Q. 日齢管理は何から始めればよいですか

システムがなくても始められます。今日入荷する商品に、入荷日を記録するところからです。

既存在庫は、おおよその入荷時期で3区分程度に分けておけば十分です。1か月後に最初の分布表が作れます。3か月手作業で回してから、システム導入を検討してください。

Q. 日齢は何日で区切ればよいですか

まずは30日以内/31〜90日/91〜180日/181〜365日/365日超の5区分から始めてください。

カテゴリによって回転の速さが違うため、自店のカテゴリ別の平均回転日数を出し、その2倍あたりを「滞留」の目安にすると実態に合います。

Q. 個品管理は必要ですか

必要です。型番単位の管理では、同じ商品がいつ入荷したかを区別できません。日齢が取れないだけでなく、1点ごとの粗利も出せません。

リユース品は、同じ型番でも状態も仕入れ値も違います。個品管理は、リユース業では前提と考えてください。

Q. 評価減はいつ計上すべきですか

経営の観点では、実際に売れない状態になった時点で認識するのが望ましいと言えます。簿価が実態からかけ離れていると、判断を誤ります。

ただし税務上の取扱いは、方法や要件が定められています。必ず税理士に相談してから計上してください。

Q. 棚卸はどのくらいの頻度で行うべきですか

年1回の全数棚卸が基本です。点数が多い店では、これに高単価カテゴリの月次棚卸を組み合わせてください。

貴金属、時計、ブランド品だけを毎月数えるだけでも、金額ベースの精度は大きく上がります。

Q. 棚卸差異が出たらどうすればよいですか

次の順で原因を追ってください。

  1. 記録漏れ(入荷や販売の入力忘れ)
  2. 場所の見落とし(修理中、EC倉庫、催事持ち出し)
  3. 登録ミス
  4. 破損・廃棄の未処理
  5. 盗難・内部不正

最後の可能性に至る前に、必ず1〜4を確認してください。順序を飛ばすと現場の信頼を失います。

Q. 預かり品はどう扱えばよいですか

自社在庫と物理的に分けて保管し、システム上も別の扱いにしてください。

修理預かり、委託販売品、クーリング・オフ期間中の品、警察から保管を求められた品。いずれも自社の在庫ではありません。混ざっていると、棚卸でも買収監査でも必ず指摘されます。

Q. システムを入れないと日齢管理はできませんか

できます。むしろ先に手作業で回してみるほうがうまくいきます。

  1. 今日入荷するものに入荷日を記録する — 値札に日付を書くだけでも始められます
  2. 既存在庫はおおよその時期で3区分に分ける — 遡って正確に調べる必要はありません。「1年以上前」「半年〜1年」「半年以内」で足ります
  3. 1か月後に最初の分布表を作る — 金額と点数を区分ごとに数えます
  4. 3か月続けてからシステムを検討する — 手作業で回すと、本当に必要な機能が分かります

先にシステムを入れると、使わない機能に合わせた運用になり入力が続きません。手で回してみた経験が、選定の判断材料になります。

Q. 在庫を減らすと売場が寂しくなりませんか

減らすべきは滞留分であって、在庫全体ではありません。ここを混同すると売場が弱くなります。

実際に起きるのは逆のことが多いものです。売れない商品が棚を占領している間、新しい商品を並べる場所がありません。滞留分を処理すれば棚が空き、戻った資金で新しい仕入れができます。結果として売場の鮮度は上がります。

目安としては、日齢181日超の比率を追ってください。在庫総額が減っていてもこの比率が上がっていれば状態は悪化しています。逆に、総額が同じでも比率が下がっていれば中身が良くなっているということです。

「お客様が行くたびに何かある店」と感じるかどうかは、在庫の量ではなく入れ替わりの速さで決まります。

Q. 買収監査では在庫の何を見られますか

帳簿と現物の一致、日齢の分布、簿価と実勢価格の差、預かり品との区別、簿外在庫の有無です。実地棚卸に立ち会われます。

直前に整えることはできません。日々の記録がそのまま出ます。

※ 本記事は一般的な考え方を整理したものです。税務上の取扱いや補助金の対象・要件は、制度の改正や個別の事情によって異なります。実際の判断にあたっては、税理士等の専門家および管轄窓口にご確認ください。