必要な数字
- 現在の在庫金額(原価ベース)
- 月間の販売額(原価ベース)
- 月間の仕入れ額
- 目標とする在庫金額
原価で統一してください。売価と混ぜると計算が合いません。
計算の仕方
月ごとの在庫の減少額は「販売(原価) − 仕入れ」です。これで目標までの差額を割れば、必要な月数が出ます。
| 状態 | 意味 |
|---|---|
| 販売 > 仕入れ | 在庫は減っていく |
| 販売 = 仕入れ | 在庫は変わらない |
| 販売 < 仕入れ | 在庫は増え続ける |
三つ目の状態が続いているなら、まずそこを止めることが先決です。
現実的な調整
- 仕入れを絞ると、売上も落ちる
- 滞留在庫は原価では売れない(値引きが要る)
- 季節によって在庫は増減する
- 回転の速い商材と遅い商材で扱いを分ける
単純計算より時間はかかると見ておいてください。
区分して考える
- 回転の速い在庫:維持してよい(稼いでいる)
- 回転の遅い在庫:優先して減らす
- 売れる見込みのない在庫:早く処分する
- 高額品:市場や専門業者へ
すべてを一律に減らす必要はありません。減らすべきものを選ぶのが実務です。
引退年との突き合わせ
試算した年数を、希望する引退年と比べてください。足りないなら、次のどれかを選ぶことになります。
- 引退年を後ろにずらす
- 仕入れをもっと絞る
- まとめ売りで一気に圧縮する(手取りは減る)
- 在庫込みで譲渡する
必要な数字を揃える
計算の前に、現状を把握してください。
- 在庫金額 — カテゴリ別、日齢別に分けます
- 月商
- 粗利率 — カテゴリ別です
- 年間の仕入れ額
- 年間の値下げ・処分の実績
- 在庫回転日数
1番目の分解ができていなければ、計画が立てられません。在庫の合計金額だけでは、どこを減らすべきかが分かりません。カテゴリ別・日齢別の分布が出せる状態を、まず作ってください。
現実的な調整を加える
計算どおりに進まない要因を織り込んでください。
- 仕入れを絞ると、売上も落ちる — 品揃えが薄くなります
- 売上が落ちると、事業の評価も下がる
- 処分には費用がかかる
- 季節による変動がある
- 従業員の負担が増える — 処理の作業です
2番目のバランスが難しいところです。在庫を減らしすぎると、売上と利益が落ち、それ自体が評価を下げます。在庫の質を上げながら、売上を維持する形が理想です。日齢の長い在庫を減らし、回転の速い商材に入れ替える方向で計画してください。
区分ごとに計画を分ける
すべての在庫を一律に扱わないでください。
- 日齢366日超 — 早期に処理します
- 日齢181〜365日 — 値下げと販路の変更で対応します
- 日齢180日以内 — 通常の運用で回します
- 相場連動品 — 相場を見て判断します
- 季節商材 — シーズンを待つ判断もあります
1番目に集中してください。金額の大半は、上位の少数が占めているのが通例です。日齢366日超の在庫を金額順に並べ、上位から処理すれば、短期間で分布が改善します。
引退年と突き合わせる
計算した年数と、希望する時期を照らしてください。
- 在庫の圧縮に必要な年数を出す
- 査定の引き継ぎに必要な年数を出す
- 長いほうを基準にする
- 希望する引退年と比較する
- 足りなければ、対応を決める — 時期を延ばすか、範囲を絞るか
- 年1回、再計算する
5番目の判断を先送りしないでください。間に合わないと分かった時点で、時期を延ばすか、譲渡の形を変えるかを決める必要があります。計算せずに進めると、その時期が来てから慌てることになります。
まとめ
在庫の圧縮は四つの数字で試算できます。
計算してみて、引退年と合わないなら早めに手を打ってください。