まず確認すること
- 許可の名義は個人か法人か
- 営業を続けるための手続きは何か
- 誰が当面の意思決定をするか
- 資金の支払いは回るか
- 従業員に何を伝えるか
許可の扱い
個人事業として許可を得ていた場合、相続によってそのまま続けられるとは限りません。営業を継続するために必要な手続きがあるため、速やかに管轄の警察署へ確認してください。
法人の場合、許可は法人に付いています。ただし代表者や役員の変更に伴う届出が必要になります。
並行して進めること
| 区分 | やること |
|---|---|
| 営業 | 買取・販売を止めない体制を作る |
| 資金 | 口座の凍結に備え、支払いの手当てをする |
| 取引先 | 状況を説明し、取引を継続する |
| 相続 | 相続人の確定、財産の把握 |
| 税務 | 申告の期限を確認する |
口座が使えなくなる問題
個人名義の口座は、金融機関が相続を把握すると入出金が制限されます。買取代金の支払いや仕入れに支障が出るため、取引金融機関に早めに相談してください。
在庫の扱い
- 在庫は相続財産として評価の対象になる
- 実地棚卸しの記録を残す
- 相続の手続き中も販売は続ける必要がある
- 評価の方法を税理士と確認する
最初の1週間にやること
営業を止めないことが最優先です。
- 資金繰りを確認する — 買取代金の支払いに使える現金です
- 金融機関に連絡する — 口座の扱いを確認します
- 許可の扱いを所轄の警察署に確認する
- 従業員に状況を伝える
- 暫定の判断者を決める
- 専門家に連絡する
2番目と3番目が急ぎます。口座が使えなくなると、買取の支払いができません。また、許可の扱いによっては、営業の継続に手続きが必要です。いずれも早急に確認してください。
口座が使えない期間への備え
この業種では、現金が止まると仕入れが止まります。
- 手元現金の残高を確認する
- 買取の上限を一時的に下げる
- 支払い方法を確認する — 振込ができない期間の対応です
- 従業員の給与の支払いを確保する
- 取引先への支払いの見通しを立てる
- 金融機関に相談する
2番目が現実的な対応です。資金が確保できるまで、高額の買取を一時的に止める判断が必要になります。顧客への説明の型を用意し、後日の対応を約束する形にしてください。
在庫の扱いを確認する
在庫は相続財産です。取り扱いに注意が要ります。
- 棚卸を実施する — 相続開始時点の状態を記録します
- 評価の方法を税理士に確認する
- 通常の営業の範囲での販売について確認する
- 相続人間で情報を共有する
- 記録を残す
3番目を専門家に確認してください。相続財産である在庫を販売してよいかは、事案によって判断が分かれます。営業を続ける必要がある一方、財産の処分にあたる可能性もあります。弁護士・税理士に確認したうえで進めてください。
相続人が複数いる場合の進め方
意思決定が遅れるほど、事業の価値が下がります。
- 全員に状況を共有する
- 事業の実態を資料で示す — 在庫、負債、収益
- 暫定の運営体制について合意する
- 方針を決める期限を設定する
- 専門家に入ってもらう
- 従業員への説明を統一する
2番目が合意の土台になります。在庫の実勢価値は、相続人によって認識が大きく異なります。簿価と実勢の差を客観的に示すことで、期待値の差を埋められます。早い段階で資料を用意してください。
まとめ
相続後は許可・資金・営業の三つを同時に手当てします。
まず管轄の警察署と取引金融機関に相談してください。
※ 本記事は一般的な考え方を整理したものです。古物営業法にもとづく許可の要否・必要書類・審査期間や、本人確認義務の具体的な運用は、法令の改正や管轄する警察署・公安委員会の運用によって異なります。実際の手続きにあたっては、必ず管轄窓口および専門家にご確認ください。