時間割の全体像
| やること | 目安 |
|---|---|
| 現状の棚卸し(数字の把握) | 数か月 |
| 在庫の圧縮 | 数年 |
| 後継者の育成 | 数年 |
| 個人保証・資産の整理 | 1〜2年 |
| 実際の承継手続き | 数か月 |
並行して進められるものもありますが、在庫と育成は時間を買えません。
在庫の圧縮に何年かかるか
簡単な試算ができます。
- いまの在庫金額を確認する
- 目標とする在庫金額を決める
- 月にどれだけ減らせるかを見積もる(販売 − 仕入れ)
- 差額を月次の削減額で割る
仕入れを止めれば早く減りますが、売上も落ちます。減らしながら回す設計が要ります。
逆算の順番
- 引退したい年を決める
- そこから在庫の圧縮期間を引く
- 育成に要する年数を引く
- 残った年が「準備を始めるべき年」
- すでに過ぎているなら、今すぐ着手する
前倒しできること
- 査定基準の文書化(今日から始められる)
- 在庫日齢の管理
- 個人名義の資産の洗い出し
- 契約書の一覧作成
- 家族との話し合い
時間割を書き出す
年単位で「この年に何をするか」を紙に書いてください。頭の中の計画は実行されません。
在庫の圧縮に必要な年数を計算する
感覚ではなく、計算で年数が出せます。
- 現在の在庫金額を出す
- 目標とする在庫金額を決める — 月商の何か月分かで置きます
- 差額を出す
- 年間で減らせる額を見積もる — 仕入れを絞る分と、処理する分です
- 差額を割って、年数を出す
- 日齢の長い在庫は、別に計算する
4番目の見積もりが現実的かを確認してください。仕入れを絞りすぎると、売上が落ちて事業の価値が下がります。売上を維持しながら在庫を減らせる幅には限りがあります。無理のない年数を出してください。
工程を並行させる
順番に進めると、時間が足りなくなります。
- 在庫の圧縮 — 3〜5年。最も長くかかります
- 査定の引き継ぎ — 3年程度。並行して進めます
- 記録の整備 — 1〜2年
- 個人経費の切り分け — 2期分の決算に反映させるなら2年
- 権限の移譲 — 2〜3年
- 資料の作成 — 半年から1年
1番目と2番目を最初に始めてください。この2つが完了しなければ、他が整っても評価は上がりません。着手が遅れると、それだけ引退の時期が後ろにずれます。
いつでも始められる作業
いつでも始められる作業があります。
- 個品管理の整備 — 日齢と粗利が出る状態にします
- 査定基準の文書化 — 1カテゴリからでも始められます
- 契約書の一覧化
- 取引先の一覧化
- 顧客情報の記録
- 月次決算の早期化
1番目を最優先にしてください。個品管理ができていなければ、在庫の圧縮の進捗すら測れません。日齢が出る状態を作ることが、すべての工程の前提になります。移行には時間がかかるため、今日から始めてください。
時間割を書き出して共有する
頭の中の計画は、実行されません。
- 引退の年を書く
- 各工程の完了目標年を書く
- 逆算して着手年を書く
- 担当を書く — 経営者1人では回りません
- 年1回、進捗を確認する
- 状況が変われば、書き直す
5番目の確認を仕組みにしてください。決算後など、毎年同じ時期に見直す形にすれば、遅れに気づけます。何年も放置すると、引退の時期を延ばすしかなくなります。
まとめ
承継の時間割は、在庫と育成という二つの長い工程から逆算します。
まず在庫の圧縮に何年かかるかを試算してください。