時間割の全体像

やること目安
現状の棚卸し(数字の把握)数か月
在庫の圧縮数年
後継者の育成数年
個人保証・資産の整理1〜2年
実際の承継手続き数か月

並行して進められるものもありますが、在庫と育成は時間を買えません

在庫の圧縮に何年かかるか

簡単な試算ができます。

  1. いまの在庫金額を確認する
  2. 目標とする在庫金額を決める
  3. 月にどれだけ減らせるかを見積もる(販売 − 仕入れ)
  4. 差額を月次の削減額で割る

仕入れを止めれば早く減りますが、売上も落ちます。減らしながら回す設計が要ります。

逆算の順番

  1. 引退したい年を決める
  2. そこから在庫の圧縮期間を引く
  3. 育成に要する年数を引く
  4. 残った年が「準備を始めるべき年」
  5. すでに過ぎているなら、今すぐ着手する

前倒しできること

  • 査定基準の文書化(今日から始められる)
  • 在庫日齢の管理
  • 個人名義の資産の洗い出し
  • 契約書の一覧作成
  • 家族との話し合い

時間割を書き出す

年単位で「この年に何をするか」を紙に書いてください。頭の中の計画は実行されません

在庫の圧縮に必要な年数を計算する

感覚ではなく、計算で年数が出せます。

  1. 現在の在庫金額を出す
  2. 目標とする在庫金額を決める — 月商の何か月分かで置きます
  3. 差額を出す
  4. 年間で減らせる額を見積もる — 仕入れを絞る分と、処理する分です
  5. 差額を割って、年数を出す
  6. 日齢の長い在庫は、別に計算する

4番目の見積もりが現実的かを確認してください。仕入れを絞りすぎると、売上が落ちて事業の価値が下がります。売上を維持しながら在庫を減らせる幅には限りがあります。無理のない年数を出してください。

工程を並行させる

順番に進めると、時間が足りなくなります。

  • 在庫の圧縮 — 3〜5年。最も長くかかります
  • 査定の引き継ぎ — 3年程度。並行して進めます
  • 記録の整備 — 1〜2年
  • 個人経費の切り分け — 2期分の決算に反映させるなら2年
  • 権限の移譲 — 2〜3年
  • 資料の作成 — 半年から1年

1番目と2番目を最初に始めてください。この2つが完了しなければ、他が整っても評価は上がりません。着手が遅れると、それだけ引退の時期が後ろにずれます。

いつでも始められる作業

いつでも始められる作業があります。

  • 個品管理の整備 — 日齢と粗利が出る状態にします
  • 査定基準の文書化 — 1カテゴリからでも始められます
  • 契約書の一覧化
  • 取引先の一覧化
  • 顧客情報の記録
  • 月次決算の早期化

1番目を最優先にしてください。個品管理ができていなければ、在庫の圧縮の進捗すら測れません。日齢が出る状態を作ることが、すべての工程の前提になります。移行には時間がかかるため、今日から始めてください。

時間割を書き出して共有する

頭の中の計画は、実行されません。

  1. 引退の年を書く
  2. 各工程の完了目標年を書く
  3. 逆算して着手年を書く
  4. 担当を書く — 経営者1人では回りません
  5. 年1回、進捗を確認する
  6. 状況が変われば、書き直す

5番目の確認を仕組みにしてください。決算後など、毎年同じ時期に見直す形にすれば、遅れに気づけます。何年も放置すると、引退の時期を延ばすしかなくなります。

まとめ

承継の時間割は、在庫と育成という二つの長い工程から逆算します。

まず在庫の圧縮に何年かかるかを試算してください。