかを相談する

実態と帳簿がずれていると、そこが最大の論点になります。

後継者を同席させる

面談には後継者を同席させてください。金融機関は人を見ます。数字を自分の言葉で説明できるかが評価されます。

一度で終わらせず、定期的に顔を合わせる関係を作っておくことをおすすめします。

個人保証の話をどう出すか

前店主の保証を外し、後継者に引き継がせないという選択もあり得ます。交渉には材料が要ります。財務の健全性と、会社と個人の資産の分離が前提になります。

伝える時期を決める

早すぎても遅すぎても問題が生じます。

  • 方針が固まった段階で伝える — 検討中の段階では、情報管理の問題があります
  • 借入がある場合は、実行の前に必ず相談する
  • 個人保証の解除には、事前の協議が必要
  • 期限の利益喪失事由に該当しないかを確認する
  • 買い手が決まる前でも、方針は共有できる

4番目を先に確認してください。借入契約によっては、経営権の変動が期限の利益喪失事由とされていることがあります。該当する場合、事前の協議が不可欠です。契約書を確認し、弁護士にご相談ください。

提出資料を揃える

説明の質が、その後の対応を左右します。

  1. 決算書と月次の実績
  2. 在庫の日齢分布と実売実績
  3. 承継の計画 — 相手、時期、方式
  4. 後継者または買い手の情報
  5. 承継後の事業計画
  6. 返済計画

2番目がこの業種では特に重要です。在庫を担保としている場合、その質が返済能力の裏づけになります。日齢の分布と実売実績を示せば、換金性を説明できます。日頃から提出していれば、この場面で改めて作る必要もありません。

後継者に説明させる準備

金融機関が知りたいのは、次の経営者です。

  • 早い段階で引き合わせる
  • 後継者から事業計画を説明してもらう
  • 数字を理解していることを示す
  • 継続的に同席してもらう
  • 担当者との関係を作る

3番目が評価を分けます。後継者が自社の数字を説明できるかどうかは、その場で分かります。在庫日齢、粗利率、買取件数を自分の言葉で語れる状態にしてから、同席してもらってください。準備なしの同席は、かえって不安を与えます。

個人保証の話の出し方

この論点は、避けずに正面から相談してください。

  • 後継者に保証を求めるかを確認する
  • 前経営者の保証の解除時期を確認する
  • 二重の保証を避けたい旨を伝える
  • 会社の状態を示す資料を用意する
  • 解除は書面で確認する

1番目を、後継者に承継を打診する前に確認してください。「継いでほしい」と伝えてから保証が必要だと判明すると、話が振り出しに戻ります。順序を逆にすることで、後継者の判断がしやすくなります。取り扱いは金融機関にご確認ください。

まとめ

金融機関には早めに、資料をそろえて、後継者と一緒に。

在庫の実態を正直に示すことが、結果的に信用につながります。