止まると困ること
| 業務 | 止まると |
|---|---|
| 査定・買取 | 仕入れが止まり、在庫が枯れる |
| 値付け | 売場が動かなくなる |
| 市場への出品 | 滞留在庫が資金を縛る |
| 支払い・入金 | 取引が止まる |
| 金融機関対応 | 信用に影響する |
すぐできる備え
- 取引先・仕入れ先の連絡先を会社の台帳にまとめる
- 銀行口座と決済の情報を、権限のある人が確認できるようにする
- 買取の上限額を決め、スタッフに判断を任せられるようにする
- 査定の基準を書き出す(不完全でよい)
- 顧問税理士・社労士の連絡先を共有する
認証情報そのものを紙に書いて置くのは危険です。誰に権限を渡すかを決めておく形にしてください。
個人事業の場合
個人事業では、店主に何かあると許可の扱いが問題になります。事業を続けられるかどうかに直結するため、法人化を含めて早めに検討してください。
法人の場合
- 代表者が一人だと、意思決定が止まる
- 取締役を複数にしておく選択がある
- 株式の相続で議決権が分散する可能性
- 個人保証が相続される
試してみる
店主が1週間、店に出ない期間を作ってみてください。何が止まるかが分かります。それが備えるべき項目です。
明日から不在になった場合を想定する
具体的に何が止まるかを、書き出してください。
- 買取の決裁 — 上限を超える案件が判断できません
- 高額品の査定
- 資金の支払い — 口座の権限と、決済の手続きです
- 取引先との連絡 — 窓口が分からない場合があります
- 金融機関との対応
- システムやアカウントへのアクセス
3番目と6番目が最も早く問題になります。買取代金の支払いができなければ、その日から仕入れが止まります。口座の権限とアクセス情報の管理を、まず確認してください。
今週中に用意できるもの
費用も時間もかからない対策があります。
- 緊急時の連絡先を一覧にする — 取引先、金融機関、専門家
- アカウントとパスワードの管理方法を決める — 家族または幹部が確認できる形です
- 重要書類の保管場所を伝える — 契約書、許可証、印鑑
- 暫定の決裁者を決めておく
- 買取上限を一時的に下げる基準を決めておく
- これらを1枚にまとめる
6番目が実務上いちばん役に立ちます。いざというとき、複数の場所に散った情報を探す余裕はありません。1枚にまとめ、家族と幹部が確認できる場所に置いておいてください。
法人と個人事業での違い
事業形態によって、備えるべき内容が変わります。
- 法人:代表者の変更手続きが必要になる
- 法人:許可は法人に帰属する — 役員変更の届出が必要です
- 個人:許可が個人に帰属する — 承継の扱いに確認が要ります
- 個人:事業用資産と個人資産の区別が問題になる
- いずれも、口座の扱いを確認しておく
3番目が個人事業の最大の課題です。許可の扱いについて、所轄の警察署に確認しておいてください。営業を継続できるかどうかが、この点で決まります。法人化を検討する理由の一つでもあります。
実際に試してみる
備えが機能するかは、試さないと分かりません。
- 連続した休暇を取る — 1〜2週間が目安です
- その間、連絡を最小限にする
- 止まったことを記録してもらう
- 判断できなかった案件を確認する
- その項目に対策を打つ
3番目の記録が、対策すべき項目の一覧になります。想定では見えなかった問題が、実際に不在にすると出てきます。年に一度、この試験を行ってください。備えの検証であると同時に、承継の準備の進捗を測る方法でもあります。
まとめ
備えの本質は、権限と情報を分散させることです。
まず1週間離れてみて、止まったものから手を打ってください。