どんな制度か
後継者が自社株を承継する際の税負担について、一定の要件のもとで扱いを変える仕組みがあります。内容と要件は改正されることがあるため、検討時点で税理士に確認してください。
判断の分かれ目
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| 後継者が長く続ける見込み | 制度の活用を検討する価値がある |
| 将来の譲渡もあり得る | 条件との関係を慎重に確認する |
| 株の評価が低い | 制度を使わない選択もある |
| 事業の先行きが不透明 | 柔軟性を優先する |
リユース業で考えておくこと
- 在庫の評価が株価を大きく左右する
- 相場の局面で評価が変わる
- 後継者が目利きを引き継げるか
- 業界の再編が進む可能性
目利きの引き継ぎに不確実性があるなら、柔軟性を残すほうが安全な場合があります。
制度を使わない選択
- 在庫を整理して評価を下げる
- 退職金の支給で評価を調整する
- 時間をかけて少しずつ移す
- そもそも第三者への譲渡を選ぶ
相談の進め方
顧問税理士に加えて、事業承継に詳しい専門家の意見も聞くことをおすすめします。制度の適用は専門性が高く、判断が分かれることがあります。
判断の材料を整理する
制度を使うかどうかは、条件を確認してから決めてください。
- 対象となる要件を確認する
- 継続して満たすべき条件を確認する
- その条件を満たし続けられるかを検討する
- 条件を満たせなくなった場合の影響を確認する
- 手続きの負担を確認する
- 制度を使わない場合の負担と比較する
制度の内容と要件は改定されます。必ず税理士および所管の窓口にご確認ください。要件を満たせなくなった場合の影響が大きい制度もあります。長期の見通しを立てたうえで判断してください。
出口とセットで考える
制度の利用は、将来の選択肢に影響します。
- 将来、第三者に譲渡する可能性を検討する
- その場合の制度上の扱いを確認する
- 事業を続けられなくなった場合の扱いを確認する
- 後継者がさらに次に渡す場合を検討する
- 長期の見通しを立てる
1番目を必ず検討してください。制度を使った後に第三者へ譲渡することになった場合、想定と異なる負担が生じる可能性があります。将来の選択肢を狭めないかを、専門家と確認したうえで判断してください。
この業種で確認しておく点
この業種に固有の論点があります。
- 在庫の評価が財産額を左右する
- 事業の継続性が問われる — 属人性が高いと不安が残ります
- 従業員数の要件がある場合の確認
- 資産の構成に関する要件の確認
- 個人名義の事業用資産の扱い
2番目が実質的な前提です。制度を使って承継しても、事業が続かなければ意味がありません。査定の引き継ぎ、記録の整備、属人性の解消が進んでいることが、制度の活用の土台になります。並行して進めてください。
使わずに進める判断
使わないという判断も合理的です。
- 負担が小さければ、通常の方法で足りる
- 在庫を整理すれば、評価が下がる場合がある
- 手続きと継続の負担を避けられる
- 将来の選択肢が制約されない
- 両方を試算して比較する
5番目を必ず行ってください。制度を使った場合と使わない場合の負担を、実際の数字で比較してください。差が小さければ、手続きの負担と将来の制約を避けるほうが合理的な場合があります。試算は税理士にご依頼ください。
まとめ
制度の活用は、出口の見通しとセットで判断してください。
将来の選択肢を狭めないか、必ず確認することをおすすめします。
※ 本記事は一般的な考え方を整理したものです。税務上の取扱いや補助金の対象・要件は、制度の改正や個別の事情によって異なります。実際の判断にあたっては、税理士等の専門家および管轄窓口にご確認ください。