必要な数字

  1. 現在の在庫金額(原価ベース)
  2. 月間の販売額(原価ベース)
  3. 月間の仕入れ額
  4. 目標とする在庫金額

原価で統一してください。売価と混ぜると計算が合いません。

計算の仕方

月ごとの在庫の減少額は「販売(原価) − 仕入れ」です。これで目標までの差額を割れば、必要な月数が出ます。

状態意味
販売 > 仕入れ在庫は減っていく
販売 = 仕入れ在庫は変わらない
販売 < 仕入れ在庫は増え続ける

三つ目の状態が続いているなら、まずそこを止めることが先決です。

現実的な調整

  • 仕入れを絞ると、売上も落ちる
  • 滞留在庫は原価では売れない(値引きが要る)
  • 季節によって在庫は増減する
  • 回転の速い商材と遅い商材で扱いを分ける

単純計算より時間はかかると見ておいてください。

区分して考える

  1. 回転の速い在庫:維持してよい(稼いでいる)
  2. 回転の遅い在庫:優先して減らす
  3. 売れる見込みのない在庫:早く処分する
  4. 高額品:市場や専門業者へ

すべてを一律に減らす必要はありません。減らすべきものを選ぶのが実務です。

引退年との突き合わせ

試算した年数を、希望する引退年と比べてください。足りないなら、次のどれかを選ぶことになります。

  • 引退年を後ろにずらす
  • 仕入れをもっと絞る
  • まとめ売りで一気に圧縮する(手取りは減る)
  • 在庫込みで譲渡する

必要な数字を揃える

計算の前に、現状を把握してください。

  1. 在庫金額 — カテゴリ別、日齢別に分けます
  2. 月商
  3. 粗利率 — カテゴリ別です
  4. 年間の仕入れ額
  5. 年間の値下げ・処分の実績
  6. 在庫回転日数

1番目の分解ができていなければ、計画が立てられません。在庫の合計金額だけでは、どこを減らすべきかが分かりません。カテゴリ別・日齢別の分布が出せる状態を、まず作ってください。

現実的な調整を加える

計算どおりに進まない要因を織り込んでください。

  • 仕入れを絞ると、売上も落ちる — 品揃えが薄くなります
  • 売上が落ちると、事業の評価も下がる
  • 処分には費用がかかる
  • 季節による変動がある
  • 従業員の負担が増える — 処理の作業です

2番目のバランスが難しいところです。在庫を減らしすぎると、売上と利益が落ち、それ自体が評価を下げます。在庫の質を上げながら、売上を維持する形が理想です。日齢の長い在庫を減らし、回転の速い商材に入れ替える方向で計画してください。

区分ごとに計画を分ける

すべての在庫を一律に扱わないでください。

  • 日齢366日超 — 早期に処理します
  • 日齢181〜365日 — 値下げと販路の変更で対応します
  • 日齢180日以内 — 通常の運用で回します
  • 相場連動品 — 相場を見て判断します
  • 季節商材 — シーズンを待つ判断もあります

1番目に集中してください。金額の大半は、上位の少数が占めているのが通例です。日齢366日超の在庫を金額順に並べ、上位から処理すれば、短期間で分布が改善します。

引退年と突き合わせる

計算した年数と、希望する時期を照らしてください。

  1. 在庫の圧縮に必要な年数を出す
  2. 査定の引き継ぎに必要な年数を出す
  3. 長いほうを基準にする
  4. 希望する引退年と比較する
  5. 足りなければ、対応を決める — 時期を延ばすか、範囲を絞るか
  6. 年1回、再計算する

5番目の判断を先送りしないでください。間に合わないと分かった時点で、時期を延ばすか、譲渡の形を変えるかを決める必要があります。計算せずに進めると、その時期が来てから慌てることになります。

まとめ

在庫の圧縮は四つの数字で試算できます。

計算してみて、引退年と合わないなら早めに手を打ってください。