訪問購入とは

事業者が消費者の自宅などを訪問して、物品を買い取る取引です。特定商取引法で規制の対象とされています。

リユース業でいえば、出張買取がこれにあたります。店頭買取とは扱いが異なる点に注意してください。

店頭買取と扱いが違うという点が、実務でいちばん重要です。同じ会社の同じ担当者でも、どこで買うかで手続きが変わります。出張買取を始めるならここを押さえてください。

クーリング・オフの仕組み

売主(消費者)は、定められた期間内であれば、書面などにより契約を解除できます。事業者側から解除を拒むことはできません。

実務への影響が大きいのは、その期間中、売主は物品の引渡しを拒むことができるという点です。つまり、その場で商品を持ち帰れない場合があります。

その場で持ち帰れない場合があるという点は、仕入れの計画に影響します。出張買取で得た商品がすぐ売場に並ぶわけではないため、在庫の入り方に時間差が生じることを見込んでおいてください。

書面の交付

契約時に、定められた事項を記載した書面を交付する必要があります。記載事項や様式の要件は法令で定められています。

実務としては、あらかじめ様式を用意して持ち出す形にしてください。その場で手書きするのでは、記載漏れが起きます。

様式は、必須項目を空欄にできない形にしておくと記載漏れが防げます。その場で手書きする運用は必ず漏れが出ます。あらかじめ印刷した用紙を持ち出しセットに入れてください。

商品を持ち帰った場合の扱い

売主が引渡しに応じて商品を持ち帰った場合でも、クーリング・オフの期間は続きます。この間に問題になるのが次の点です。

  • 転売してしまうと戻せない:期間中は販売しない運用が必要
  • 第三者へ引き渡す場合の通知:定められた事項の通知が求められる場合があります
  • 在庫システム上の管理:誤って店頭やECに出さない仕組みが要る

1番目への手当てとしては、在庫システムに専用のステータスを設けるのが確実です。「期間中」の状態では店頭にもECにも出せない設定にしておけば、誤って販売する事故を仕組みで防げます。

社内手順として決めること

  1. 出張買取用の書面様式を用意し、記載欄を空欄にできない形にする
  2. 持ち帰った商品は「クーリング・オフ期間中」のステータスで管理する
  3. 期間中は、店頭にもECにも出さない
  4. 期間の起算日と満了日を記録し、自動で解除される仕組みにする
  5. 解除の申し出があった場合の対応手順(返還と返金)を決める

4番目の「自動で解除される仕組み」があると運用が楽になります。起算日を入力すれば満了日に自動で通常在庫に戻る。手作業で戻す運用だと、期間が過ぎても売場に出ないままという損失が生じます。

回転への影響を織り込む

期間中は販売できないため、その分だけ在庫が滞留します。出張買取の比率が高い店では、平均回転日数にこの期間が上乗せされます。

買取原価率を設計するときに、この待ち時間を考慮に入れてください。

出張買取の比率が高い店では、この待ち時間を平均回転日数に含めて買取上限を計算してください。店頭と同じ原価率を当てると、その分だけ資金効率が落ちます。

出張買取を伸ばす前に整えること

出張買取は仕入れを増やす有効な手段ですが、手続きの負担も伴います。件数を増やす前に次を固めてください。

  1. 書面の様式 — 法定の記載事項を満たし、空欄では処理できない形にします
  2. 持ち出しセット — 書面、行商従業者証、本人確認の手順書、査定基準の携帯版、連絡先
  3. 在庫の専用ステータス — 期間中は販売できない状態で管理します
  4. 起算日と満了日の管理 — 自動で解除される仕組みにしておくと、売り遅れが防げます
  5. 解除の申し出への対応手順 — 返還と返金の流れ、担当者、記録する様式
  6. 回転日数への織り込み — 買取上限の計算に待ち時間を含めます

このうち3番目と4番目はシステムの設定で解決します。人が覚えておく運用にすると、件数が増えたときに必ず崩れます。

まとめ

出張買取は訪問購入にあたり、書面交付とクーリング・オフの対応が必要です。期間中は販売できません。

在庫システムに「期間中」のステータスを設けて、誤って販売しない仕組みを作ってください。それが最も確実な対策です。

まずは在庫システムに専用のステータスを設けられるかを確認してください。それが最も確実な対策になります。手順の作り方についてはご相談いただけます。